𝒦azu

小説、散文、詩。 不安障害・双極性障害・ADHDグレー・エンパス

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かざぐるま|短編小説

   「今日のお祭りの帰り、皆私の家でお泊まりね」 周りの女の子達は、キャーやったー、良いの?とか騒いでる。     私はどうせ呼ばれないから、放課後の教室からそっと出ようとした。  「美奈ちゃんも、良かったら来る?着て来る浴衣があればだけど」 クスクス笑いが周りから漏れる。     私は悔しさで唇を噛み締め、走って上履きを履き替え、涙を堪えながら家路に着いた。 「ただいま…」 「おかえり、美奈」 「あれ?お母さん、もう仕事終わったの?」 「今日は早上がりさせてもらったの

    • cruel|詩

      足元取られ 深雪の 先に進むも戻るも出来ず 後悔だけが残る思考 冷たさに凍りついた視界 行き着く先もないまま 勝手に一人勘違い それは愛ではない ゲームだよ、残酷な また馬鹿を見たの 前と変わらない 下り龍が笑ってる 私を見下し笑ってる 「お前に学習する頭はない」 そう響く頭の中 空っぽの私だから その通り 私はチャーリイにもアルジャーノンにもなれない 花束をくれる人は存在しない 所詮周りと馴染めない 昔から変わってると 教室の片隅が落ち着いた 今では何

      • ジムノペディ|散文

            寝付きが悪くなって、もう随分経つ。 夜の頓服もほぼ効かない。 おまけに今日は持病の後頭神経痛が発症していて、ズキンズキンと刺す痛みが止まらない。     鎮痛剤は効かないけれど、気休めに飲んでおく。 精神的な不安定さも手伝って、気分は下降して行くばかり。     何故、私を苦しめるのだろう…。 知って居てやっているなら、最低最悪だと思う。 自覚はないのか、と問うてみたい。     自分さえ良ければ、陰で傷付き泣く人がいても構わないそのメンタルは、異常だと気付くべ

        • 躁状態になる事はなく、落ち込みが酷く鬱状態が続いています。連載小説、プロットは出来ていて後は書き起すだけなのですが、精神的に今は難しい為ゆっくり書けそうな時に少しづつ進めて行けたらと思います。短編小説も気紛れに。 拙い素人文章を毎回お読み下さっている方に、心よりお礼申し上げます。

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        かざぐるま|短編小説

        • cruel|詩

        • ジムノペディ|散文

        • 躁状態になる事はなく、落ち込みが酷く鬱状態が続いています。連載小説、プロットは出来ていて後は書き起すだけなのですが、精神的に今は難しい為ゆっくり書けそうな時に少しづつ進めて行けたらと思います。短編小説も気紛れに。 拙い素人文章を毎回お読み下さっている方に、心よりお礼申し上げます。

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        • 9本
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          13本
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          17本

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          candle|詩

          小さな灯りに温もりを 見つめた先にあるはずない夢 愛は今昔も変わらずに いつかは消えてなくなるもの 刹那に夢見て散り際切なく 愛しさは儚い 想いは移ろい行くもので 永遠なんかは多分ない 存在を私は実感出来ずに また奥の扉の鍵を閉める 小さな部屋に独りきり 膝を抱えて眠りに就く もう何も生み出せない 丸めた原稿用紙 インクを切らしたペン 夢は潰えた 弱さと足りない頭の瓦落多 油切れ 動かなくなった心臓は ただの不用品 幻覚の中で見た最後の夢は ただの私の幼稚な

          candle|詩

          mask|短編小説

          「あ、忘れてた! 明日学校でハロウィンのイベントで使うマスク必要だったんだ!     ねえ、ママ〜!どうしよう!」     エミリーは慌てた様子で叫んだ。     エミリーの忘れっぽさったら、昔から変わらない。     もう15歳。そろそろ自分で解決する力を付けさせなくては。 「エミリー、いつもママに頼ってちゃ成長しないわよ。自分の力で解決しないと」        「そんな事言ったって…」 口を尖らせ下を向く癖も昔から。 けど本当に今回は自分で解決させなきゃ。 私は敢えて手

          mask|短編小説

          赤・黄・青|散文

              お昼前から、急に焦燥感で外出しなくちゃいけない、そんな強迫観念が来た。    窓を開け、空を見た。 曇り空の風が冷たい。    決して行きたい訳じゃない。ただ、何故だか行かなければならないと言う強迫観念が強く来て、リボトリールに頼り少しだけ横になり、YouTubeを観ていた。     様々なジャンルを観ていたら、心が落ち着き地元に帰りたくなり泣いた。    もう閉まってしまった和菓子の喫茶店や、お団子屋さん。アーケードの商店街。    下駄を履いて手を引かれて歩いた道

          赤・黄・青|散文

          歪んだそれに名前はない 14|連載小説

              手紙を握り締めたまま、母親の文字から目が離せずに、手が震えている事に気付いた。 喜美さんと母さんが…知り合いだった? じゃあ…母さんは、何もかも分かった上で親父と喜美さんの関係を認めていたのか?     あまりのショックに、次の手紙を読み進める事が怖くなった。     だがここで、読むのをやめて手紙をなかった事にしても、俺の出生の事実は何も変わらない。     溜息をつき、ふと足元に視線がいった。 何か落ちていた。 手に取るとそこには、最近見た海をバックに二人の

