見出し画像

人との距離感ってすごく大切です。一緒に住んでいる家族はどうしても距離が近くなる。近すぎるくらいに。

夫婦は人生共同体。相手がヘマをやらかしたら、責任の火の粉が私にまで飛んでくる。たとえば夫が借金をしてしまったら、私も共同責任になる。夫の仕事がうまくいかなければ、家族に直接影響がある。

だから、私は保身のための行動をしてきた。夫が借金をつくったりしないように、お金の管理をしたり、未払いのものを払うようにさりげなく期限をリマインドしたり。(我が家では、夫は管理できないひとなので、私が管理係になる。やりたくないけど。)

放っておいて、自分で責任をとらせるようにしたほうがいいのだろうけど、私だけでなく子どもの身を守らないといけないから、酷い状態になる前に手も口も出る。

距離が近いと、難しい。ほんと。

私は、夫と別々の人生を歩むと決めたので、その決意と共に距離ができた。

夫と別居するということは、距離が離れ、私がそのお役目を手放すということ。はい、あなたは自分の好きなようにどうぞ。私はもう知らないからね、と。

夫は、管理してくれる妻の存在がなくなる。つまり自分でやらなきゃいけない。だから自分の責任で物事を考えて行動をし始める。

物理的な距離だけじゃなくて、冷静に相手と状況を見ることができる心理的距離感を保つことも大事。



実はこれ、親子の関係にもいえる。

子どもが悪さをするといけないから、無茶をして怪我をするといけないから、と、未然に防ごうとする。だって、子どもがお行儀悪かったりしたら責められるのはお母さん。怪我をして責められるのもお母さん。責められるだけじゃなくて、怪我したらお母さんはとっても心配だから、未然に防ぎたい。近い存在であればあるほど、じっと見守るのが難しくて、手も口も出したくなる。

危険すぎることは止めてやる必要はある。本当にいけないことは未然に防いだほうがいい。でも、落ちたら怖いからと、上れそうな木に登るのも阻止すると、子どもは体を育てたりチャレンジするチャンスをなくす。

これができるには、子どもと同じ立ち位置、目線にいるのではなく、ちょっと離れて冷静にものごとを見つめられる距離感が必要。



近すぎると、全体像が掴めない。感情的にもなる。ちょっと距離を離してみると、視野が広がる。今の現状だけじゃなくて、子どもの5年後、10年後、20年後という大きな流れで人間を見ることができるようになる。これも大事。

距離がないと、自分の問題と、子どもの問題を切り離して考えられなくなる。そして感情的になっちゃったりする。


私は子どもにはかなり冷静に、いい距離を保って子育てできたと思う。

それは、もともと小さい子どもにあまり共感がなかったからでもある。(昔からちっちゃい子をみて「かわいーーーー」なんて言うことがない。 笑)もともと冷静な人間でもある。笑

でもそれ以上に、シュタイナー教育を学び人間の成長について知った上で子育てしていたから余裕があったからというのが大きい。

子どもの成長がどういうものかわかっていたし、親として何をしたらいいのかわかって子育てをしていた。今していることが、その先、どんな人間成長に影響していくのかもわかっての子育てで、迷いはなかった。だから冷静でいられた。


子どもへの距離感より、夫婦の距離感のほうが、私には難しいなあ。
と、結婚生活20年くらいでしみじみ思うのです。





こちらのニューズレターでも、教育のことをいろいろ書いています。

良かったらご購読くださいね。 



いいなと思ったら応援しよう!

かよ|ロンドン在住、楽しく人生をクリエイトするシュタイナー教師&経営者 石川華代
よければサポートお願いします。ほっと一休みのコーヒー代にさせていただきます。いつも応援ありがとうございます。