中国風ニラ粥(韮菜粥)のレシピ( 血行促進、冷え性の改善、疲労回復に )
こんなシンプルな材料で、ここまでおいしくなるの…?タネや仕掛けを疑われる、絶品おかゆをご紹介します。
このニラ粥のレシピは、中国のおかゆの作り方をベースに、作りやすくアレンジをしたものです。
最大のポイントは、ニラとお米をごま油でコーティングしてから煮込むこと。
油を使ったのに、油っこさはゼロ。これがすごい。油が旨味を作るのです。
ごま油と組んだニラは力強く、旨味の強さが、日本式のおかゆのそれとは別格です。奥底から身体が温まりますよ。
シンプルで奥が深い「中国風ニラ粥(韮菜粥)」
生米からつくるので、炊いたご飯のストックがなくても大丈夫。じっくり火を入れるため、ふっくらおいしいおかゆになります。完成まで50分〜1時間ほどかかりますが、多くの時間は放置ができるのでそれほど手間はかかりません。
記事の後半では写真とともに詳しい作り方をご説明いたします!
【 材料 】(2人前)
▶︎ 生米 ・・・1/2合
▶︎ 水 ・・・700ml
▶︎ ニラ ・・・1/2束
▶︎ ごま油 ・・・小さじ1
▶︎ 塩 ・・・小さじ1/2
お好みで
▷ 卵黄
【 レシピ 】
①厚手の鍋に5cm幅に切ったニラ、よく研いだ米、ごま油を入れて混ぜる。
水700mlを入れる。
②フタをせずに、鍋を中火にかける。
③お鍋の白い泡がふつふつとしてきたら、鍋底から米粒をはがすようにおたまでゆっくりまぜる。弱火に30分かける。
④塩で味をととのえる。鍋全体をゆっくりとまぜて火を止める。フタをして10分蒸らす。お好みで卵黄とともに器に盛りつけたら、完成!
【 つくりかた (写真つき)】
ここからは写真とともに詳しい作り方を解説いたします!
①準備
焦げつきにくい厚手のお鍋に、5cm幅に切ったニラ、よく研いだ生米(1/2合)、ごま油(小さじ1)を入れてざっくりと混ぜます。
早くも今回のおかゆの最大のポイント!ごま油でのコーティング作業です。
先ほどのお鍋に、水を700ml入れます。
土鍋は基本的に油を使った調理には向いていません。土鍋を傷めてしまうこともあるので、今回はカレーを作るような大きなお鍋、またはお味噌汁を作るような片手鍋がおすすめです。
②中火
用意ができたら、お鍋の表面がふつふつとするまで中火にかけます。このときフタはしません。
中火は、炎の先端がちょうど鍋底につくくらいの強さです。しっかりと鍋の中心と火の中心を合わせることで、焦げ付きや加熱のムラを防ぐことができます。
③弱火
表面の白い泡がポコポコとし始めたら、おたまで混ぜます。
鍋底に米粒が張りついているので、おたまではがすようにそ〜っとていねいに混ぜます。
吹きこぼれを防止するためにフタに菜箸をはさんだ状態で、30分間弱火にかけます。
写真のようにお箸をはさんでおけば吹きこぼれることはないので、目を離して大丈夫です。忘れないようにタイマーをセットしておきましょう。
④仕上
30分弱火にかけたら、お塩(小さじ1/2〜1)を入れて全体を混ぜて、火を止めます。
全体の水分が均一になるようにゆっくり混ぜます。
10分間、フタをして蒸らします。
すでに食べられる状態ではありますが、しっかり蒸らし時間を確保することで、よりふっくらとしたおかゆに仕上がります。
蒸らしが完了したら、お好みで卵黄とともに盛りつけて、完成です!
す……すごい…この香りは一体…?本当にニラとごま油だけ…?
なんかこう、奥行きがすごいんです。ものすご〜く深い香り、そして味。
にんにくとか、スパイスとか、よくわからないけどなんかすごいダシとか入れたの?というほどにおいしいのです。
毎朝おかゆを食べて舌が肥えた夫も、味から材料を分析できなかった様子。
夫「ニラと……あと何が入っているの?」
私「おかゆはニラとね、ごま油だけなの」
夫「ううん、ダシは?」
私「ダシは入れていないの、本当にニラとごま油だけ」
夫「え、うそ」
ほんとうに、うそ!と言いたくなるくらい、旨味が出るんです。
素材の力、すごい。
ニラは腎の働きを高めてくれるため、疲労回復効果、そして血行促進効果が期待できます。
他にも、風邪予防、肌荒れ解消、冷え性の改善、免疫強化…ニラは本当にパワフルです。
あれ?風邪かな?と嫌な気配がしたときに「ニラ粥」。おすすめ星5です。
ニラ粥探求!
今回のニラ粥探求のきっかけは、小林カツ代さんのレシピでした。
『美人粥』という本にのっていた「にら粥」がとってもおいしそうで…
P.57
スープで炊いたの?と何度も聞き返されるほど、にらのうまみが秀逸です
ーー『美人粥』小林カツ代、2001年、文化出版局
小林さんのレシピのざっくりとした作り方は、ニラを油でコーティングしてから、お米を入れ、煮込み、お湯で伸ばすというもの。
私の知る限り、この「油でコーティングしてから煮込む」という部分は広東風のおかゆに近くて(横浜中華街や香港のおかゆはほぼ広東式です)、中国語のレシピを解読しながら、今回の作り方にたどり着きました。
かなりアレンジしたので「中国式」ではなく「中国風」とさせていただきました。
以下、参考にさせていただいた本です。
ありがとうございました。
『美人粥』小林カツ代、2001年、文化出版局
『家常 好粥道 五谷杂粮养生经』瑞雅、2014年、中国人口出版社
『おかゆ』福田浩、山本豊、2002年、柴田書店
ダシとしてごま油を使う……他のおかゆでも試してみようと思います。
今日も長〜いレシピを読んでくださってありがとうございました。
明日もおいしいおかゆを作ります。ごちそうさまでした!