営業嫌いな人事採用担当が、営業本から色々学んでみた-「Sales is」-
皆さんは、「人事の仕事」に対してどんなイメージを持っていますか?
「バックオフィスだし、楽そう」
「なんとなく、温室(生ぬるい)なイメージ」
「辛いことは苦しいことはあまりなさそう」
そんな印象を持たれている方も少なからずいらっしゃると思います。
確かに、著者にも事業サイドで仕事をしていた経験があるので、日々現場で起こる変化に対応し続けるのは本当に大変でした。
しかし、実際の人事の業務、特に採用の現場はまさに営業そのもの。
それもそのはず、労働人口は減少しています。
採用は限られたパイを奪い合う、まさに取り合い。
特に我々のようなベンチャーは、受動的な姿勢では応募すら獲得できない事も少なくありません。
だからこそ、候補者の皆様や、人材紹介会社の方にいかに興味を持ってもらい、動いてもらうかが重要になります。
にも拘わらず、著者の営業力はというと、皆無。というか嫌い。
元々営業の色合いが強い会社に属していましたが、実際に実務内容でいうと、ゴリゴリの営業というわけでもなく・・・。
そんな状態で採用人事を担当しているので、日々営業力の低さを痛感する事もしばしば・・・。
じゃあ、勉強すりゃいいじゃん!ってことで、営業に関する本をインプットすると同時、noteの場を借りてアウトプットしてみようと思います。
※あくまでも個人的な見解ですので、気になる方は是非本を手に取ってみて下さい。
そして、今回の題材は「Sales is」、営業代行事業を行っているセレブリックスの今井さんの著書になります。
では、早速参りましょう!
あなたにとって営業とは?
人によって営業の捉え方は異なります。
だからこそ、本ブログやSales isを読んでいただいた後に、あなたの営業とはなんなのか、答えが見つかっている事が理想です。
前提として、営業は言わずもがな数字の世界。
成果を出せている時とそうではない時の幸福度には、大きな差があります。
言い換えれば、成果を出せている時は幸福度が高い状態を維持し続ける事ができます。
本書では特に、営業の最難関と言われる「アウトバウンドの新規営業」に関するプロセスについて説明が中心です。よって、本書で学べる事は他の営業手法にも応用できると言えます。
営業プロセスを7つのプロセスに分解せよ
「営業成果をコントロールするという事は、営業のプロセスをコントロールする事である」
と本書に記載があります。
つまり、お客様の「買わない理由」を限りなくゼロにするためには。営業の行程ごとに細かくコントロールする必要があります。
「買わない理由」を抑止し、商材の可能性や未来を「見える化」し、「合意」と「共感」を積み重ねていくことで成果に繋がります。
そこで、セレブリックス社では営業プロセスを下記の7プロセスに分解しています。
アカウントプラン
アプローチ
ファクトファインディング
オーダーコントロール
企画作成
プレゼンテーション
クロージング
そして、上の4つを「リードセールス」、下の3つを「コアセールス」と定義しています。
次項からは「リードセールス」と「コアセールス」に分けて7つのプロセスについて説明していきます。
リードセールス
「お客様は、必要であれば買う」
これはいつの時代でも揺るがない営業の事実です。
つまり、「商品が売れない」=「お客様にとって必要ではない」という事なのです。
言い換えるのであれば、お客様の課題を営業がしっかり設定できていないという事になります。
だからこそ、お客様に課題に気付いてもらう、リードセールス(見込み案件の獲得)が非常に重要な部分になります。
では、リードセールスに内包される各項目について、簡単に説明します。
1.アカウントプラン(攻略計画の策定)
最終的に受注につなげる為の計画を描きます。商談を有利に進める準備のようなもので、「どうしたら受注できるか」という仮説を立て、全体の流れを把握します。
2.アプローチ(信頼の獲得)
お客様との関係構築プロセスです。「あなたを信じて頼ってみたい」と言われるポジションの獲得を目指し、挨拶やピッチなどを行い、信頼や興味を持っていただく事を目的としています。
3.ファクトファインディング(課題を設定する)
お客様に商品導入や課題解決の必要性を認識していただくフェーズです。調査結果の報告や表面的な質問ではなく、課題の重要性や緊急性に気付いていただけるような問いを投げかけ、理想と現実のギャップを明らかにしていきます。
4.オーダーコントロール(要件定義とネクスト設計)
「どんな提案だったら導入していただけるか」を明確にするフェーズです。その為に、設定した課題の確認や提案の方向性がマッチしているかについて合意を得ます。
提案書に盛り込む予算やスケジュール感なども、この段階で詰め、加えてお客様の評価基準や、社内の意思決定者による検討プロセスも把握します。
いかがでしょうか。
非常に簡潔な説明になっておりますが、つまり、リードセールスのフェーズでは「お客様の課題の重要性・緊急性を握り、提案に移る為の下準備を先方の状況を把握しながら完了させる」事が求められます。
このフェーズで上記の言質を取れていないと、後々になって「やっぱりいらないかも・・・」という事になりかねません。
コアセールス
お客様にとって最も重要な事は、商品を購入する事ではなく、
「今よりもっと便利になる、豊かになる」ことです。
営業の提案次第で、お客様には素晴らしい未来が生まれます。
だからこそ、商談の後半戦は妥協する事なく、嘘偽りがあってはいけません。
そして、お客様の「買わない理由」がなくなれば営業の成果は必ずついてきます。
では、商談の後半部分であるコアセールスの要素について説明します。
5.企画作成(課題決定のデザイン)
お客様の課題解決を実現するストーリーを描きます。オーダーコントロールで言質を得た内容をもとに提案書を作ります。
逆に、選ばれる可能性がなければ提案はしません。課題設定と要件定義を前提として企画設計です。
6.プレゼンテーション(最適な提案)
解決方法と具体的なプランを提案するフェーズです。お客様は想像の中で意思決定しているからこそ、一貫性と辻褄が合った提案を伝えて、「課題解決の可能性を見える化」することが重要です。
7.クロージング(意思決定の後押し)
説得ではなく、「納得」し決断してもらうためのサポートを実施します。結論の回収、条件交渉や調整、社内稟議のサポートも行います。意思決定に向けた最終フォローと捉えてください。
コアセールスのプロセスは以上となりますが、このプロセスでは確実なクロージングに向けてお客様に誠心誠意対応する事が求められます。
これは、後の顧客エンゲージメントにもつながる部分であり、コアセールスでの妥協は、自社の評価を落とす事にも繋がりかねません。
受注に向けて焦ってしまう事もあるかもしれませんが、最終局面だからこそ、より一層丁寧に対応しましょう。
最後に
今回は「Sales is」を題材に執筆させていただきましたが、実はお伝えしたい事はもっと沢山ありました。
本稿に関しては、リードセールスとコアセールスに的を絞りましたが、本書の中には営業マンとして活躍する為のエッセンスが非常に多く散りばめられています。
顧客リストの作成や、商談でどのような事を意識すればいいかなど、より実践的な事も多く記載があります。
決して、回し者ではないのですが、営業でお困りの方や、営業を勉強してみたい方には本当におすすめの1冊となっていますので、是非お手に取っていただく事を推奨します。
では、今回はこちらで以上とさせていただきます!
次回も営業に関連する本について要約しますので、興味がある方はまた読んでいただけると嬉しいです♪
ではでは、こちらで失礼します。