自分の中の他者〜その声は、誰の声ですか?
自分責めが止まらない人は、何故そうなっているのか。そのメカニズムをお話しますね。
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まず、生き辛さ、についてからお話します。
そもそも。
生き辛い人は、なぜ生き辛いか。それは、「自分」が分からなくなっているから生き辛いんです。
生き辛い人は、「自分」との繋がりが切れているんです。
今のあなたが、これが「自分」だと思っている「自分」がいますよね。「自分」はこんな性格のこんな人、とかセルフイメージを持っていますね。神経質で批判的、真面目、引っ込み思案、嫉妬深くて猜疑心がつよい、とか。その「自分」は、本来の自分ではないかもしれません。
これが「自分」だと思っている「自分」は、本来の「自分」ではないかもしれないんです。
「自分」とは、感情と感覚です。感情と感覚こそが、本来の「自分」です。
思考は本来の自分ではありません。
感情と感覚は、生物としての本能や直感のセンサーであり、生きている実感と喜びを感じさせてくれるものです。
生き辛い人は、この本来の「自分」である感情と感覚と切れているんです。だから、自分が分からなくなって、生き辛くなっているんです。
自分を感じられない状態です。
原因は、養育者との関係です。厳しかったり支配的な両親に育てられた人は、恐怖と不安を感じて、養育者から見捨てられないように別の人格を作り出します。いい子の人格です。そして、本来の生き生きした自分は封じ込められてしまいます。
こうして他者依存的な性格ができあがり、自分本来の感覚と感情は閉じていまいます。自分の欲求は分からなくなり、他者にとって快適な自分になろうとします。
これがサバイバルスタイルです。生き残りをかけた苦肉の策で、子ども時代はこのやり方が身を守ってきたのです。
しかし、大人になってからも、いったん身につけたこのやり方を止めることができません。だから、人生が上手くかないのです。
自分が分からないから、生き辛いのです。自分に必要なものが分からず、また必要なものを必要だと言えずに、他人の犠牲になってしまいます。
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切れた感情と感覚につながるには、どうするかということについて、書いています。↓
自分責めが止まらない人は、何故そうなっているのか、お話します。
それは自分の中に取り込んだ養育者が喋っているからです。自分の中に内在化した養育者が、あなたにダメ出ししてくるのです。
その声は、本来のあなたの声ではありません。後天的に取り込んだ他者の声です。
他者の存在が、過酷な批判者となって、あなたを責めているのです。
これが、自分責めのメカニズムなんです。
あなたはもともと、何も悪くないのです。
クライアントさんに、「その声は本来のあなたの声ではありません。誰の声ですか?」と聞いたら、「お父さんの声です」などとお返事されます。分かっていらっしゃるんですね。
で、この過酷な批判者に出ていってもらうには、どうすればいいか、です。
私は、身体とつながることをお勧めします。
こころ、というと抽象的であいまい、掴みどころが無いですよね。
身体こそ、紛れもない自分です。
身体を感じることを、やってみるといいと思います。ヨガなどのボディワーク、散歩でも体操でもいいです。
私は、表情アートセラピーという療法を習いましたが、表現アートのボディに特化したコースを修了したあと、過酷な批判者のガーガーという声がしなくなりました。そして、自分と他人の境界がはっきり感じられるようになりました。さらに、これまでやりたくないけど我慢してやっていた事を止め、付き合いたくないけど我慢して付き合ってきた人とは付き合わなくなりました。
大きな変化がありました。
ですので、身体とつながることは、まさに自分とつながることだと実感しています。
身体とつながることは、ほんとうにお勧めです。
それから、五感が喜ぶことをしましょう。美味しいものを味わって食べる、好きな音楽を聴く、リラックスできる香りを嗅ぐ、などしましょう。
あなたを責めるのは、子どもの時に取り込んだ養育者の声だったのです。他者の声に振り回されていたのです。
あなたを責める声が聞こえたら、「私は何も悪くない」と言い返しましょう。
あなたは、何も悪くないのですから。
本来のあなたに繋がって、あなたらしく自由に生きられるようになったら、いいですね。