教員を辞めてよかったなと思ったこと。
教員を辞めてよかったなと思ったことの一つに、
世の中を広く見られるようになったことがあります。
特に、教員として欠如していたなと思うのは、
経済学的視点。
経済学のけの字も学んでないので
全然違うかもしれないのですが、、
何をやるにも、必ずコストがかかる。
これは「お金」という狭い意味ではなく
お金、時間、労力、手間、思考、精神的なものまで
必ず何かと引き換えにしながら動いていきます。
公務員は、要望に応えるのが仕事みたいなところがあって
だから、これは先生の業務なのか?ということまで
当たり前に引き受けてしまい、今や膨大になってしまっていますが、
辞めてわかりました。
コストという概念がなかったことを。
教員時代には感じられなかったけど
世の中ってこう動いてこう巡っているんだなって
なんとなくわかるようになって
この視点があったら、私の働き方も人生も
もっと違っていたかもしれないな、と思います。
例えば、お昼にお蕎麦屋さんに行ったとします。
そこで美味しいお蕎麦を食べて、
美味しかった、食べたかったんだよね、幸せ♡
よし午後もがんばろうって、エネルギーをもらう。
食べたのが美容師さんだったとします。
もらったエネルギーでヘアカットがんばります。
髪を素敵に整えてもらって、
伸びっぱなしで整えたかったんだよね、
きれいにしてもらえるとウキウキする、
よし明日もがんばるぞーって、エネルギーをもらう。
それが学校の先生だったとします。
もらったエネルギーで子どもたちのためにとがんばります。
とここで、先生は何を与えているかなって考えて、
私の思考は止まってしまいました。
あまりにも多い先生の業務・雑務を知ってるからなのか・・・
子どもがもらったエネルギーを社会に還元するのは
もっともっと先だからなのか・・・
逆の視点で考えてみると、
お蕎麦屋さんや美容師さんは提供するものがシンプル。
お蕎麦屋さんに来るお客さんが求めてるものは
美味しいお蕎麦だし
美容院に来るお客さんが求めてるものは
きれいな素敵な髪型になることだから。
では、学校にいる子どもたちが求めているものは?
楽しいことやりたい
もっとワクワクすることやりたい
知的好奇心の塊なわけです。
それを満たすのが学校の役割の一つなんだと思う。
そして、そこからその子の特に伸びやかなところ、得意や強みとなるところを伸ばしていき、
社会に通用する能力へと育てていく。
それが、教育が子どもたちに与えるエネルギーなんじゃないかな。
こう考えると、すごくシンプルだなと思う。
思うんだけど、今のシステム、仕組みがどうにも複雑になりすぎて、
どこからどう手をつけていいのか、というのがみんなが抱いていること。
でも、その答えもシンプルで、
やろうと決めて、やってみる、なのかなと思う。
余計なものを削ぎ落として、
必要なものだけにする。
そのときに、教育関係者だけじゃなくて、
いろんな専門家や保護者や地域みんなを巻き込んで
巻き込むと収拾がつかないって思われるかもしれないけど
言葉を選ばずいうと、使えるところは使っていったらいいと思うんですよね。
目的地にちゃんと行きさえすれば、それが大事なんだから。
とにかく、学校の中も外ももう限界だとみんな気づいてるんだから
まずはそのスタート地点にみんなが立って、
さてどうする?って始めてみることなのかな、と思うのです。
なーんて、いろいろ動いてみて、難しさも十分感じてます。汗
教育の目的は、
学年ごとの学力の定着 だけ じゃない。
整列の速さ、まっすぐさ、静かさなんかじゃない。
髪の長さ、スカートの長さ、そんなことのはずもない。
もちろん保護者からのクレームが出ないことでもない。
子どもたちが何を学び、何を蓄え
それをどうこれからに活かしていくか
どんな大人になり、どう生き抜いていくか
そして、どんなふうに社会を変えていけるか
そのくらい壮大でダイナミックなことだと、私は思う。
思うようになった。
そう考えると、経済の目的も、
美味しいお蕎麦を一杯出して、その対価をもらうだけにとどまらず、
お蕎麦一杯によって、その先の美容師さんが何人もの人を幸せにして
その先にいる人たちが、また何人もの人を幸せにして
っていう大きな幸せの循環を生み出すことだ。
お蕎麦一杯から。
学校が、先生が、お蕎麦屋さんが、なんて言ってる場合でなく
ここにいる自分が、その循環のために何ができるか、
まずは足元からやっていこうと思った。
教員を辞めてよかったこと。
自分も社会になんらか影響を及ぼす一人なんだという視点がもてたこと。
この自分だからできることをやっていこうと思えるようになったこと。
子どもたちのためにも、大人が自分らしさを発揮しなくては!
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