色づく世界から考えるモノクロ写真
こんにちは、KAZUです。
「モノクロ写真を撮ってみたい!」
けど、考え方が分からないと、相談されました。
「モノクロ写真といえば!ハイコントラストな写真にしなくては…ダメなのでしょうか?」
笑…
たしかに、そんなイメージは、僕もありましたよ。
昔は、雑誌といえば、白黒…
そんな時代があったとか…
デジタルでしか、写真を撮ったことの無い僕には、ピンとこないのですが、言われたら理解はできますね。
カラーでは無いなら、どうすればインパクトが出るでしょうか?
考えればわかりますね。
理由は…
白黒写真で、インパクトを出そうと考えたら、明度の正反対の2つ「白と黒」を使って、ハイコントラストな表現にすると、はっきりした写真になりますよね。
(色でいうと、補色ですね。)
明暗の中間にあるグレーのグラデーションを減らすことで、情報量を…
つまり、立体感を表現する役割であるグラデーションを減らすことで平面的な表現ができます。
(3Dの表現を→2Dの表現にする…ん?写真は2Dですが…笑)
その結果…
写真を見たときの情報量が減って、写真の理解する脳内の処理スピードが上がるので、インパクトが出るとか…出ないとか…笑
それと、昔の印刷技術の限界が大きく影響していると思うのです。
(紙の質も…あったかも知れませんね。)
写真と印刷の表現方法として…
モノクロ写真=ハイコントラスト、そんなイメージが出来上がったのかも知れません。
ただ…
今は、デジタルカメラで撮影をして、デジタル写真として見る方が多いので…
表現できる幅も広く、モノクロ写真としての選択肢が多く…色々出来るので…
どう考えたら良いのか、悩んでいる人も居ました。
(この相談を聞いて、僕自身も考えました。 写真家達の歴史も、日本の中で進化してきたように思います。 ただカラーをモノクロに変換するのが、日本人は苦手なように感じてしまいます。 日本には四季があって、季節とともに色も変換する…自然界の変化を感じるとともに、色のイメージが目で見た立体感よりも、強いのかも…なんて感じてしまいます。 さてさて…)
モノクロ写真はカラーで考える。
モノクロ写真なのに…カラーですか?
そう思った人も多いかも知れませんね。
僕達の世界は、四季ごとの自然の色で満たされています。
自然の恵みですね。
この色の捉え方をモノクロに変換する必要があります。
難しい言い方をすると「反射率」ですが、もう少し直感的に考えると良いかもね。
「光と影」と言う方が理解しやすいでしょうか?
その「光と影」を見ると、モノクロ写真の世界が、見えてきます。
もちろん反射率を覚える方が早い気もしますが、勉強だと思うと…
チャレンジしない人も居ますので…
僕みたいに… 笑。
あまり…誰も言わない事を話します。
モノクロ写真が、少し難しいと感じる理由は…
見えている色のある世界と、色の無い世界…
この違いにあります。
多くの人は、色づく世界の中で生活をしています。
ただ、日本人はカラフルな環境では…
生活をしていないのです。
自然界では、春、夏、秋、冬、と色づく世界が美しい日本に住んでいるのにです。
建造物は、ありきたりな色で隣り合うだけ…
花や海、紅葉…自然のように、色づく物が少ないように思います。
車もほとんどが、白と黒とシルバー…
ビビッドな色は少数派ですよね。
この国は、ビビッドな色が少ないのです。
「わび・さび大国」なのです。
笑
良い事があるとすれば…
人工物に原色を使わない国なので…
日本は、四季の美しさが引き立つのです。
が…
ただ、それこそが…
白黒写真を難しく感じる理由のベースになっているのです。
色からのイメージで感じる…習慣があると言うことです。
もう少し…わかりやすく言うと…
僕ら日本人は、色があると、形よりも色のイメージで判断する傾向があるように思います…
(これは僕がデザイン学校で勉強していたときに感じていた事です。)
その「象徴」であり理解しやすいのが、トイレのマークです。
笑
🚻
トイレも、公共の場所は…
青と、赤で、だいたい…分けられています。
マークの色を入れ替えると、多くの人が間違えるそうです…笑
(僕も一度、ピンクのタイトルのトイレに入って…やべー!と、焦った事があります。小便器が並んでいたので…男用だ!と、ホッとした事があります。笑 そのくらいイメージ付けられていると、感じた経験があります。)
文字やマークよりも、色で判断することが出来るくらい、周りに色が少ないく規則的に使われているのです。
反面…外国の人は、間違いにくいそうです。
確かに、海外では、街中の色は…自由に使われていますよね。
規則性は少ないイメージです。
色で、判断できないから、文字やマークを認識しているそうです。
これは、日本人の察して行動をする文化…
合図として色を使うことで、多くを説明しなくても察しられるルールとして、出来てしまったと考えると、独特な文化なのかも知れませんね。
風習や文化で、色は、単独の意味を持つことが可能になるのです。
すると、公共のトイレのように、色に情報を結びつけることで、使いやすいのです。
日本人である僕らは、色があると、形や明暗差よりも“色”の情報を探して満足してしまう部分は、あるのかも?…知れませんね。
笑
色を見つけて判断が止まっていると、形や立体感や明暗差なんて、感じにくいかも…
そう考えると、習慣としてモノクロ写真の考え方が難しいのな?
なんて…僕は、感じます。
「色と明度」の基礎的なイメージ。
ビビッドな色=元気なイメージ
(ビビッドは明度を混ぜない色と考えるといい)
ペールトーン=爽やかなイメージ
ダークトーン=渋いイメージ…
などなど明度を混ぜることで、イメージも変わります。
色に意識が行くので、モノクロ写真を撮ると、色のイメージが突然なくなりますよね。
すると…
「何か思っていたのと違う」…そう感じるのです。
これが、モノクロ写真が、難しいと感じる原因です。
色づく世界をモノクロ写真にするには…?
モノクロ写真を感覚的に撮影する方法です。
「環境光を見る」
「形を見る」
「光と影のバランス」
「色以外の光を観察する」
これを意識すると写真のベースは出来ると思うので、ここからイメージを構築すると良いでしょう。
基本…モノクロにすると、形が見えやすくなります。
それは、色情報がないので、判断基準が「形と明暗差だけ」に集中するからです。
この写真を見ると、色のイメージは、やっぱり強いです。
もちろん、これは若葉の色をメインに撮った写真です。
そのままモノクロ写真にすると、葉っぱの露出は少し弱いです。
明るすぎると、白とびに近づき、情報を減らしていきます。
モノクロ写真は、色情報を光に変換して、感じなくてはいけないのです。
(やっぱり大事なのが、反射率です)
ただ、感覚的に感じるくらいで、良いと思います。
光を意識すると、モノクロ写真が撮りやすくなると思うので、光を感じて撮影してみては、どうでしょうか?
無意識に色のイメージに引っ張られないようにしながら練習すると…
色と、明度の2つの露出を同時に感じられるようになって、しっくりくる写真が撮れると思います。
それでは、良い写真ライフを!