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私は、60分間で何ができるだろう。

「60分、だとは思えなかったね。」

60分間の映画を観たあと、声が漏れた。ストーリーは知っていた。数年前にSNSで見ていたから知っていたが、それでも、私はあの暗い映画館の中で微笑んで泣いて、感情を揺らされていた。

高校時代の先輩の演劇もそうだった。「パーフェクト・ドライブ」と題された60分間の演劇。60分。舞台の上には、たった4人。着替えもない一つの舞台。

たった60分なのに引き込まれていた。高校の同級生との再会をきっかけに描かれる様々の中で、私は、今さら言うこと、今だから言えることが人生の中でいくつあるんだろうなんて考えていた。たった60分なのに、私は泣きそうになったり、たまらなく笑顔になったり、救われたりしていた。

映画と演劇。60分の中で進んでいく物語は引き込まれることばかりだった。

60分しか、だろうか。60分も、だろうか。きっと人によって捉え方は違うし、1時間と言い直すとまた印象が変わるのだろう。

私が60分を与えられたとして、私はその60分を目一杯使って誰かの心を動かすことができるだろうか。私は60分をどう使うんだろうか。

気がつけば無駄に使ってしまうような時間に横たわりながら、今日も自分の時間について考えている。

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