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怖い話し その3

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ホラー小説まとめ 21話〜30話収録
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#怪談

#30 短編空想怪談「奪う者 乙」

本作は実際の事件をベースにしておりますが、本作はフィクションであり実在の人物、団体とは一切関係ありません。

心理カウンセラー野村裕介の下に、警察が来たのはつい先日の事だ。
警察の要望はある殺人犯のカルテ、及び心理分析の聞き取りだった。

その殺人犯は確かに、野村の下に患者として通っていた。
彼は義務教育を修了し、10代で既に働いていた。

「村田和樹」

彼は過去に苦しみ、未来に絶望する人生に居

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#29 短編空想怪談「奪う者 甲」

閲覧注意 本作品には児童への虐待描写や性的描写やスプラッター表現が含まれます。
お読みになる際は充分にご注意下さい。
尚、本作品はフィクションであり、虐待や犯罪行為を推奨する意図はございません。

孝夫は幸せな暮らしを送っていた。
妻と今年幼稚園に上がった娘の未来(みく)、そしてこの年の5月に産まれた息子の修(おさむ)。
家族四人で、決して裕福とは言えないが人並みには生活は送れてるし、息子が産まれ

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#28 短編空想怪談「後姿」

母が死んだ。
呆気なく、只死んだ。
母は私に興味がなかった。
テストで100点を取った時も、有名大学に進学する時も、結婚して名前が変わる時も、私に興味を示した事が無かった。

父は既に他界していて母は実家に一人暮らしだった。
発見したのは通りすがりに犬の散歩をしていたおじいさん。
「庭先で人が倒れてる」
見知らぬおじいさんが警察に通報、搬送先の病院で死亡が確認された。

死因は何かしらの突発的な病

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#27 短編空想怪談「ドライブスルー」

私は地方の某ファストフード店で働いている。
元々は車が好きで、自動車整備士になりたかったが、「女に車の何が分かるのか?」という業界の風潮やパワハラやセクハラに耐えかね挫折。

ディーラーで働く事も考えたが結局同じような業界に居るとまた嘗ての同僚や嫌な上司に出会いそうで二の足を踏んで、結局近所のファストフード店でパートをしていた。
ただ、車が無いと生活ができないこの地方では、色んな人がドライブスルー

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#26 短編空想怪談「L.O.」

#26 短編空想怪談「L.O.」

目が覚めると、そこは見知らぬ部屋。
そして一目でその異様さに気づく。
床にはゴキブリやカマドウマが何匹か這っていて、壁は土壁で脆くなっているようで、所々崩れて内壁の板が剥き出しになっている。

3方向はその壁に囲まれているが、1方向は檻になっていて、その向こうに7〜8メートル程の廊下が見える。
「一体何をしてたんだ?ここはどこだ?なぜこんな所に居るんだ?」
疑問で頭がいっぱいで呆然としつつ、持って

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#25 短編空想怪談「奇声」

#25 短編空想怪談「奇声」

N氏にはある悩みがあった。
ある特定の場所へ赴くと、どこから途もなく、何者かの奇声が耳に入るのだ。
そのある場所とは都内某所、仮にK駅周辺としよう。

その奇声には怒りが感じられる
その奇声には悲しみが感じられる
その奇声には、恐れを感じさせる。

いずれにせよ、その不快な奇声は他人にも聞こえているらしく、奇声が発生すると誰もが、どこかを振り向きその奇声の発生源を探そうとするが、それが解らない。

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#24 短編空想怪談 「傘泥棒」

#24 短編空想怪談 「傘泥棒」

コンビニへ、立ち寄った時の話だ。
少し小腹が空いたので、ちょっとしたオヤツを買いに近所のコンビニへ来ていた俺は、買い物を済ませた後、コンビニの出入り口で途方に暮れていた。
雨だ。
それも土砂降りの雨。近所とはいえ、この雨の中を走って帰るのは気が引けてしまっていた。

コンビニの店員はいそいそと、傘を店の奥から取り出して、これ見よがしに販売用の傘を店頭にならべた後、来客用に傘立てを設置していた。

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#23 短編空想怪談「異質な存在 後編」

#23 短編空想怪談「異質な存在 後編」

祖母曰く
どんな人や動物、果ては植物まで、万物の全てには痕跡が残るものらしい。

ましてや、それが人間であり、生前にいろんな人やモノに影響を与えた人物なら当然物理的にも、霊的にも痕跡が残るという。
例えば建築業を営んでいた人なら、その人が作った家や建物が物理的にも残るように、霊的にもその人の思念、プラスの方向かマイナスの方向かは様々だが、必ず何かが残る。

それが一切合切何も残らず消え去っている。

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#22 短編空想怪談「異質な存在 前編」

#22 短編空想怪談「異質な存在 前編」

私の祖母は左腕を喪っている。
もう祖母は亡くなっているのだが、その祖母が亡くなる直前にしてくれた話しをしようと思う。

でもその前に祖母がどんな人だったかを説明しなければならない。

戦時中に祖父と左腕を喪った祖母は明るいひょうきんな人で、
私がまだ小さい時に、「なんでばあばは手がないの?」となんの悪意も無く聞いてしまった時も私を叱る母に祖母は「気にしないで」と言って、私には「ばあばの手はじいじが

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#21 短編空想怪談「公園にて」

#21 短編空想怪談「公園にて」

私の自宅の近所にはそれなりに大きい公園がある。
ブランコや滑り台はもちろん、砂場にジャングルジム、そして広場はちょっとしたグラウンドくらいの広さは有してると思う。
そんな広さもあり、常に子連れのお母さんが多く、人で賑わっていた。

ある日曜日、なんとなく自宅の窓からその公園を眺めていると、長時間砂場で遊んでいる子供の姿が気になった。
友達と他へ行くでもなく、ただひたすら砂場に居る。
他の子供も砂場

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