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地方在住ワーママが、フルリモートのまま年収2倍になった話。
あけましておめでとうございます。
すっかり筆不精になってしまって、1年半ぶりのnoteです。
去年2月に転職をしました。今は、インターネットサービスのホールディングス企業で人事企画の仕事をしています。
やりたい仕事を楽しくやらせてもらっており、年収は上がりつつ仕事にかける時間も減という感じで、ありがたくも「転職は成功」という実感を持てています。
それで、「どうやってその仕事見つけたの?」と質問いただくことがあるのですが、どうもサクッと一言でご回答できなくて。
お正月をまったり過ごしていた今日、このテーマでnote書こうかな、と思い至りました。
地方在住ワーママ同志の方の、なんらかのお役に立ったら嬉しいです。note久しぶりだな〜!
そもそも私は、ホテルの運営会社で新卒から8年勤めたあと、一度無職になっています。引越と出産が重なったためでした。
パート時代を経て、雇用形態をなんとか正社員に戻したのが3年前。
フルリモート前提での転職活動だったので結構大変で、お給料は1社目の時より低かったです。
▼無職→パート→正社員転職までの経緯を書いたnoteがこちら。懐かしい!
今日は、この時点から直近3年間の経緯を振り返っていきたいと思います。
副業から正社員へ
当時正社員転職をした先は東京の小さなHRコンサル会社だったのですが、そこから株式会社fruorというキャリア支援事業を主軸とするスタートアップへ転職しました。
この時の転職の仕方は、「副業から本業への転換」。つまり、以前から業務委託で関わらせていただいた中で、正社員ポジションで声をかけていただいた、という経緯でした。
フルリモート前提かつ子育て中ってなると、一般的な転職活動(求人サイトから応募する・エージェントを使う等)は当然、厳しい戦いになります。
だから、「業務委託とかパートとかでご一緒する中で“正社員として仲間になって欲しいな”と思っていただけるような仕事をする」というのは、地方在住ワーママには割と健闘を勧めたいルートです。他のルートの成功率がそもそも低いんだもの、チャレンジの価値はあると思う。
この時の転職で私が得たものは本当にたくさんあるのですが、今回のテーマに沿ったものを一つに絞って挙げるとすれば、「事業責任者のポジションをいただいたこと」です。
1社目でリーダー的役割は経験があったものの、営業や運営といった一側面のチームリーダーでした。
小さいながらに一つの事業の最初から最後まで見させていただいたことで、ビジネスパーソンとして視野を大きく拡げることができたように思います。
こういったチャンスの機会は、スタートアップフェーズならではかと思います。大きな組織でももちろん機会はあるとは思いますが、確率として。
お給料面でいうと、在籍中に1.4倍くらいまで上がりました。役割と成果によるダイナミックな昇給も、大きな企業ではなかなか起こりにくいところかと思います。
正社員からフリーランスへ
このような得難い経験を2年ほどさせていただいたある日、「関わり方を正社員から業務委託へ戻したい」と会社に相談をしました。
「いつかもう一度やりたいと思っていた人事の仕事に、子どもが小学校に上がる前までにチャレンジしたい。でも規模的にこの会社では人事ポジションはまだないので、別のフィールドで可能性を探したい。」という理由でした。(他にも色々ありましたが)
この時、子どもの小学校入学まで、あと1年半でした。
(今回の主旨から逸れますが、この相談を代表にしたとき一言目に「すごく色々考え抜いて、相談してくれたことがわかるよ。ありがとう」と言ってくれたことが忘れられません。本当に感謝してもしきれない、私の人生を変えてくれた会社です。)
人事として転職するために、私は一度フリーランスになることを選びました。
一般的な転職ノウハウとしては、「正社員転職は現職在職中にするべし」が王道です。私と同じ方法を、安易にお勧めはできません。
でも、「フルリモート前提かつ子育て中」という条件に加えて、今回はブランクある人事職への異職種転職。
直近の経験と親和性はあるものの、前回以上に厳しい戦いだということは目に見えていて、でも次に行く企業はある程度腰を据える先と思っていたので妥協したくありませんでした。
それならフリーランスになって、ちょっとお試しで参画させていただけるような状況を作っておき、1年くらいかかる覚悟で良い出会いを待とうと思いました。
(あと、心情的に前職ファーストでありたかったので、転職活動が長期戦になる可能性があるなら尚更、転職活動を始めるより先に気持ちを伝えたい、という思いもありました。)
大事なことなので2回書きますが、私と同じ方法を、安易にお勧めはできません。夫からも「そんな簡単にフリーランスになって本当に大丈夫?」と疑いの目で見られました。笑
覚悟をもって選択する必要はあると思います。
結果論ですが、私のフリーランス期間は3ヶ月で終わり、幸運にも想定より早く今の会社にご縁をいただくことができました。
ちなみに基本出社型の会社なのですが、フルリモートで私が成果を出せるかはちょっと未知数ということで、最初は契約社員として入社しました。リスクをとって内定を出せる落とし所を検討くださった過程はとても納得の行くものだったので、そこには一切こだわらずお受けしました。
