"責難は成事にあらず"
学生の頃に読んだ本を、今になって読み返している。当時読んだ本の中の考え方が今の自分の根っこを作っていると感じて、改めて読みたくなったのだ。
そんな小説の一つに十二国記がある。
この言葉もこのシリーズの中にあった。
"責難は成事にあらず"
(見るのは容易い、非難することは誰にでもできる。でも、ただ責めるだけでそれに対して正しい道を教えてあげられないのなら、それは何も生まない。正すことは何かを成すことだけど、非難することが何かを正すことじゃない。)
さらに、こんな言葉もあった。
"非難するだけなら私だっていくらでもできる 。それは違うということは容易いけれど、では何をすれば違わないのか、それを言ってあげることができない。だから、責めるっていうことはしない。"
こちらの言葉のほうが、当時の自分に響いていたようだ。
人を非難することが好きではない。そのおかげで、"良いことばかり言う"と揶揄されたこともある。けれど、周りの人が批判しているからといって、自分も相手のことを批判していいとは思わない。相手を責めたからといって、自分の立場や能力が相手より上になるとも思わない。
ついでに、"誰かを批判すること"はいきすぎると快感になってしまうらしい。…そんな人になりたくはない。人の粗探しや愚痴を言うことが日々の楽しみなんて人生を、私は歩みたくはないなぁ…。
当時感じたことを振り返りながら、改めて思った。
物事が上手く進んでいない人がいたとして、その人を責めるのは簡単だ。でも、もし自分が相手と同じ立場にたったとして、その人以上のことが自分に出来るだろうか…?。相手を非難する前に、一度考えてみるといいんじゃないだろうか。