
Photo by
voice_miwa0401
Dear…
君が生まれた日のことを
今でもはっきり覚えている
看護師さんに抱っこされて
目の前に現れた君
とても小さくて
とてもか弱い命
僕は君をそっと抱き上げて
“命の重さ”を感じた
自分より大切なものなど
この世にはないと信じていた僕に
君は自分より大切なものが
ここにあること教えてくれたね
例え君が僕を嫌っても
僕は君を愛している
そしてそれは永遠に
変わることはないのだろう
なぜなら君は世界で一人の
“僕の娘”なのだから
君と絵本を読んだ日を
僕ははっきり覚えている
君はいつも決まって
僕の膝の上に
ニコニコしながら
ぴょこんと座っている
僕が読むと
怒ったり悲しんだり
大きな声で笑ったり
そんな君を見るたびに僕は
娘を持つ幸せを噛みしめた
海にふたり同時に投げ出されたとして
一人分の船しかなかったら
僕は迷わず君を助け乗せるだろう
例え君が僕を避けても
いつも君を愛している
そしてそれは永遠に
変わることはないだろう
なぜなら僕は世界でただ一人の
“君の父親”なのだから
君はいつの日か自分の力で
人生を歩き出すことだろう
そして愛する人と出逢い
妻になり母になっていくのだろう
その時君が「無償の愛」を
注げる人になっていたなら
それだけで僕は
“生きてきた証”があったと
胸を張れるだろう
なぜならそれは君へのただひとつの
“僕の願い”なのだから
そして君は世界でただ一人の
“僕の愛しい娘”なのだから