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動物の言葉がわかる"病気"?ドリトル現象について

みなさん、動物の話すことが分かったら、どんなに素敵だろうか…、なんて思ったことはありませんか?

「いや、知らない方がいいかも…」、という方もいますでしょうか?

"動物の言うことがわかる"と言えば、エディ・マーフィー主演の映画「ドクター・ドリトル」を思い出しますね。

ちなみに、このコメディ映画の元ネタは1920年にアメリカで発刊されたヒュー・ロフティング(Hugh Joh Lofting)作の児童文学、「ドリトル先生(Doctor Dolittle)シリーズ」だそうです。


しかし、動物の言葉がわかる、というのは絵本や映画の中だけのはなしではありません…。

実は精神科には動物の発した鳴き声が、言葉として聞こえる疾患があるのです!

今回は、この不思議な病気について説明したいと思います。


【ドリトル現象とは】

タイトルでは、「動物が言葉がわかる病気?」と書いておりますが、実際は「幻声(幻聴)」です。

したがって、本当に動物が何を言っているのかは分かりません(タイトル詐欺ですみません)。

動物の鳴き声が、"意味のある言葉"のように聞こえる…、という状態です。

精神病理学に機能性幻覚*という幻覚がありますが、これに近いかもしれません。

(*)機能性幻覚 functional hallucination: ある知覚と並行して幻覚が生じること。「(例)水が流れる音が、自分の悪口に聞こえる」

1990年にイギリスのWarneford病院に勤務していたDening医師とWest医師がこの奇妙な幻覚をもつ症例についてまとめております(残念ながらドリトル先生ではありません)。

両医師は児童文学「ドリトル先生」に因んで、この症状をドリトル現象(Dolittle phenomenon)と名付けました。

ここで、Dening医師とWest医師が報告した6症例について簡単に紹介したいと思います。

【6症例について】

The Dolittle phenomenon: hallucinatory voices from animals. Dening TR & West A, Psychopathology, 1990

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/2399302/

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