出来事から発せられる複数の波ーアレクサンドル・エトキント「ハードとソフト」を読んでみた
ここのところロシア関連文献を読んでいますが、今回はロシア文化史家アレクサンドル・エトキントの「ハードとソフト」(平松潤奈訳 『ゲンロン7』
2017年 収録)を読んでみたいと思います。これは大量虐殺の記憶についての論考です。世界的に健忘症が進んでいる今、たいへんアクチュアルな議論になっているのではないかと思います。
ハードとソフトそもそもテキストがそれ自体ハードとソフトの相互依存関係でできています。目にみえるイメージとしての文字と目にみえない意味によって成立しています。話し