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映画「すずめの戸締まり」観ました…震災をリアルに扱うことについて

久し振りに映画を観た。選んだのは「すずめの戸締まり」。封切されてから随分たつのに、日曜なのもあってか、けっこう混んでた。楽しく鑑賞しました。
「深海誠」映画はジブリと同じになったんだな、って思った。
つまり、アニメ好きでない人も、とりあえず観に行こうかってなる映画。友達同士でもデートでも家族でもよし、っていう。映像、特に風景の美しさに満足できることは間違いないしね。
内容は、賛否両論のようで、「3・11」の東日本大震災そのものの描写にトラウマを呼び覚ます人が多そう、と聞いていたのだけれど。私は、予想ほどの酷さ…目を背けたいほどの辛さ…は感じなかった。それは、私が、被災地での体験がないから、でもあるのですが。
深海誠監督が、東日本大震災にインスパイアされている3部作の中で、私は個人的には「君の名は。」に、最も、東日本大震災の影響を感じドキッとしました。ある日を境に、日常がすっかり変わってしまう…被災地での経験者でなくても、そのことがすべての人の心に深く突き刺さっている。そう思い知らされる映画でもありました。とびきり美しい光景とそれとはうらはらの残酷な現実。「君の名は。」では、直接的な震災表現はありませんが、監督のやるせない思いが、痛みを伴って伝わってきました。
「すずめの戸締まり」は、3・11のことを、直接的に描いている。事実に沿って無理なく、深海アニメ世界に組み込まれていると感じました。“東日本大震災を次世代にも伝えていきたい”という監督の意図、大成功していると思います。
東日本大震災直後、わりとすぐに被災地を扱った映画がつくられ、私もそれらを観に行きました。大災害によって様々なドラマが生まれ、それがエンタメ作品に昇華されていく。そのことに対し、複雑な心境の方もいるだろうけれど。「映画」によって、広く状況が知られることは、とてもいいことと感じます。
戦争映画と一緒かと。「戦争」は、日常ではありえないドラマがあり、様々な映画作品を生み出していく。実際の「戦争」はただただ悲惨で酷くて辛いことだけど。戦争に関わる表現が洗練され吟味され、ひとつのエンタメ作品を生み出していく。その中に批判されるものがあったとしても、様々な「戦争」作品があることが、時代と世代を超えて「戦争」を語り継ぐことの大きな助けになっている。
なので、「すずめの戸締まり」のような、東日本大震災を直接的に扱い、かつ魅力的なエンタメ作品ができヒットするのは、とても素晴らしいと思うのです。


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