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全般性不安障害 まさかの再発 不眠症ダブルパンチ 再び地獄へ
前回の記事では全般性不安障害の症状から回復し、順調に社会人生活を送っていた日々のことを書きました。
新しい学校が開校から1年を迎え、僕は社会人6年目、初めての全般性不安障害発症から8年目を迎えていました。
目の回る忙しさだった開校1年目を終えて、2年目に入ると少し心に余裕が出てきました。仲間にも恵まれ、責任ある立場にも慣れていきました。
そして、社会人生活にも慣れ、多少の波はあるものの病状も落ち着いていたので、一人暮らしを再開しました。
そんな中であの日を迎えます。
僕が最も恐れていた「再発」は突然やってきました。
8月の終わり、友人たちとキャンプに出かけました。
出発当日、前日からワクワクで眠れず、寝不足による胃の不快感がありました。そこでお守りがわりにしていた「セルベール」を飲んでキャンプ場に向かいました。
道中は楽しかったのですが、やはり胃の不快感は強く、BBQをしたのですがあまり食べることができませんでした。
夜は不慣れなテントでなかなか寝付けず、苦労しました。
楽しかったキャンプから自宅に戻っても、胃の不快感は消えません。
それでも寝不足によるものだろうとタカをくくっていました。
ところが、2日間ほとんど寝ていないにも関わらず、ベッドに入っても全く眠気がやってきません。
体はぐったり疲れているのに、目だけがギンギンで全く眠れないのです。
明け方少しウトウトしたものの、翌朝起きると胃の不快感は増しています。そして、体が異常に重く、全身が凝り固まっていました。
そこから地獄の日々が始まりました。
再び、一日中胃の不快感に悩まされ、食事を前にすると動悸が激しく、噛んでも噛んでも飲み込めずパニックになり、水で流し込むという地獄が戻ってきたのです。
さらに、今回は不眠にもなっていました。
疲れ切っていてもベッドに入ると眠れない。眠れないと頭に浮かぶのは「再発」の2文字。そこからは悪い思考一直線です。また発症してしまった。もうおしまいだ。今度こそ良くなるはずがない。一生、病気に苦しむんだ。ご飯を美味しく食べられる日はもうこない。きっと仕事も続けられないだろう。仕事ができなければ、お金もなくなる。お金が無くなれば、家を追い出されてひとりぼっちだ。
心に誓ったので自死はしないが、食事も取れず、寒空の下で野垂れ死ぬしかないのだ・・・。そんなことを考え絶望的な気持ちでベッドから動けない日々でした。
そして明け方、やっと少し眠れたと思えばすぐに朝を迎えてしまいます。
その短い眠りの中で悪夢をたくさん見るというひどい毎日でした。
そうすると、これまで食事のことを考えると動悸がひどく、気持ちが塞ぐということがありましたが、そこに「今日も眠れなかったらどうしよう」が加わったのです。
これがなんと3ヶ月続きました。
それでも、僕は「再発」を受け入れられず、「明日には良くなっているはず」と期待して、裏切られるということを繰り返していました。
そのときは、再発を認めたらお終いだ。今までも波はあった、でもすぐに良くなった。今回もきっとそうだ。せっかく一度克服したのだから再発してたまるか。そんな気持ちでいっぱいでした。
しかし、まともに眠れず、食事もろくにとれず、一日中体の不調を気にして緊張状態が続いているので症状は悪くなるばかりです。
手の異常発汗、気温では考えられない寒気、だるさ、体の異常なコリ、太陽が眩しいを通り越して刺すような目の痛み・・・数えればキリがないほどの体の異常が次々に襲います。そしてそのひとつひとつに「これは深刻な病気なのではないか」「一生治らないのではないか」と不安を感じ続けていました。
何より困ったのは頭が異常にぼーっとすることでした。これまで難なく考えて判断できていたことが全く考えられなくなっていました。
例えば着ていく服が決められずクローゼットの前で立ち尽くす、スーパーに行けば食べたいものがわからず食材を見ながら同じところを何周も回っている、食事を終えて食器を洗わなければいけないのにソファから立ち上がれないなど・・・。
頭にずっと灰色のモヤがかかっているような感覚でした。
それでも、一度休んだら2度と仕事に行けなくなるのではないかという不安が一番強く、毎日這うように仕事に行っていました。
そして、絶対にしてはいけない「ネット検索」を時間ができればしてしまっていました。
「全般性不安障害 再発」「全般性不安障害 治し方」「全般性不安障害 自力で治す」このあたりのワードは3ヶ月間、毎日のように調べては、そこに書かれた記事の内容に打ちのめされていました。
そして、ついにあの日がやってきます。
大きな仕事を終えた日でした。帰宅してポストを開けようとダイアル錠を回します。しかし、何度やっても鍵を合わせてポストを開けることができないのです。毎日の習慣で考えなくてもできていたことが、いくら考えてもできなかったのです。
そこで、僕の心はポッキリ折れてしまったのでした。
ポストを諦め、部屋に帰りソファに倒れ込みました。
気がつくと泣いていました。
何が悲しかったのか・・・自分でもわからずただ泣いていました。
その日はなんとか最後の気力を振り絞って、晩御飯を流し込み、お風呂に入ってベッドに倒れ込みました。
これだけのことをするのにいつもの何倍もの時間がかかりました。
次の朝、目が覚めると体が異常に重く、ベッドから起き上がることすらできません。
休日だったので、急いで起きる必要はありませんでしたが、全く起き上がれないのです。かといって眠ることもできず、ただただネガティブな妄想に取り憑かれて、ベドの上で呆然としていました。
この時になってやっと僕は「再発」したのだと、受け入れることができたのでした。いや、カッコつけました。受け入れざるを得なかっただけだったのです。
そんな状況を経験した僕ですが、どっこい今も幸せに生きてます。
だからあなたも
今辛くても大丈夫。必ず良くなる。
今日のところは、ここまで。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。