ウィズコロナ時代のCS界隈で起こりそうなこと
これからカスタマーサクセスやカスタマーサポート(以下まとめてCS)の在り方も変わっていくと思うので、今後強まりそうな傾向や、起こりそうな事象をいくつか考えてみました。(CSに限った話ではない部分も多少は混じってしまいましたが。)
個人として想像した&いろいろインプットして学んだ範囲での考えです。これはないだろって項目もあるかもしれませんが、あくまで予想なので大目にみてください。
それではつらつら書いていきます。
オンライン完結が増える
これはCSに限らずよく言われている話ですね。テレワークの増加に伴い、これまで電話で行なっていたサポートへの問い合わせを、オンラインで完結するケースが増えると思います。
そうなると、チャットボットなどのツールを使ってサポートを行ったり、そもそも問い合わせが来なくても目的を完遂できるようなユーザービリティが求められます。
こういったUI/UX的な観点での投資も今後増えていくのではないでしょうか。
オンラインでの接点が増える
これまで対面で行なっていた打ち合わせもオンラインに移行していきます。そうなると、これまで対面によって生まれていた目に見えない安心感や、信頼感が醸成しにくくなります。
それを補うためには、テックタッチなどのコンテンツや積極的な発信を通した「接触頻度」の増加が有効なのではないかと考えています。
そうなると、テックタッチとして設計/実行できる人材の価値は上がっていきそうですね。
また、コンテンツを発信していくのであれば、その発信の背景やプロセスもどんどん公開していくことで、オンライン上でも安心や信頼を与えることが可能かもしれません。
※以下のコンテンツがとても参考になりました。
リアルの価値が上がる
リアルで会う機会が減るので、その分リアルの価値が上がる、とも言われています。
これには2つの価値があると思っていて、1つはリアルで会うことによりコミュニケーションがしやすくなったり、温度感が掴みやすくなる、というもの。
もう1つは滅多に会わないから、リアルに会えるだけで嬉しいという希少性の価値です。会うことにより得られるベネフィットではなく、会うことそのものに価値を感じるようになります。
そのため、ハイタッチの中でも条件次第では訪問・・・みたいなアプローチの分け方も増えてくると思います。厳密にはすでに実行している会社も多いと思うのですが、より分け方がドライになるかもな、と考えています。
余談ですが、実際に希少性の心理をマーケティングに活用しているケースは結構あります。
ジャストアイデアですけど、希少性を出すことでイベントそのものの価値を上げ、ツールやサービスの活用意欲を掻き立てたりもできるのではなどと考えています。
機能的な価値だけではなく、情緒的な価値に働きかけて人を動かす手法は、今後より重要になっていくのではないでしょうか。
進んでる感が重要になる
これまでは定例のMTGやCSとのコミュニケーションで感じられていた「仕事した感」が、今後は薄まっていくと思います。
これは普段仕事をしていないとかそういう話ではなく、「仕事をしているのに前に進んでいる実感が薄くなる」という意味です。
顧客が成功するには当然のことながら、やり始め、継続することが重要です。そしてこの「継続」の部分が、なかなか難しいところではあります。
そうなると少しでも何か変化が感じられるような仕組みや、スモールゴールを設定して上げないと、担当者さんのモチベーションの低下にも繋がります。
この辺りもテックタッチとか、機能面の改善でなんとかしたいところですね。
常に比較されるようになる
自宅でウェビナーを観る機会が増えた方も多いのではないでしょうか。
この状況でなかなか営業活動ができない中、オンラインでのチャネルから見込み客を集めようと、各社が様々なコンテンツを公開しています。特に増えているのが記事と動画(ウェビナー)です。
そうなると、自社のクライアントが、別のサービスに触れる機会も増えていくので、これまで以上に比較される機会が増えていきます。
そのため、先ほども述べた通り接触頻度を上げて行ったり、オンラインならではの関係構築をしていくなどの対策が必要です。また本質的な価値を提供していないと、これまで以上にチャーン(解約)のリスクが高まります。自社のバリューを理解してもらうことが、これまで以上に重要です。
