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視録的運動(シロクテキウンドウ)

スポーツのストーリーテリング記録運動。スポーツ領域のブランディングやデザイン、写真や映像、ストーリーテリングなどを考察するWebマガジンです。 powered by vennn
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2024年7月の記事一覧

『Design FC』 真面目なことを楽しく伝える意義深さ

ストーリーテリングの"力"について。 非営利の『Design FC』という団体があります。スポーツのウェアをデザインすることを通して、子どもたちにクリエイティビティやストーリーテリングを学ぶ機会を提供している団体。端的に素敵。 詳しくはこちら↓ Design FCを紹介するだけでこのnoteの目的は果たしているのですが、こういった非営利団体のクリエイティブコンテンツをみると、SNSやインターネットを通してスポーツ(何か)を伝えるということの意義深さ、価値、そして「ストー

映像をつくる時には「コストをかけることが正解」なのか問題について考える

スポーツを伝えるための手段として広義の「映像」というメディアは、説明するまでもなく非常に有効な手段の一つだと思います。 映像をつくるには、一般的に撮影者やディレクターの人件費や機材費、その他の金銭的コストをはじめ、編集作業などにかかる労力という意味で、多くのコストがかかります。だからこそ専門職がいるわけですが、「コストかけりゃいいのか問題」はあるなと、最近は考えはじめました。 何を伝えたいのか

<観戦者の会話>というコンテンツ|テニス ウィンブルドン選手権の場合

「スポーツ観戦」というものの魅力を伝えるためにはどうすればいいのか、それを私たちスポーツ業界の人間は常に模索しているものだと思います。私もそのうちの一人です。 そもそもそのゲームの観戦自体に魅力がない場合もありまけれども、一方で魅力があるのにまだ伝わっていないとか、間違った風に伝わってしまっているとか、そういう類の停滞とも向き合っていかなければなりません。 今の世の中SNSがありますから、伝え方は一昔前より多様になりました。伴って、スポーツ観戦のストーリーテリングは議論に

『僕とデザイン』 仲條正義|「デザインは遊びだ。野暮や退屈になったらおしまい」

※『視録的運動』ではデザインや芸術、ブランディングなどにまつわる本を、ランダムに紹介していきます。 *** この本は、編集スタッフが仲條さん、またはその関係者に取材したものをまとめた口述自叙伝です(=仲條さんが執筆したものではない)ので、人々の解釈が色濃く反映されている本だと言えます。 写真家のホンマタカシや歌人の穂村弘など、仲條さんをよく知る人物が仲條さんとのストーリーを語る「仲條正義と私」という企画が間に挟まってくることからしても、人々の解釈というテーマが一貫して守

【スポーツ写真】 なぜその写真"だけ"惹きつけられるのか?

例えば写真展に行って写真を見るときや、書店に行って写真集で写真を見るときに「惹きつけられる」写真と、スマートフォンでSNSをスクロールしているときに「惹きつけられる」写真とでは、何か異なる法則が働いているのかどうかについて、考えてみたいと思います。 私がよくスマートフォン上で惹きつけられるフォトグラファーに、パリのPauline Balletという女性がいます。 私はなぜ他のものではなく、このフォトグラファーが撮影した写真に惹きつけられるのでしょうか。 前提として、スマ