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サウスウエスト航空で300人を束ねるリーダーに聞いた3つの心得

先日、ダニエルが我が家に泊まりに来ていたんです。

ダニエルはアメリカ人で、わたしの夫の20年来の友人。50歳に届こうという男性なのですが、いつも若くて陽気でパーティが大好きで、そして感動屋で義理堅い人です。わたしたち夫婦の結婚式の時もアメリカから駆けつけてくれて、終始目をうるうるさせてくれていました。好きな日本語は「バイバイキン」と「ご縁」。

そんなダニエルが、先日久しぶりに来日し、わたしたちが住む北海道の奥地まで会いに来てくれたのでした。久々の再会に、わたしたち3人は大いに盛り上がり、リビングでお酒を飲みながら、くだらない雑談に花を咲かせていました。

話の中で、ダニエルがふいにこぼした仕事の話が気になり、「あれ、ダニエルなんの仕事してるんだっけ?」と今更ながら確認したところ、あのサウスウエスト航空で300人のチームメンバーを束ねる立場だったと(最近、FIREして引退したらしい)。

サウスウエスト航空といえば、「従業員第一主義」で世界的に知られる企業。なんと、ダニエルそんな人だったの?今までほぼカジノの話と女の子の話しかしてなかったじゃん!(心の声)

キャリア支援とチームマネジメントを生業としているわたし、もちろん食いつかずにはいられません。「ダニエル!あなたの仕事の話、とても聞きたい!」
熱い問答が深夜0時からスタートしました(つきあってくれた夫、ありがとう)。

というわけで、この夜聞いたダニエルのリーダー論が非常にわかりやすくシンプルかつ熱かったので、ここにシェアしたいと思います。

1.ボスではなくリーダーであれ

僕のチームメンバーには、「僕のことをボスとは呼ばないで」と言っていた。だからみんなは僕のことをただ”ダニエル”と呼ぶんだ。
昨日、日本行きの飛行機に乗るときにも、空港で当時のメンバーたちに何人か会ったんだけど、次々と「ダニエル、久しぶり!」とハグしにきてくれて、僕はそれがとても嬉しかった。

この話だけでも、彼がどんなリーダーであろうとしていたか、そしてそのスタンスがいかに周囲にしっかり伝わっていたかがわかります。

300人のメンバーを束ねるポジションというと、けっこう雲の上の人になりがちというか、ある程度距離があるのが普通だと思う。

でも彼の場合、「一方的に上から指示をするのではなく、フラットな関係でありたい」というスタンスはきっとどんな場面においても一貫していて、こういった言葉のチョイスや一つ一つの振る舞いに滲み出ていて、だから彼のひととなりは巨大なチームであっても全員が理解できていて、だから会えばみんなハグしにくるんだろうなあと。

リーダーとしての高い志を掲げることは、それほど難しくないかもしれません。

でも、その志を貫き通し、体現し続け、わかってもらえるまで伝え続けることを厭わないことが、真のリーダー性なのかもしれない。彼の話を聞きながら、そんなことを思いました。

2.チームメンバーは“Co-heart”

神は細部に宿るというから、わたしも普段、「上司(Boss)」「部下(Subordinate)」といった上下関係が出るような表現は使わないようにしています。
なので、ダニエルはチームメンバーのことを普段なんと表現するのか気になって聞いてみました。

英語ではそもそも「部下(Subordinate)」はほぼ使わないよ。上から目線な感じがするからね。一般的にはMy employeesとか、My team membersとか表現する。
ああ、そうそう、サウスウエスト航空では、Co-heartって言い方もするんだよ。クレドの中にあってさ、僕はこれがとても好きだな。

わたしの英語力が乏しくて、聞いたことを正しく書けているか怪しいのですが…(もしこれを読んでいる方で、サウスウエスト航空に関わりがある方がいらしたら、合っているか教えてください🙏)

サウスウエスト航空は、従業員第一主義の会社。会社は従業員を何よりも大切にすることを約束し、尊重する。
すると従業員たちは個々人が矜持を持ち、オーナーシップをもって、カンパニースピリットを共有していく。
Co-heartという呼び方はまさに、その企業理念全体を表しているようで、素敵だなと思います。

▶︎サウスウエスト航空のMVVはこちら

3.教えるな、経験を提供せよ

「ダニエルは本当にいいリーダーだね。うちのサービスで、講師(Teacher)をやって欲しいよ〜」

冗談のつもりでダニエルに言ったら、真剣な目でこう返されました。

かずえ、僕はTeacherをするのは好きではない。人を成長させるのはteachじゃないと思っているんだ。Teachはどうしても受動的になり、そこから学べるのは一部だ。僕は人にはteachingではなく、experienceを提供したいと思っている。実際にやってみる、という経験だ。やってみることで得られる学びはteachの非ではない。

はい、ダニエル、おっしゃる通りです。(なんかごめん)

優秀なプレイヤーだった人ほど、マネージャーになった時にこれに陥りがちです。「それはこうした方がいい」とすぐわかるので、よかれと思ってメンバーにそれを「教える」。でも、それはメンバー本人が考え気づく機会を奪うことです。
そうしてteachingばかりを与えられたメンバーの成長スピードは早くなく、マネージャーの負担ばかりが増えていきます。

「何を伝えるか」だけではなく、「何を伝えないのか」が大切ですね。


最後に.チームメンバーとうまく働く対話力を体系的に知りたい方へ

ダニエルに「そのリーダー論はどうやって出来上がっていったの?」と聞いたところ、「反面教師が多かったかもしれない」とのこと。
彼はきっと、もともと優れたリーダーになる素晴らしい素質を持っていたのだと思いますが、それでもたくさんの時間と労力をかけて手探りでやってきただろうことは、想像に難くありません。

それも一つの素敵な人生経験ですが、経験学習は体系立ててできると効率的。わたしが今手がけている「ワンカレ」は、チームメンバーとうまく働く対話力を体系的に知りたいという方のためのトレーニングサービスです。
ご興味があれば、こちらの個別相談をお気軽にご利用ください☺️お役に立てれば幸いです。


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