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0309|詩

ザワザワする不穏な風が
頬に過ぎる瞬間
「お前は馬鹿だ」
悪魔の笑いが聴こえる

耳を塞いでも無駄
目を閉じて私は安全地帯に逃げ込む
そこは秘密の小部屋

天井までの本棚には
びっしり隙間なく
本が収まり
立て掛けてある梯子は私を待っている

「手に取る本は決まってる」
そう呟いて梯子を上る

『0309』
ここに書いてあるのは
二人が歩んで来た道程

まだまだ半分以上は真っ白なページ

そこに記される言葉は
私達が作り出す未来

「大丈夫、傍にいる」
耳元で聴こえた声
「知ってる」
私は小さく頷き
オールドファッションを半分にちぎる

ブラックにオールドファッション
二人で分けて食べるの

椅子はいらない
地べたに座って遠い場所を見て
貴方は私の話を笑いながら頷いてる

ただそれだけ
それだけで
私には精神安定剤以上の効果がある

リボトリールもエビリファイもゴミ箱

微かに甘いKissを交わして
そっと床で抱き合う
これはReal

夢は見ないで
叶えたいから

いつの間にか舞い込んだ蝶が二羽
本棚の影で身を寄せ合う


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