ショート・トリップ
わたしの趣味は以前なら映画鑑賞などと書いていたこともあったけれど、今はいうほど観ていない。
月に1〜2回映画館に足を運ぶ程度だ。
夫も不在だし、都内に映画でも観に行くとするか。
例のごとく衝動的に思い立つ。
新宿に、映画を観に行くことにした。
電車で行くと、渋谷で山手線に乗り換えなければならない。
電車で人と向かい合って座るのが苦手で、時間に余裕があれば高速バスを利用する。
以前もnoteに書いたことがあるが、徒歩圏内に高速バスの乗り場がある。
確実に座れるし、バスの車窓から観光気分で景色を眺めるのが好きだ。
サンドイッチや飲み物を持ち込めば、遠足気分だ。
行き先は東京と新宿がある。
JRバス、小田急バス、それぞれルートが違うのも楽しい。
いくら高速道路を走るといっても遅延は日常茶飯事。
当然、渋滞に巻き込まれることもある。
ゆっくり行こう
急ぐ旅じゃなし
映画に遅れさえしなければ大丈夫。
新宿バスタまで40〜50分のショート・トリップ。
バスを利用することで、ちょっとした非日常を味わうことができる。
貧困、虐待、暴力、不登校、母親からの売春の強要、覚醒剤、逮捕…
社会の底辺を生きる21歳の女性、杏。
一人の警察官、多々羅(佐藤二朗)との出会いによって、薬物依存から立ち直り、家を出てシェルターで一人暮らしを始める。
高齢者施設に採用され、学校に通い、漢字の読み書きや計算を学ぶ。
学校は小学4年生から行っていない。
杏の表情に明るいものが見えるようになった。
希望の光が見えかけたとき
多々羅にある疑惑が…
取材を進め、多々羅を追い詰める週刊誌の記者桐野(稲垣吾郎)
そんなとき新型コロナウイルスの流行で、社会に閉塞感が蔓延する。
杏は仕事も学習の場も奪われる。
薬物の自助グループも消滅する。
ある日、シェルターの隣室に住む女が、杏に幼い子どもを一方的に押し付けて去って行く。
最初は当惑するが、杏は甲斐甲斐しく子どもを世話する。
しかし、どこにも出口は見つからない。
覚醒剤を使わなかった日は
ノートに〇をつけよう。
初任給で買ったノート。
ひらがなで綴られた日記を杏は泣きながら燃やす。
以上、あらすじを簡単にまとめました。
実話を元に作られた映画だそうです。
帰りは通常通りJRと私鉄を乗り継いで帰宅。
14時台の電車は空いている。
やはり、電車のほうが速くて安い。
映画『あんのこと』予告編