言われたかった言葉|散文
「生まれてきてくれてありがとう」
ずっと誰かに認められたくて、日々必死に耐えて来たけど
認めてもらう事は容易じゃない。
親にも否定されてきて「躁鬱病じゃないの」と思春期に見下した口調で言われた。
そこには心配や大丈夫?と言った優しさはなく、ただ「何であんただけそうなの?」と
侮蔑の意味が込められていた。
元々小さな変化に敏感で、あまり適応力がなく頭も悪い私には、小さい頃からずっと違和感があった。
何か周りと違うのかな、ずっとそう疎外感を感じながら空気の様に生きてきた。
他人に騙されたり、トラウマになる被害を受けた過去もある。
馬鹿って損だな、とその度気付いては独り泣いて耐えた。
分かってもらえる事は何も無い。
もらおうなんて、調子がいいのかもしれない。
全て自分の中で片付けて、いつもの様に黙っていれば問題は起こらない。
誰かと関わると、その相手は私に嫌気がさす。
私の足りない頭のせいで、配慮が足りなかったり迷惑掛けてしまったり。
私はずっと無表情でいればいい。
無感情のまま、静かに死を待てば良い。
「生まれた事が間違いなんだよ」
そうだね、そう思う。否定も出来ない。
だって私はクズだから。
独りで閉じ籠っていればいい。
周りの目障りにならない様に。
ただ一言
「生まれてきてくれてありがとう」
そう言われたかった。