海野雅威さんが選ぶ、ホテルで2024冬に聴きたいJAZZの名盤
ホテルで聴きたいJAZZとは何か?
海野さんが今回ホテルの冬をイメージしながらセレクトしてくれたのはビル・ウィザーズの「Menagerie」。
ジャズというよりはソウルミュージックからの選盤で海野雅威さんのジャンルにこだわらない選曲に触れることが出来たのが嬉しい1枚。
今企画はホテルで聴きたいJAZZではあるのですが、カテゴリーを超えて海野さんには選んでもらっています。
1曲目の「Lovely Day」などは色んなところで耳にする名曲です。
他にもこのアルバムから海野さんがコメントに挙げてくれたのは「Wintertime」
クリフォード・コールターが弾く印象的なシンセのアレンジに共感を覚えたとのこと。
このアルバムをホテルで聴きながらシャンパンを部屋に持ち込んで、あるいはルームサービスで頼んで聞き込んで欲しいと思います。
ずっと上がっていけるアルバムです。
1930年代録音のこの時代のあたたかさを”今”に
あたたかでそれで哀愁の漂う音色はトランペット、そして声を聴けば一発で分かるサッチモことルイ・アームストロング。
海野雅威さんが2枚目としてセレクトしたのはルイ・アームストロングの「A Rare Batch Of Satch Louis Armstrong」でした。
このアルバムはサブスクのサービスには見つけることが出来ませんでした。
聴きたいなぁと思ったらJR九州ステーションホテル小倉へ宿泊してラウンジをご利用ください。
ホテルのラウンジ「De La Gare(ドゥラガール)」で海野雅威さんがセレクトしたレコードを聴くことができます。
海野さんのコメントにもありますが”しんしんと雪が降り積もる中、家の中では暖かい暖炉を囲む家族の団欒を感じます”
このコメントは「Snowball」に対して。
昔の古き良きアメリカの映画を空想させてくれます。
ソウルミュージックに参加するジャズミュージシャンのサウンド
そして3枚目は海野雅威さんがまさにソウルミュージック!と言ってますが、インプレッションズの「Keep On Pushing」
ソウルミュージックでありながら演奏に関わるジャズミュージシャンの魅力に注目しています。
そしてインプレッションズはあのカーティス・メイフィールドがいたグループであったことを恥ずかしながらこのレコードを通して知ることに…
私もこの仕事を始めた時、絶対好きになるからと業界の先輩に教えてもらって本当に聴き込んで大好きだったカーティス・メイフィールド。
彼のソロ活動の前に活動していたグループがインプレッションズとは!
このアルバムを聴いた瞬間に反射的に”好き!”と反応するのも無理がないわけです。
そして多くのミュージシャンにも影響を与えジャマイカではボブ・マーリーが大ファンであったと。
カーティスはレゲエのルーツの一部と言って良いほどの貢献をしています、と海野さんも言っています。
このレコードを聴き込んでこのレコードに関連する多くのミュージシャンのレコードへ繋いで聴いていくと素晴らしい音楽との出会いに繋がるかも。
タッチの軽やかさに注目して聴きたい1枚
そして4枚目はアーマッド・ジャマルのライブアルバム「Live At The Alhambra」
ピアノの鍵盤のタッチがリズミカルで軽やかで、聴いているととても心地よくなってきます。
このアルバムを楽しんでから海野雅威さんのオリジナルアルバムを聴いてみると海野さんのルーツにも出会えるのかもしれないそんな気持ちになってきます。
ピアノとギターのデュオアルバム
ビル・エヴァンスとジムホールによる「Undercurrent」
海野さんのコメントでも
”何度聴いても完璧でこれを超えるテイクは存在しないと断言できてしまいそうな世紀の名演「My Funny Valentine」。通常バラードで演奏されるこの曲での意外なアップテンポでの解釈、テレパシーとしか表現できない程の一糸乱れぬシンコペーションの合い方、否応なしに興奮が高まります。”
とありますが、この解説を読んでから聴くとあらためてこの曲の素晴らしさが分かるような気もします。
そしてこのアルバムジャケット、1962年のクリエイティブ、恐るべしです。
ホテルで少し豊かな時間を設け、世界で活躍するジャズピアニスト、海野雅威さんのセレクトするジャズの名盤にも耳を傾けてほしいと思います。