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〈読書〉あつあつを召し上がれ
・あつあつを召し上がれ 著者:小川糸
『あつあつを召し上がれ』は、食に関する短編集です。
『バーバのかき氷』では、施設に入居している祖母にかき氷を食べさせるために、主人公が奮闘します。
『親父のぶたばら飯』は、中華街でプロポーズをする話。
『さよなら松茸』では、能登にお別れ旅行をする元恋人たちが描かれています。
長く付き合っていても、実らない恋もある。
登場するメニューは、とても豊かですが、少々、切ない話。
『こーちゃんのおみそ汁』は、母を早く亡くした娘と、その父親が主人公。
亡くなった母と父と娘をつないでいるのは、母が幼い娘に作り方を伝授したおみそ汁です。
家族の絆を感じます。
『いとしのハートコロリット』に登場するのは、大好きな夫と、記念日に食事に出かけるおばあさん。
ずっとずっと、夫を忘れない主人公が切ないです。
『ポルクの晩餐』は、少々、他の話とは印象が異なる不思議な話。
オス豚・ポルクと生活している男がいます。
詳しい事情は不明ですが、彼は人生に絶望していて、死ぬ前にポルクとパリへ行きます。
ポルクは本当に豚なのか?
主人公は、ポルクと呼んでいるが、ポルクは実際は豚ではなく人なのか?
それとも、ポルクは主人公が見ている幻なのか?
なんとも不思議な話です。
『季節はずれのきりたんぽ』では、娘が母親ときりたんぽをつくっています。
きりたんぽは、亡くなった父親が特にこだわっていた料理です。
しかし、この日のきりたんぽは、まさかの結末を迎えます。
そして、この母娘は、父(母にとっては夫)を亡くしたことを乗り越えていくのだろうな、という予感がします。
ひとつひとつの話は短く、読みやすい作品です。
誰もが持っている料理に関する思い出。
その思い出を引き出してくれるような小説です。
こちらも、小川糸さんの作品です↓↓↓
『ツバキ文具店』も大好きな作品です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
私K.Kからのごあいさつです↓↓↓