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note連続講義 第0章−3 三角関数


~はじめに~

 皆さんこんにちは,lim_sub_r_boyです.今回は第0章−3 三角関数ということでやっていきたいと思います.ここで,前回第0章−2の指数と対数の簡単な復習をしましょう.
1.指数・対数の関係についてを理解した.
2.それぞれの関数についてグラフを理解した.
3.逆関数について学び,演習問題で指数関数・対数関数の関係について再度理解した.
⬇前回の講義⬇

⬇前回の解答⬇

 今回の問題はそこまで難易度の高い問題はなかったので,解答のみの掲載とさせていただきました.解法に関しては,前回の講義の内容を再度見直していただけると良いと思います.


~今回の最終目標~

・三平方の定理について再度確認する.(序章)
・三角関数である$${\sin\theta \,,\,\cos\theta \,,\,\tan\theta}$$について理解する.
・有名角とそれを用いた応用を考える.
・逆三角関数について理解する.


 今回の目標はこの様になっています.実は,中学数学ですでにやっている「三平方の定理」が三角関数を理解する上で非常に大切であるので(序章)として最初にやっていきたいと思います.後は,三角関数の定義であったり,グラフであったりを見ていきたいと思います.


~三平方の定理について~

$${a^2+b^2=c^2}$$

 この公式は,三平方の定理といい三角形のある辺の長さcの2乗は他の辺の2乗の和に等しいという意味を持つ.ここまでは,中学の範囲であるので容易に理解をすることができると思う.続いて見せる公式は三角関数の相互作用の公式で三平方の定理とも似ている公式である.

$${\sin^2\theta+\cos^2\theta=1}$$

この公式にはすでに,sinとcosが出てきているのでここから先2つ目の目標である三角関数の理解の方へ持っていきたいと思う.


~三角関数の基礎~

 では手始めに三角関数を理解するために$${\sin\theta\,,\,\cos\theta\,,\,\tan\theta}$$について図を用いて理解していきましょう.ここで使うのが「単位円」というものです.これは簡単に言うと,半径が1の円のことです.そしてその円の円周上に点Pをおきます.点Pの座標は($${x,f(x)}$$)です.以下の図で今の状況を確認しましょう.

⬆単位円と三角形⬆

今回必要になるのは全体ではないので,1部だけに注目している.この三角形の点に名前をつけていく.原点を$${O}$$とし,$${x}$$軸との交点を$${Q}$$とする.辺$${OQ=x}$$,辺$${PQ=f(x)}$$である.この三角形である,辺$${OP}$$は三平方の定理より$${\sqrt{x^2+{f(x)}^2}}$$となる.この部分の長さは半径に当たるので,$${1}$$とする.これを以下にまとめると,

$${x^2+{f(x)}^2=1}$$

 この時,円周上の$${x}$$座標を$${\cos\theta}$$,$${y}$$座標を$${\sin\theta}$$と定義する.よって,上記の式は以下のように書き換えることができる.

$${\sin^2\theta+\cos^2\theta=1}$$

これは,最初の三平方の定理のときにも出てきた相互作用です.この他にも相互作用は後2つあり1つは$${\tan\theta}$$の定義になっている.

$${1+\tan^2\theta=\frac{1}{\cos^2\theta}}$$
$${\tan\theta=\frac{\sin\theta}{\cos\theta}}$$

この計3つが三角関数における相互作用なのです.3つ目の式が$${\tan\theta}$$の定義にもなっています.これはつまりはある座標$${(\cos\theta,\sin\theta)}$$を通る直線の傾きを表しています.そう考えるとこの3つの関数の関係性がより分かっていただけると思います.


~三角関数における有名角とその応用~

 ここでは,まず有名角を紹介します.その後「加法定理」を証明し,加法定理を用いてその他の角度についても求めていきたいと思います.
 有名角を紹介する前に円周の長さの公式を用いて単位円の円周の長さをさっと求めたいと思います.これをすることで,角度(度数法)を$${\pi}$$を用いた弧度法で表すことができるからです.

