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note連続講義 第0章−4 数列とその和


~はじめに~

 皆さんこんにちは,lim_sub_r_boyです.今回は第0章−4の数列とその和についてやっていきたいと思います.ここで,前回の講義の復習をしておきたいと思います.
1.三平方の定理を復習し,それを三角関数に導入した.
2.$${\sin\theta\,,\,\cos\theta\,,\,\tan\theta}$$について有名角について学習した.
3.グラフを見てその性質を考えた.


⬇前回の演習問題の解答⬇

 今回の演習問題は難易度が分けられているので,挑戦したい人は下の(challenge)までやるとかなりレベルアップに繋がると思います.東大では実際に過去に加法定理の証明が出題されています.


 今回の最終目標は以下のような内容です.
・基本的な数列を理解する.
・等差・等比数列について理解する.
・$${\sum}$$についての基本計算を理解する.


~基本的な数列~

 ここではまず,数列についての話からスタートしたいと思います.
数列とは・・・数がある規則に従って並んでいる列のこと.
ex) 奇数の場合 $${1,3,5,7,・・・,2n-1}$$
このとき,数字のことをといい特に1つ目の項を「初項」,最後の項を
末項」という.今回の場合,末項である$${2n-1}$$は奇数の一般式である.数列は関数とは違い,断続的であり数と数の間が関数に比べて大きい.
 ここで,中学の時に扱ってきた数列の一般式をさらっと復習していこう.
1.奇数の一般式:$${2n-1}$$
2.偶数の一般式:$${2n}$$
大まかにはこの2つが中学で扱ってきたであろう数列の一般項である.数列上では一般式を一般項と呼ぶ.異なる2つの奇数の積も奇数になることを証明するのは,この一般式を用いて証明することができる.
 ここで言う,「基本的な数列」とは中学生にでもわかる一般式をもつ数列のことを指している.なので,この部分は中学までの復習というわけだ.


~等差・等比数列について~

 次に登場するのは,「等差数列」と「等比数列」である.どちらも高校数学の範囲で学習する数列なので,見覚えであったり聞き覚えのあったりする人が多いかと思う.ここでは,それぞれの数列の項がどのようにして増えていくのか,またその一般項について確認していく.

1.1 等差数列
ex) 1,3,5,7,・・・
 びっくりすると思うがこれもなんと等差数列である.先に等差数列の一般項を紹介する.

$${a_n=a+(n-1)d}$$

これが等差数列の一般式である.奇数の数列の場合は$${a}$$に1を,$${d}$$に2を代入している.よってこの公式は以下のように最終的にはなる.

$${a_n=2n-1}$$

次に,各パーツの紹介をしていく.$${a}$$は初項である.文字で数列にするときは,$${a_0}$$とよく置かれる.$${d}$$の部分は公差と呼ばれる部分である.例題等に関しては是非,演習問題に取り組んでもらいたい.数列は沼にハマると抜けられなくなる部分であり今後学習する微分積分にも大きく関わる部分なのでしっかりとした理解をするのが望ましい.

1.2 等比数列
ex) 1,2,4,8,・・・
 これは,$${2^n}$$にどんどん増えていっているのがわかる.初項は今回も同様1とする.ここで公式を紹介する.

$${a_n=ar^{n-1}}$$

初項は相変わらずなのだが,新たな文字である$${r}$$が追加された.これは公比という.今回の場合は公比は2となっている.なのでex)を式にすると,

$${a_n=1・2^{n-1}}$$

 この2つは頻出度の高い数列の一般式となるので,覚えておくこと.


~和について~

 最後の目標となりましたが,数列の中でも軍を抜いて重要なのがこの最後の目標でもある「$${\sum}$$についての計算方法」である.これは今後,積分(特に定積分)をやる際には絶対に必要な知識になるので,最低これだけでもこれだけ覚えてもらえると今後の学習に大いに役立つと思う.それではやっていこう.

 そもそも$${\sum}$$とはなんだろうか.この答えは単純で「総和」である.つまりある数列$${a_n}$$の総和と言われたら$${\sum}$$を意味する.
これはシグマと読み次のように一般的に使用される.

$${\sum\limits_{n=a}^ka_n}$$

この意味について考えていきましょう.まず初めは$${n=a}$$.これは,足し始めるスタート地点だと考えていいです.この場合は$${n=a}$$より,$${a}$$番目から足し始めると言った感じです.続いては$${k}$$です.これは,スタートに対して終点を表しています.なので,上記の式は以下のようにすることができます.

$${\sum\limits_{n=a}^ka_n=a_a+a_{a+1}+a_{a+2}+···+a_k}$$

これで,少しの理解ができたかと思う.基礎的なところで言うと,掛け算がそれに当たる.今度は掛け算を総和を用いて表そう.

$${\sum\limits_{n=1}^kc=ck}$$ ($${c}$$は定数)

これが小学校の頃にやった掛け算の原型です.これの解説をすると,ある数$${c}$$を$${n}$$回足してくださいと言うのがこの式の命令です.よって,解として$${nc}$$というのが出てくるというわけです.シグマには他にも便利な公式があります.証明はここでは省きますが興味のある方は是非調べてみると良いと思います.

$${\sum\limits_{k=1}^nk=\frac{1}{2}n(n+1)\\\sum\limits_{k=1}^nk^2=\frac{1}{6}n(n+1)(n+2)}$$

これがシグマの公式です.特に今紹介した2つは積分のところでも出てくるので覚えていただけると良いと思います.


~さいごに~

 今回学んだことは以下のような内容です.
・中学生の時に学習した基本的な数列を復習した.
・1つ目を用いて奇数の一般式が等差数列であることを知った.
・等差・等比数列について理解した.
・$${\sum}$$についての基礎を理解した.


 次回の第0章−5は順列と組み合わせということで,メインは計算なのですが,その理解や使用法がややこしいのでその部分をなるべく丁寧に講義していきたいと思いますのでよろしくお願いします.
それではまた次回のnote連続講義でお会いしましょう.
さようなら!

今回の演習問題

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