UGCが生まれやすくなる
人と会えなくなる分、オンラインでのコミュニケーションは活発になると考えています。
そうなると、SNS上での発信も増え、良いサービスはより口コミされるようになります。その口コミを見た知人がそのサービスを使い始め、また口コミが広がるというサイクルがこれまで以上に活性化するのではないでしょうか。
CSとしては顧客の成功体験をどれだけ生み出せるかが重要となります。良い口コミは良い顧客体験から生まれるので、持つものがより持ち、持たざる者が持たない、といった口コミ格差も生まれるかもしれません。
営業がゴリゴリ取ってくるだけでは、どうしようもならない時代になっていくだろうな、と予想しています。この辺りはCSというよりは会社として変わるべきところですね。
ベンダー/支援会社側のSNSの活用も進む
BtoBのビジネスユーザーが増えることによりベンダー/支援会社もSNSの活用が増えると思います。
これはCSに限らずではありますが、積極的なコミュニケーションや中の人の情報を発信することが当たり前になり、むしろ誰もSNSをやっていないことがマイナスにつながる、なんてケースもありうるなと感じています。
機能面で差がないないなら、どんな人が提供しているサービスなのかで契約を決める、なんてこともあると思うんですよね。実際、この人と仕事をしたい!ってSNSを通して感じられた人もいるのではないでしょうか。そういう動きが今後強まるんじゃないかな、と考えています。
顧客理解の重要性がより高まる
これまで以上に、顧客の状況を正確に把握する必要があります。業界の最新動向や、市場の変化などのマクロな話から、現場の方々の働き方なども踏まえて、CS活動を行うことが求められます。
もちろんこれまでも重要だったのですが、これまで以上に突っ込んで理解しないとダメだな、と考えています。出ないと突然のチャーン、なんてことも多発しかねません。
逆に、ビジネスモデルとしてこれから何が求められるのか、この状況で何がネックになりそうかなど、従来のビジネスに加え現状の業界状況を理解した上での、客観的な提案は重宝されるはずです。そういった提案がCSから出てくれば、自社のブランディングにもつながるでしょう。ピンチも向き合い方次第ではチャンスに変えることが可能です。
もちろん業界のことはその業界の人の方が詳しいとは思いますが、CSとしてお客様を救っていく立場としては、ちゃんと救える提案をしていかなければいけません。
そのためには、これまでとは違うということをこちらとしても理解し、より状況を深くヒアリングして今後の運用を固めていく必要があります。
そして、先が見えない状況なので、より柔軟でスピーディな対応も求められます。完璧は難しくても、そういったスタンスでCSとしても、会社としても動いていくことで、これからの時代も顧客と良好な関係が構築できるのではないのでしょうか。
自社の提供価値を見直す
昨日、以下の記事を読みました。
自社を「応援してくれている顧客は、誰か」を再認識しましょう。この時期でも応援してくれる顧客こそ、本当の顧客でしょう。その顧客に耳を傾け、その関心事、困っていることなどを今まで以上に自分たちの力を使って解決できることはないかを考えて、実行すること。
この記事を読んで、改めて、多くの企業が自社の価値と提供すべき顧客を考え直す時なのかな?と考えました。
価値というのは「機能的な価値」と「情緒的な価値」があるので、単にサービスの質を上げるだけではなく、それをどういう体験として届けるか、という観点も重要です。
つまり、そもそも自社のコアバリューは何で、誰にそれを届ければもっとも幸せにできるのか、そして、どう届けるのがもっとも適切なのかが重要になります。それに加え、今この時代においても本当にそれがベストなのか、という点も必要だと思います。CSの活動の在り方も、同様に考えていきたいところですね。
この辺りを、固定概念を一度ぶち壊して、考える時なのかなと思いました。うちも例外ではなく、そもそも変わらなくていい会社なんてほぼないと思うので。
そんな水曜日の昼下がり。
小木曽
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