子どもの自立について思うこと〜子育て終わったと思ったのに・・・
私は、子どもが小さいうちから「高校卒業したら家を出て自立するのよ」と言ってきた。それが、予定外の事態になっている。苦笑
今、大学生になった息子たちが、予定外にまだ家にいる。こんなはずじゃなかった。笑
二人とも、ロンドンの大学を志望した。二人とも通学圏内。ロンドンは物価高で、大学生が家を出て自立するとなると、学生ローンとバイトだけでは厳しい。家に彼らの部屋もあることだから、まあ、大学生のうちは家にいてもいい・・・ということにした。
子育ては手放すことの連続だ。おむつを変えてあげることを手放し、つないでいた手を放し、持ち物とか学校のこととか手伝ってあげることを手放し、部屋を掃除してあげることを手放し・・・
私は、小学校高学年で、洗濯してあげることも手放し、中学校でお弁当を作ってあげることも手放した。
子どもたちは年齢があがるごとに、「自分でできること」が増えていき、自立していった。
私は、子育てにおいて「手放す」ことは、うまくやってきたと思う。うまくできたのは、手放すことを増やしながら、自分のやりたいこと、仕事を少しずつ増やして行ったから。
自分が暇だったら、子どもに構いたくなるもの。私は、子どもには必要以上にべったりしない程度に、自分のことで忙しい日々を送っていた。
思春期にもなれば、親と距離をとって、自分の世界をもつ。ちょっと冒険やちょっと悪いこともしてみる。そんな時期に、親が目を光らせていると、子どもは息苦しくなる。子どもが、ちょっと危険なこととか、自分の足で歩いてみようとしているときに、親はちょっと片目をつぶるくらいがいい。
それが、親が暇だとどうしても子どもの様子を見てしまうし、口も手も出したくなってしまう。
私は、うまい具合に、自分の仕事で忙しかったから、口も手も出す余裕がなかった。家で仕事してるし、子どもとは毎日話しているから、様子はわかる。この程度なら、放置しても大丈夫、というところは放置する。ちょっとまずいぞ、という様子が見えたら、その時にやっと口を出す。
私が、自分のことで忙しくしたことで、私にとっても、子どもにとっても、お互いの自由が確保され、心地いい距離感で、子どもは自由に行動することができた。
高校卒業して、もう子育て終了!・・・と思った今。
高校卒業すると、社会的にも大人扱い。大学のことも、学生ローンも、銀行やら、何やらの契約やら、手続きやら・・・、親から自由になった分、責任も多い。そして、危険も多い。でもそれはもう、親が関与することではない。
でも、危険度が高くなると・・・その分、わたしの心配事が増える。親の私が手を出したい気持ちも高まる。しかも、息子が高校卒業と同時に、夫が家を出たので、私は前より時間がある。時間がある分、息子のやっていることが気になる。
チャレンジは成長のチャンスだから、子どものチャンスを阻むようなことはしない。小さいころからそう思って子育てをしてきた。
手を出さない。口を出さない。
今、家にいるから、住む場所と食べるものは提供してあげるけど、私がしてあげるのは、それだけ。他のことは手助けしない。
そう自分に言い聞かせる。
家を出て自立していたら、私もこんなに気にならなかったし、言わない、手を出さないと、自制し我慢することもなかった。息子の行動にハラハラ心配する必要もなかった。
卒業まで、と言わず、早めに家から出したほうがいいかもなーーーと思ったりもする。
とりあえず、気にならないくらいに、私ももっと自分の好きなことをやろう。息子の自由獲得は、母の自由獲得だ。
そんなことを思いながらも、オートバイで大学へ向かう息子を見送りつつ、安全運転を祈り、無事に帰ってくる姿を見るたびにほっとする母である。