          歪んだそれに名前はない 14|連載小説

          苦悩|散文

          自分の事は自分にしか分からないけど、自分では分からない事もある。 続いている鬱状態。リボトリールもエビリファイも効かない。 助けを求めても、困らせるだけ。 所詮、私じゃないから分からない。 自分のメンタルすら管理出来ない。 弱音を吐くと怒られて育った。 甘えるのが苦手。 頼るのも下手。 全部自分で解決しなきゃとまずは思う。 今もそう…。 孤独を感じても、仕方ないと言い聞かせる。 理解はされない。 私は独り、そう思って生きていくのが 意外と楽なのかもしれない……。

          苦悩|散文

          歪んだそれに名前はない 13|連載小説

             ふぅーっと溜息が知らずに出た。 手紙はまだ数枚ある。母親にこんな過去があったなんて、まるで知らなかった。    多分、墓場まで持って行くつもりだったのじゃないだろうか…ふとそんな気がした。        カーテンを開け、陽射しを入れた。 差し込む光の先に、母親が微笑んでいる様な気がした。    俺は続きを読み始めた。  『私は暫くの間、そこから動けずにいた。  今みたいに携帯電話がある時代じゃないから、直ぐに誰かに連絡とか、そんな事出来るはずもなかったし、あの時はた

          歪んだそれに名前はない 13|連載小説

          弱音と弱気と愛と本|散文

           クマのプー[世界一のクマのお話]を読み終えた。 中々あちこちに気が散って、他の小説や絵本や編み物等に手を出して、読み進めていなかった。 読後は、何とも愛らしく温かな気持ちに包まれた。こんな優しく平和な世界に、私も住んでいたいと、年甲斐もなく思ってしまった。 今日は昼前から急に鬱状態に陥り、頓服に頼り横になりながら、愛書の[余白の愛]を読んでいたが、訳もなく込み上げる自己嫌悪と自己否定。 「私が生きてても周りのお荷物じゃないか」など、どうにも這い上がれずにもがき苦しんだ

          弱音と弱気と愛と本|散文

          歪んだそれに名前はない 12|連載小説

           少し震える手。阿呆らしい…。 ただ、母親が遺した手紙だ。  けれど中々封を切れずにいた。この中身に、母親の告白が書いてある、そう直感したから。 何を恐れてる?過去を知る事か? 知ったところで何も変わりはしない、そうだろ?  ライティングデスクの椅子に腰掛け、俺は手紙を取り出した。 『翼へ     これを読んでいると言う事は、私はもうこの世 に居ないのね。    翼、私は最低な母親でした。ごめんなさい。  貴方に、最後まで償いきれない罪を犯した。    翼、貴方に許し

          歪んだそれに名前はない 12|連載小説

          星になりたい|詩

          叶えたい願い心の中 一つだけ 消したいコト 一つだけ 全てが満足にはならない 全てが順調には行かない 必ず邪魔が入る 私の心を強く揺さぶるソレ たった一人の貴方の言葉 支え 命綱 希望 光 灯火 愛 全てが貴方 遠くで鐘が鳴る 0時で魔法が解ける音 けれどこれは解けない 夢じゃなく現実の事柄 貴方と私だけの物語 この先も描き続ける事出来る シンデレラの片足に残った ガラスの靴に 私は魅力を感じない 御伽噺なら不思議の国のアリス 鏡の国のアリス ハンプティ

          星になりたい|詩

          心の片隅が居場所|散文

          最近、YouTubeで洋画を観た。 タイトルは忘れてしまったけど、息子夫婦と住むおばあさんが生まれ故郷に一日だけ帰る、という内容のもの。 生まれ故郷はとうに廃れ、今は誰も住んでいない事を徐々に知るが、息子夫婦の目を盗んでバスに乗り、様々な人達の優しさが繋いだ軌跡が描かれている。 生まれ故郷に着き、生まれ育った家にやっと辿り着いたら、家はボロボロ、周りにも誰も住んでいない…最後は息子夫婦が車で迎えに来るが、意地悪だと思っていた義理の娘の小言が、実は優しさから来るものだったり

          心の片隅が居場所|散文

          主人公|短編小説

          「あ、待ったー?」無邪気に駆け寄る幼馴染み。 「ううん、今来たとこ」 「もう、煙草やめなって言ってるのにー」 「あのね…あんたは私の親か」 幼馴染みの朱々は、ふくれっ面をして私を見る。 相変わらず変わらない、この癖。 「ほら、行くよ。映画始まっちゃうでしょ」 朱々は甘えた様に私に腕を絡めてくる。 「ちょっと…もう、その癖どうにかならないの?」私は朱々とは正反対。性格も見た目も。 朱々とは、幼稚園前から近所で母親同士が仲が良かった事もあり、物心ついた頃には常にお互い居て当たり

          主人公|短編小説

          my life|散文

          人の一生は、小説一冊分だと聞いた事がある。 小説が一冊書ける程の生き様、と言う事だ。 私はどうだろう? 答えは決まってる。一冊分の価値もない。 数ページに言葉は載るが、残りは余白で終わりだ。 この年齢まで生きてきて、確かに要らないモノや傷を負っては来た。 その度に自暴自棄になり、人間不信に陥り益々負のループに嵌った。 中々抜け出せずにもがき続けた先に、ほんの一瞬の光はあっという間に通り過ぎた。 カーテンに隠れて兄と遊んだ幼き日々は、もう還らない。 無邪気にオブラートの

          my life|散文