インターネットサービス系という給与水準高めの業界だったのと、企業課題と私のこれまでの経験・強みがぴったりはまっていたおかげで、ここでまた年収を上げることができました。具体的には、3年前との対比で1.8倍くらい。
残り2割は何かというと、副業収入です。
フリーランスになる前から副業は何かしらしてきたのですが、フリーランスになったことで個人としての仕事数が増え、
そのあと転職先決定によって、すべてを続けることが時間的に不可能なため精査しなければならないタイミングを得ました。
当初経験値を得るために報酬こだわらずやっていた仕事は卒業し、本当に大事にしたい仕事だけに絞った結果、フリーランスになる前よりも副業収入が上がりました。
というわけで、ここまでを振り返ると。3年で収入2倍になった必要条件は以下3つかなと思います。
・小さい規模の会社で成長機会を得られたこと
・直近での転職先が給与水準高めの業界だったこと
・副業をなんらか続け、アップデートしていったこと
が、大事な観点は、この3つをただ揃えることではないと思います。この後まとめとしてその話を。
キャリアには、「経験を買うフェーズ」と、「コスパよく発揮フェーズ」がある
いろんなところで言われていることですが、キャリアは2つの波の繰り返しだと思っています。
「経験を買うフェーズ」と、「コスパよく発揮フェーズ」です。
例えば新卒1〜3年目あたりは、経験を買うフェーズ。お給料は低いけど、たくさん学ばせてもらう期間。この期間を経てアウトプットが豊富になってくると、成果に応じてお給料も上がる。これまで積み重ねてきた経験があるからこそ、コスパ良く実力発揮できるようになっていきます。その先新たな方向での挑戦をするとか、ライフイベントがあってキャリアチェンジが必要となるとかすると、また経験を買うフェーズがやってくる。この繰り返しだと思っています。
私は子どもが小学校に上がるとき、「コスパ良く発揮フェーズ」でいたかった。適度に挑戦はし続けたいけど、その度合いは自分で調節できる状態が良かった。
そのために、この3年は「経験を買うフェーズ」と決めて、アクセル踏んでいました。
チャレンジングな仕事が多くて、効率良くはこなせないから労働時間は膨らみがち。学びたいことは尽きず、家事の時間や寝かしつけの時間は耳からインプット。本業では得られない経験を得るために、副業に充てる時間も捻り出して色々トライしたり。私にとってストレッチな3年間でした。(ごろごろ自分時間を一定取れる今の生活リズムはめちゃくちゃ久しぶりで、幸せを噛み締めています)
「やりたい仕事を楽しくやらせてもらっており、年収は上がって仕事にかける時間は減」という今の状態だけを切り取ると、何か銀の弾丸があるように聞こえるかもしれないけれど、そうではありませんでした。
今の状態は、「手前の3年間、頑張った私」がもたらしてくれたものでしかないし、
この状態がずっと続くわけでもない。
そして、経験を買うフェーズの大変だった日々もまた、愛おしいものでした。
大事なのは、必要条件をただ揃えることではなく、
キャリアのフェーズをコントロールしようとする意識と努力だと思います。
最後に:このnoteを書いた理由
ここまで書いてきたのにあれですが、実は私にとって給与は仕事軸の上位ではなく、「やりたいことをリモートでやり続けるために経験を買っていたら年収がついてきてくれていた」という順番でした。
旧知の方でこのnoteを目にしてくださっている方は、「なんだか私らしくないタイトルだな」と思われたのではないかと思います。
年収というワードをタイトルに入れるのは、ちょっと勇気が要りました。わざわざ公の場で書くものでも…と。
なのにこのテーマでnoteを書くことにしたのは、
(やや荒っぽい表現ですが)“地方在住ワーママ同志の皆さんに、買い叩かれて欲しくない”という思いがあったからです。
地方在住ワーママの方のキャリア相談をお受けすると、望む仕事をフルリモートという働き方でできる、という時点で「なんてありがたい話!」とおっしゃって、給与については何も希望されない方がとっても多いなと感じています。
経験を買うフェーズなら、いいと思うんです。
でも、すでにアウトプットできるものが溢れている状態にも関わらず、極端に控えめな報酬でお仕事されている方も、実際多いと感じます。(業界とか企業フェーズとか、水準が変わる変数もありはしますが)
価値観は人それぞれなので、これは完全に私の勝手なおせっかいですが、「いやいや給与も望んでいいんですよ!」「ぜひ妥当な報酬を得ていただきたい」といつも思います。
でも、ただでさえキャリアの悩み全般なかなか話題にしにくいというのに、その中でも年収って最も触れられないところなわけで、同属性の他人の年収の具体的な話を聞く機会なんてそうそうないがために比較サンプルもなく、つい「働き方を叶えられたのだからは年収はいいかな」って思ってしまうのだよなあと。
だから今回、このテーマで書きました。
報酬の話をすることは、タブーでも悪でもないと思う。
自分の提供価値を正しく知って、実力相応の期待を報酬という形で与えられることは、その方の成果とチームの成果の最大化に繋がると思う。
家族に還元できるものが増えることは、誰にとっても望ましいことだと思う。
だから、これを読んでくださった、地方在住ワーママ同志の皆さんへ。
これまで高めてきた確かな提供価値があるなら、遠慮する必要は少しもないです。
簡単ではないけれど、やりがいも働き方も報酬も手に入れる道は、きっと切り拓ける。
2025年、堂々と行きましょう。