エーリヒ・ケストナーの世界
小学生時代に最も愛読したのは、
エーリヒ・ケストナーの童話でした。
ユーモアあり、ワクワク感あり、夢がいっぱい織り込まれていて、読めばいつでも、自由な空想世界に連れて行ってくれました。
しかし、ケストナーの魅力はそれだけではありません。
親子の愛や友情など、大切なことは決してごまかさずに真面目に書かれています。
子どもの世界にも厳しい現実があるのです。
そして何よりも、味わい深い文章に惹きつけられました。
ドイツ文学者高橋健二さんの名訳の賜だと思います。
『エーミールと探偵たち』を読み返してみて、感動を新たにするとともに、子どもの頃気づかなかった発見もありました。
挿絵も魅力的。
わたしが子どもだった頃は、エーミールは「エミール」表記だったと記憶します。
ガンジーがガンディーに、
リンカーンがリンカンになったのと同様に、現地の発音に忠実になったということでしょう。
ケストナーの物語の世界に魅了されて、小学生のときには、自分でも童話のようなものを書いていました。
今図書館で借りて、こちらも読み返しています。
タイトルからもおわかりのように、一見荒唐無稽なお話。
しかし、この本にはオマケがあり、
巻末にちょっとした詩集が付いているのです。
実はケストナーは、元々詩人でした。
大人にこそ、是非読んで欲しい警句的な詩もあります。
一部をご紹介すると……
一番好きな詩は少し長いので、また機会がありましたら、ご紹介したいと思います。