伝説のこどもたち ゆかちゃん5
長崎大学でのカニングハム先生の講義がはじまりました。「きょうは、□□のお話をする予定でしたが、わざわざ岡山から来られている方がおられるので、FCのはなしをします」
えー!わたしのために、わざわざ講義内容を変えてくださるなんて
アメリカでのビデオを基にFC(faciritated comunication)とは何かという話が始まりました。それは、まさにゆかちゃんとわたしたちが見つけたコミュニケーションと同じでした。当時アメリカでは話題になっており、ファシリテーター(手を持って、くれるひと)と呼ばれる人を養成するコースまでつくられていました。
ビデオで見た女の子も、重度の自閉症でした何事にもわたしは関係ないわというような表情で、空中を見つめています。しかし、机上におかれたタイプライターを前にして座り、お父さんが、その子の肩上5センチほどのところに手をかざすと、突然タイプライターを打ち始めるのです。まるで手品か何かのように見えるその現象に対して、科学者たちは、お父さんのように手をかざしたり、女の子の手を取ったりして、なんらかの反応を引き出そうとしていました。なにも変わりはありませんでした。
カニングハム先生の担当するこどもさんだったので、女の子になぜ、反応しないのかを聞いたそうです。
お話ししたくないから
たしかにそうですよね。お話ししたくないひとに、なんではなしをしなくてはいけないんでしょう。
ゆかちゃんは、「いろんな人に会って、話を聞いてきて」と言いました。この事だったのだと思います。
もうひとつ、おもしろいことがありました。
ゆかちゃんの通っていた学校の校医は、論文を見せてくれた先生でした。わたしの話を聞いて、先生もやってみられたようです。
それがね、突然わたしの手を取って、指をチュウチュウしはじめたのよ。
???
ゆかちゃんは、そんなことをするようなこどもではありません。早速、次の週にゆかちゃんに聞いてみました。
ちゅうちゅうするとやめてくれるかなとおもってやった
という返事でした。
いろんなこと考えてるんだなぁ
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