天才とは
天才とは天から予め何かを与えられた人というイメージがあります。
noteの天才児
Loris_M.さん(以下Lorisさん)
年男とはいえ、弱冠23歳。
わたしのコメント欄にもよくお越しいただきますが、コメントも異彩を放っているというか、とても気が利いているのです。
天賦の文才はもとより、考え方、物の見方がユニークで、あるときは紳士的、またあるときは無邪気な天使、そしてまたあるときは露悪的なやさぐれ感も醸し出せる表現力。
お会いしたことはないですが、きっとセンスが服を着て歩いているタイプの方だと思います。
以上、あらん限りの表現力を総動員して、衷心より賞賛してみました。
今この方が、勉学の傍ら取り組んでいらっしゃる一大事業があります。
それは、
【パロディ】東海道中膝栗毛です。
『東海道中膝栗毛』
子ども向け文学全集の中の一巻として読んだ記憶があります。
また、学生時代は文学史で、滑稽本という一ジャンルの作者として十返舎一九のことを学びました。
このように歴史に名を残す古典をパロディ仕立てで現代に蘇らせようという壮大な試み。
いやが上にも期待が高まりますが、只今連載中の初編部分までを拝読したところ、期待を大きく超える出来栄えでした。
しかし、原典があまりにもお下劣というか、できればあの世に行くまで知りたくなかったというほどの酷い内容だったのです。
そこはnoteの読者を意識して、適当に端折ったり、潤色したりで苦労が多い作業だと思います。
野次喜多の長閑な道中記かと思っていましたら、とんでもないお話でした。
この作品を子ども向けに翻案し、全集に加えようと目論んだ人の気が知れません。
誹謗中傷はこのくらいにいたしましょう。
それもこれもLorisさんのお蔭で知ることができたのです。
感謝しかありません。
とはいえ、我が国の近世を代表する作品である証拠にイタリア語にも翻訳されているらしいのです。
Lorisさんはこのイタリア語訳版も踏まえつつ、執筆されていらっしゃいます。
そして特筆すべきは、単なるLoris流の超訳ではなく、ご自身とイタリア人のご友人アンドレアさんを主人公になぞらえているところです。
それにしても、我々のご先祖様は、このようなものを読んで熱狂していたのですね。
娯楽が少ない江戸時代、読み書きも満足にできない人もいる中で、こういうものが人気を博したということが、非常に興味深いです。
日本人は生真面目で勤勉な民族だとばかり思っていましたが、なかなかどうしてです。
勿論、旅への憧れを掻き立てる作品であったことは間違いありません。
本編もさることながら、わたしが今回注目したのはこちらのつぶやきです。
↓
写真を拡大してみて、目を瞠りました。
何かの余技のように思える今回の作品ですが、このように原典を読み込んだ上で執筆されているのです。
天才とは
生まれっぱなしの才能ではなくて、
努力ができる人のことなんだなぁと、嘆息したのでした。