円周の長さの公式は$${2\pi r}$$より,
$${2\pi\times1=2\pi}$$

これで,単位円の円周の長さを知ることができました.これを今度は以下のように区切っていきます.(今回は$${\cos}$$の定義域である$${\pi}$$まで)

$${0\,,\,\frac{\pi}{6}\,,\,\frac{\pi}{4}\,,\,\frac{\pi}{3}\,,\,\frac{\pi}{2}\,,\,\frac{2\pi}{3}\,,\,\frac{3\pi}{4}\,,\,\frac{5\pi}{6}\,,\,\pi}$$

これに関しては,演習問題での出題も考えたのですが,その後の加法定理が使えないとこの目標では本末転倒なので,ここでは$${\frac{\pi}{2}}$$までを行いその後のところは個人で考えていただこうと思います.

(1)$${0}$$のとき…
 $${\cos 0=1\,,\,\sin0=0}$$
(2)$${\frac{\pi}{6}}$$
 $${\cos\frac{\pi}{6}=\frac{\sqrt3}{2}\,,\,\sin\frac{\pi}{6}=\frac{1}{2}}$$
(3)$${\frac{\pi}{4}}$$
 $${\cos\frac{\pi}{4}=\frac{1}{\sqrt2}\,,\,\sin\frac{\pi}{4}=\frac{1}{\sqrt2}}$$
(4)$${\frac{\pi}{3}}$$
 $${\cos\frac{\pi}{3}=\frac{1}{2}\,,\,\sin\frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt3}{2}}$$
(5)$${\frac{\pi}{2}}$$
 $${\cos\frac{\pi}{2}=0\,,\,\sin\frac{\pi}{2}=1}$$

以上が有名角となります.導出方法は単位円を考えていただけるとすぐに答えを出すことができると思います.

 ここで,有名角まで行ったので加法定理について今度はやっていきたいと思います.

⬆単位円上⬆

 この図は,加法定理を証明する際に用いる図となる.この図に新たに点Pから$${x}$$軸に垂直に伸ばした線と点Qから$${x}$$軸に平行に伸ばした線を用意し,その交点を$${R}$$とする.新たにできた三角形に余弦の定理を導入すると,

$${PQ^2=PR^2+QR^2-2(PR)(QR)\cos(\alpha-\beta)}$$
$${PQ^2=2-2\cos(\alpha-\beta)}$$

この式に座標を用いて表すと,

$${PQ^2=(\sin\alpha-\sin\beta)^2+(\cos\alpha-\cos\beta)^2\\PQ^2=\sin^2\alpha+\cos^2\alpha+\sin^2\beta+\cos^2\beta-2(\sin\alpha\sin\beta+\cos\alpha\cos\beta)}$$

これにより,座標に直す前の式の$${\cos}$$の部分が上手く変わったと思います.これが$${\cos}$$の加法定理です.これを使うと,様々な角度が計算することができます.それについては,演習問題で触れようと思います.
$${\cos(\alpha-\beta)}$$の時を行いましたが,これは複号同順であるので+のときでも成り立ちます.ただし,長い方の式の符号はーになるのでそこには注意が必要です.
 基礎のところではグラフについて触れることはなかったのですが,ここで$${\sin , \cos}$$のグラフについて見ていきたいと思います.

⬆三角関数のグラフ⬆
黄色:cos
青色:sin

これがグラフになります.この関数はずっとこのように等間隔に波を打っていきます.この様な関数を周期関数とも言います.後で,問題にも出しますが,$${y}$$軸を前に$${\frac{\pi}{2}}$$だすと,関数も変化します.そこについてよく考えてみると$${\sin}$$の加法定理も証明できるかと思います.


 今回は内容が多いと言うことで,三角関数の逆関数は第1章に持ち越したいと思います.ただ,指数・対数関数のところで少し触れて入るので分かる人はもしかしたらわかるかもしれません.演習問題の応用に入れておきます.


~さいごに~

 今回学んだことは以下のような内容です.
1.三平方の定理を再度学習し直した.
2.三平方の定理を用いて三角関数を解き明かしていった.
3.余弦定理等を用いて加法定理を証明した.
4.三角関数のグラフについて考えた.

 次回は第0章−4ということで『数列とその和』というところに入っていきます.今週は2本ということで整理の時間が少ししかなく申し訳ないのですが復習の方もよろしくお願いします.今回の三角関数は微分積分になると,存在感がより大きくなるので復習は綿密にお願いします.
それでは,また次回のnote連続講義でお会いしましょう.
さようなら!


⬇演習問題⬇(今回は問題の計算量を加味して少なめです.)

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