よくできた小説みたいに
9人の翻訳家を、Amazonプライムで借りて観た。
フランスの人里離れた村にある洋館。
全世界待望のミステリー小説「デダリュス」完結編の各国同時出版のため、9ヵ国の翻訳者が集められた。
外部との接触は一切禁止され、日々原稿を翻訳する。
しかしある夜、出版社社長の元に
「冒頭10ページを流出させた。500万ユーロ支払わなければ全ページが流出する」という脅迫メールが届く――。
いやー!めちゃめちゃ面白かった!
ミステリー小説のネタバレ防止のために、
翻訳家を集めて地下室で缶詰にする。
面白い設定だなと思ったら、
あの『ダ・ヴィンチ・コード』シリーズを
出版する際、実際にあったことらしい。
『慰めの報酬』でボンドガールもやってた
オルガ・キュリレンコ、きれいだったなぁ。
「3桁の暗証番号で多いもの」っていう話題で
「007」を上げてたのに笑ってしまった。
イギリス、ドイツ、イタリア、ロシア、中国
スペイン、ポルトガル、デンマーク、ギリシャ。
そして、原作の書かれたフランス。
国ごとの個性はもちろんあるけど、
ステレオタイプな感じじゃなくて。
会話の中に、自虐とか皮肉で出てくる感じが
おしゃれでいいなと思った。
全員が多国語を喋れるという
特異な状況ならではの展開もあって。
翻訳家の苦悩や、出版業界の闇を
取り入れてるのも良かった。
音楽がいいなと思ったら三宅純という人で、
ここに11ヵ国めの日本がいたんだと思って
何だか嬉しくなった。
観終わって、もっと評価されても
いいのにと思ったけど。
でも、面白いミステリー映画って
そもそもそんな爆発的にヒットしないのかも。
良作として残って、後の時代に
好きな人が見つける。
それこそ、良い小説みたいに。
たまに本棚から出して
読み返したくなるような。
なかなか良い映画だった。