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パーキンソン病とたたかう夫と私たち
そろそろ夫の病気の話です。
夫は約8年前にパーキンソン病と診断されました。まだ40代でした。
病名を明かすことは同じ病気の方にショックを与えてしまうかもと悩みました。しかしこの病気は人それぞれ症状が違っている上に、主人と同じ悩みの方に会ったことがないので、これをきっかけに情報があったらこちらが教えて欲しいと思っています。
パーキンソン病としては少し若く発症してしまった夫は最初の頃はパーキンソン病の薬が良く効いて、これなら普通の暮らしが出来そうだと楽観していました。
自宅から1時間以上かけてラッシュの電車に乗って毎日遅くまで仕事をしていました。休日は趣味も積極的にこなしており、私の計算では、どうやら定年まで働けそうだなと思っていました。
しかし残念ながら早い内からある症状に悩まされます。
それは下肢の痛みです。パーキンソン病は脳内のドーパミンが少なくなって主に運動神経に影響が出ます。一種の誤作動かと思います。
主人の誤作動は筋肉をめちゃめちゃ固くしてしまうと言うところに出ました。これが日に日に強い痛みになっていった様です。痛みって他人にはわからないものですよね。私は足がつった時を思い出して、こんな感じなのかなと想像しています。
パーキンソン病は進行すると足がすくんだり、脱力して動けなくなったりします。それはそれで困った症状だと思いますが、寝ても起きても痛いとなると本当に辛くて、身の置き所がなくなります。
しかしラッキーなことにこの痛みはパーキンソン病の薬でなくすことが出来たのです。夫は仕事を続けるためにこの薬をどんどん増やしました。
パーキンソン病に詳しい方ならこれはまずい方にいっていると気づかれたと思います。
パーキンソン病の薬はつまり少なくなったドーパミンを増やして、身体を動けるようにしてくれると言うことです。ドーパミンって何でしょうね。
私調べによると、「意欲を感じたり、作ったりする。」「快感や、幸福を感じる」などの機能に関係するホルモンの一つだそうです。
つまりパーキンソン病の薬を増やすということは、そういった気持ちを増やすと言い換えることが出来ますね。
夫は痛みを軽くするために薬を沢山飲み、結果、副作用が出てしまいました。とてもやっかいな副作用です。
夫曰く「その時は気持ちが大きくなる」そうです。
夫にその困った副作用が出ていることに私たち家族は全く気づきませんでした。まあそうです。家族の前では隠していたからです。
夫はとても優しい人で、特に子供とお年寄りにはとても親切でした。その代わりちょっと態度の悪い人は嫌いで、自分が、がたいが良かったからかもしれませんが、結構喧嘩もいとわない人でした。(正義の味方のつもり)
最初に変だと思ったのは自分とは何の関係もない駐車違反の取り締まりをしていた警察の方に文句を言ったときです。赤の他人の車なんだからほっておけばいいのになんだか文句を言っています。私は中年になってちょっとガンコになったか…くらいに思っていました。
そして後から思えば薬のせいだったのですが、「浮気」をしました。
気づいたのは、たまたま外にいた私に気づかずに夫がメールをしながら帰ってきたときでした。(今思えばまだガラケーだったな)「何してんの-?」と軽い気持ちで取り上げた私の目に思いがけない内容が飛び込んできました。出会い系サイトみたいでした。
天と地がひっくり返るほど驚くとはこのことでした。いやあまさか自分の旦那がそんなことするとは考えてもいなかったのです。
しかしもっと驚いたのは、怒った私が家を追い出し(笑)、荷物を持たせて実家に帰らせた時に言われるがまま従った事でした。普通ならなんとか言い訳を並べて謝り通して、許してもらおうとするはずだと思いますが、全然それをしないのです。その場にいた息子たちもそのことに驚いていました。
これが薬の副作用だったのです。薬の副作用の欄に性的衝動がある…と書かれています。つまりある意味子供のように欲求に従っただけなので、本人にあまり悪いことをしたという自覚がなかったのです。
しかしこの時はこのことに誰も気づいていません。
まあ、この件は義母にも謝られ、相手もプロ(?)だし、夫は本来真面目な性格だから、もうやらないだろうと一回こっきりと許してあげたのですが、これが薬の副作用とは思ってもいないので、これから先もっと凄いことが起きます。
長くなったので今日はここまでにします。