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株価チャートは群集心理チャートー窪田剛『株の学校』を読んでみた

金利は増えないのに物価は上昇しつづけている。それなのに預金し続けている私は、もしかしたらアホなんじゃないかと思い、投資について勉強してみようと思ったのでした。

まず読んだのは漫画『インベスターZ』。
その感想↓

この中でもっとも印象に残ったのは、投資とトレードはまったく別のゲーム(構造)であるということでした。投資とは企業の成長に対して資金を投じること。いっぽうトレードとは市場参加者の心理を読み、過去のパターンを参考に売買を判断していくことです。そして私はトレードの方により興味をもったのでした。私の読書履歴(哲学、心理学、行動経済学、社会学、人類学などのジャンルが主)をみると当然のような気がします。企業とか事業に関するものをほとんど読んだことが無い…。

『インベスターZ』で特に投資とトレードを分けて考えることの重要性を訴えていたのが窪田剛。そこで窪田の『株の学校(改訂新版)』(高橋書店 2019年)を読んでみたのでした。

トレードで利益を得るということは、将来の株価を予測できなければなりません。この株価の予測というものをどう考えるかが問題です。
株価チャートは人間の心理状態を示しているものと考えます。人間の心理だとすれば、人間には制御できない心理的傾向とそれによって生じる行動傾向が現れるはずです。たとえば、火事が起きると、出口に殺到してしまうような心理と行動傾向のような。そしてドミノ倒しに巻き込まれ…。
株価チャートに、火事にあたるようなパターン(みんなが売らざるをえなくなるパターンや買わざるをえなくなるパターン)を見つけ出し、群衆が本能的にとる行動を予測することによって的中率を高めます。

でも自分も群衆のひとりです。この群集心理に取り込まれないようにするにはどうすれば良いのでしょう。取引する前に、株価チャートが示すパターンの中で、どのパターンになったら売り、どのパターンになったら買うのか、あらかじめ決めておけば良いのです。逆にこの方針がないと、容易に群集心理に巻き込まれ、ドミノ倒しの渦中から抜け出せなくなるでしょう。死んじゃう。

でもそんなにうまいこと、儲かる銘柄に出会えるのでしょうか。窪田の対策はこうです。
たとえ取引で10連敗しても利益を出すためのルールを設計する。たとえば、損切りは自己資金の2%のマイナスで実行、利益確定は買値の10%のプラスで実行というふうに。つまり損は深刻になる前にあっさり手放す。これを10回くらい繰り返しても気にしない。11回目に全ての損を取り返すというような考え方ですね。11回に1回、短期間にある程度急激に株価が上がる銘柄を見つけることができればOK、そして下降パターンが出たらすぐに売る。株価チャートの中で10%以上株価が上昇している箇所で取引を完結するということですね。

私にとっては納得のいく考え方です。問題は本書で示される株価上昇パターンと下降パターンがどの程度の信頼性かということですが、これについては実際にトレードしてみて検証してみようかと考えています。ということで、ほんの少額からトレードをはじめてみようと思いました。さて、どうなることやら。

ここではふれませんが、本書には具体的な

  • 銘柄選定方法

  • 買いパターンとタイミング

  • 売りパターンとタイミング

  • 反省のしかた

も書いてありますので、納得できた人はすぐにトレードをはじめられるのではないかと思います。ちなみに本書は初心者向けなので、おそらくホントに基本的なことしか書かれていないと思います。しかしだからこそ、何度も読むことによって、基本を身につけることができそうな気がします。

低金利に怒っている人で、具体的なアクションをとれていない人は、本書を読んでもいいかもしれません。もちろん損するかもしれないのでご注意を。

追伸
本書から感銘を受けたのですが、大きな疑問も湧きました。
仮にトレーダーのほとんどが本書の知識を持っているとしたら、みなが同じ行動をとるので、取引速度の勝負になるのではないかと思います。判断が遅れるほど、買値は上がり、売値は下がることになるのではないかと思います。はたして私はトレード界の速度についていけるでしょうか。

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