【読書感想】躁鬱大学/坂口恭平
タイトル 躁鬱大学
作者 坂口恭平
おすすめする人
・双極性障害で苦しんでいる本人
・双極性障害を知りたい人
おすすめポイント
①共感できる内容が多い
②自分はおかしくても良いと思える
③『神田橋語録』に出会える
①共感できる内容が多い
作者の坂口恭平さんは、躁鬱人(本の中で双極性障害を躁鬱人と書いています。なのでそれに合わせています)です。自身の体験を書かれているので、共感できる点がとても多いです。
本を読んでいくと、作者が度々読者(躁鬱人)の考えていることが分かるよ、とまるで預言者のように言っている部分があります。しかも、これが本当に当たっていて、占いとか、あるいは精神科医の言葉よりも聞いていて腑に落ちます。
とくに、作者が考えた『鬱の奥義』は、グッと本の内容に集中させられます。
②自分はおかしくても良いと思える
躁鬱人は世間一般の人とは違います。
特に我慢したり、何かを最後までやり遂げるという常識が全く合わない。
例えば、会社に入ったら3年は必ず通えという言葉も、躁鬱人にとっては有害になります。そうやって何かに縛られるよりも、色々なことに手を伸ばして、飽きたらすぐ辞めて、ふらふら歩いているのが良いそうです。
私自身、とても中途半端で気分屋な性格なので、それをどうにか直そうとしています。
けれど何度やっても元通りになってしまい、「自分のバカ!」って自己嫌悪しています。ただ、そもそも直そうとしなくて良かったみたいです。それよりも、私の好きな散歩とか、ブログで文章を書くとか、そうやって楽しいと思えることをやるのが良いみたいですね。
③『神田橋語録に出会える』
神田橋語録とは、精神科医の神田橋さんの口述であり、インターネットで調べればPDFで見ることができます。そこには、躁鬱人の特徴が書かれています。神田橋さん自身は病気ではないのですが、躁鬱のことものすごく分かっているな!と非常に驚きます。
「人の顔色を見て気を使うといった平和指向型なので、他者との敵対関係には長くは耐えられません」
「自分らしさや自分の長所が失われた時が要注意です」
まさに私のことだ!と思えた言葉です。
中でも一番グッときたのが次の言葉。
本当に、これなんですよね。
②自分はおかしくても良いと思えるでも書きましたが、世間は続けることが大事という風潮で、続けることができないという躁鬱は、かなり逆風が強いです。「なんで自分はできないんだ」って何度も泣いてしまう自分がいます。でも、それは躁鬱人にとっての性格なのだから、仕方がないのですね。それよりも、あちこち手を伸ばしていく方が、よっぽど自分にとって嬉しいことなんですね。
以上、
①共感できる内容が多い
②自分はおかしくても良いと思える
③『神田橋語録』に出会える
この3ポイントで、おすすめを紹介させていただきました。
作者の坂口恭平さんは他にも本を出していたり、SNSを投稿していますので、それを読んでも面白いですよ!