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「個性が際立っている」お子さんをもつ保護者さんに伝えたい言葉

私は、公立の小中学校で、特別支援教育コーディネーターを5年ほど務めています。

特別支援教育コーディネーターとは、校内の困り感を抱えるお子さんが安心して過ごすことができるよう、お子さんとその保護者さん、担任、そして、その他の職員や関係諸機関とのハブとなるべくコーディネートする役割です。

特別支援教育コーディネーターは、保育園や幼稚園のお子さんの様子を見せていただく機会や、小学校に入学する前の保護者さんとお話をさせていただく機会もあります。

子どもさんが集団に適応できないと(というか、大人しく座っていなかったり、みんなと同じ活動ができなかったりすると)保護者さんは当然心配な気持ちになられます。それは、私が、自分の身に置き換えてみても、同じ気持ちになると思います。

ただ、そういった「個性が際立っている」お子さんは、「何か得意なことがある」「ある能力が長けている」ということでもあります。

ここでは、敢えて「際立つ」という言葉を使用させていただきました。
【際立つ(きわだつ)】
意味→ひときわ目立つ。
   よい意味に使われる場合が多い。

・好きなことは頑張るけれど、興味のないことには取り組めない。➡好きなことは、めちゃめちゃ深堀りできる。未来の博士候補!!

・いろんなことに気がいってしまい、集中することができない。➡周りに気を配ることができる。頭の切り換えが速い!!

・一人でコツコツ取り組むことができるけれど、他者と活動するのは苦手。➡一人で没頭できる集中力が半端ない。職人肌!!

そんなお子さんに対しては、決して「仲間に適応できるよう【矯正】しなくちゃ!」という思考ではなく、仲間とそのお子さんが安心して過ごすことができるよう、様々な工夫することが大切だと思っています。

参考までに…児童向けウィクスラー式知能検査(通称WISC)という6歳から16歳向けの知能検査があります。その検査では、言語理解、視覚空間認識、流動性推理、ワーキングメモリ、処理速度などの能力が数値で把握することができるのですが、個性が際立っているお子さんは、得意なことと苦手なことが明確に分かれていることが多くあります。その場合にも、得意なことを活かしながら苦手をどのように手助けしたら良いかを考えていきます。

従って、お子さんが「集団に適応できていない」と言われている場合でも、決して自分の育て方やお子さんの個性を責めずに、「この天才がより良く伸びていくためにはどうしたらよいか」を考えるスタンスでお子さんに向き合っていただきたいと思っています。

世界中の偉人も、子ども時代には俗に言う「困った子」だったという話を聞いたことがあります。(エジソン、坂本龍馬、織田信長も一説によると…)また、周りにも「子どもの頃は落ち着きが無かったんだよ…」等と言われる、しかし、現在は経営者、なんて方もいらっしゃいませんか?

勿論、教員は言わずもがな。全ての教員が、全ての子の個性に応じた応援ができるよう、一人一人の子どもを見つめてサポートしていくのが使命です。




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