恋はグラデーション
渋谷のバーに限らず、飲食店で仕事をしていると本当に色々なお客様がいらっしゃると思います。
1997年のオープン以来、カウンター越しにお客様との会話を数え切れないほどしてきた林さんが描いたこの小説。まだまだ人生経験が浅い僕、この小説のお客様のような話題を振られたら、なんて返事ができるだろうか。
僕が飲食業界に憧れを抱いた要因の一つは、お客様との交流とも言える。気の置けない仲間と過ごすワイワイとした居酒屋も良いけど、たまにはしっとり飲みたい時もある。
そんな時に、絶好の話し相手になってもらえるのがバーのマスターだと思うんです。
恥ずかしくなるくらいでかい夢や目標を真剣な顔して話すこともできるし、ちょっと恥ずかしい話なんかもしてしまう。
この小説のお客様も様々な理由があって来店されています。
でも、そんな大層なものなくなって、なんだかこのまま帰るのももったいないからちょっと一杯、くらいな感じでも良いのかなと思います。
そして、今度は僕があなたの話を聞いてみたい。そんな思いからいつしか自分の店をと思うようになっていました。
この小説、なんとなく完結していないように感じる物語たちです。
「この後はどうなったの?」って気になるような。まさになにげなく終わっています。
恋愛の始まりと終わりの区切りってなかなか難しいです。だから、なにげなくで良いって言ってくれてるような気がして、ほっとする。
さて、僕も気になるあの子を上手いことバーに誘い込み、「最高の出会い」の意味があるキールを注文して、好きな人と飲むと美味しく感じるらしいよって言ってみようかな。
ロマンチックな雰囲気、良いですよね。
林さん、文庫版出版おめでとうございます。
#恋はいつも文庫版解説文
#恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる
実はこの小説、noteで全文公開されているんです!!読んでみて実際本が欲しくなったら買うのも良いですね。贈り物なんかにも。
こちらは新刊ですね。僕も読みました、面白いです!