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風の世界の童話|わたしはいつも、ここにいる【連作短編】

あらすじ
風の世界のセイウチさん。
セイウチさんはとても優秀なのでいつも采配を振るって大忙し。

そんなセイウチさんが、お仕事の秘訣を教えてくれるようです。

私は、よく”仕事ができる”と言われるし、私自身もそう思っている。
正直なところ仕事ができすぎて仕事は多いんだ。
だから残業が人より多めかな・・・それが悩みだよ。

どんな仕事でも難しいマニュアルとかもちゃんと読み込むんだ。
だから私の右に出る者はいない。
クラゲさんもそういうものは得意みたいだけど、使いやすい仕組みで言ったら、もうそりゃ比べ物になんてならないよね。

隣にいる彼は、事業部長なんだって。
僕たちは、物事を俯瞰してみることも得意だからねぇ。。

あ、でもね、えらくなるっていうのは「できる人に仕事を任せること」でもあるんだよ。だから、例えば細かい設定とか、細かいことに関しては全く覚えなくていいんだ。

「できる人がやる」「できる人に任せる」のも大切なことだよ。

おや・・・水中から誰か呼んでるから、ちょっくら水の中にいってくるね。

水の中っていうのは、陸上にいるよりも早く動けるよね。
それは本当にそう思う。

「え・・?なんだって??トラブル??困ったなぁ、今日私は、家族の誕生日会なんだよ」

皆が困った顔をしているね・・・うーん。

「あ、そこの・・・きみ!!!これ、明日までに報告上げれる?簡単なことだと思うんだ君なら」

「わかりました。」

ほら、見て!やっぱり私の人を見る目って確実だよね。
トラブルだってトラブルじゃなくなるんだよ、解決を任せる人を間違えなければね。

偉くならないセイウチさんもいるかって?うーん、それはいるね。
それは彼らが選択した結果だろうね。

でも、”何かのスペシャリスト”として活躍していたりするよ。
給与計算のスペシャリストとかね。


私たちは家族を何よりも大事にしているし、妻や夫を大切にしているから、そこで無理をしたりはしないんだよ。
子供のことも本当に愛しているからね。

子供たちの心を守ることが、何よりも大事だって思っているんだ。
そのためには会社のルールだって、私に合わせてもらうよ。
当然の権利だよ。君もやってみたらいいよ。

あ~そっか、物理的に君の場合は難しいか・・・。


陸上にも、そして水中にも私は適合しているけど、むやみやたらと誰かに会いにいったり、誰かに合わせたりはしないかな。
皆、私を頼って、結局会いに来るからね。

そうそう、わたしはいつもここにいるよ。
待っているからね。

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