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【推しの子】と精神医学: 精神科医が各キャラのメンヘラ度&芸能界のメンタルヘルス問題を解説!(後編)

<前編までのあらすじ>
週刊ヤングジャンプの大人気漫画【推しの子】の登場人物について"メンヘラ度"を評価しました。
後編ではさらにヤバ目のキャラたちのメンヘラ度をチェック!
そして芸能界のメンタルヘルス問題について精神科医が解説いたします!
三回目ですが大事なことなので繰り返します。
本記事はネタバレを含みますので、漫画【押しの子】を読んでからのご高覧を推奨いたします!


【推しの子の主要登場人物2】

姫川大輝(ひめかわたいき)

劇団ララライの看板役者
19歳。
帝国演劇賞最優秀男優賞、月9主演俳優。
黒髪でメガネ、いつも気だるそうにしているが、演技のことになると別人のように天才役者ぶりを発揮する。
実はアクアとルビーの異母兄弟
5歳の時に両親が自殺したため養護施設で育つ。
一見クールな印象だが、女好きでおバカな面も...。

【推しの子】第5巻第41話より引用

【メンヘラ度】★

初登場時はちょっと影のある天才役者...ということで、メンヘラーっぽさがぷんぷんしておりました。

実際、金田一(劇団ララライの創始者・代表)は「欠けている奴は良い。欠けている部分を求めるように技術を吸収していく。姫川がまさにそうだった」「まともな人間じゃないやつが真人間のふりをしている」と、姫川が人として欠落していることについて言及しております。

おそらく幼少期に両親が心中し施設で育ったという不幸な生い立ちが、彼の天才的演技の源であったのでしょう。

登場直後の姫川のメンヘラ度はかなりの高得点だったのですが、アクアが異母兄弟とわかると徐々に「お兄さん」っぽくなっていき人間味が出てきました。

そんなわけで、姫川大輝のメンヘラ度は星ひとつ(★)!(いい兄貴です!)


鮫島アビ子(さめじまあびこ)

売れっ子漫画家
22歳。
黒髪でぼさぼさの短髪。
漫画「東京ブレイド」の原作者であり、漫画が舞台化されることを機にアクアらと知り合いになる。
根暗コミュ障で自分でも「漫画がなければ社会不適合なただの引きこもり」と述べる。
漫画に対するこだわりが強く思ったことをなんでも口にするため、アシスタントがすぐ辞めてしまい一人で漫画を描くことが多い。
歯ブラシ二刀流。

【推しの子】第4巻第35話より引用

【メンヘラ度】★★

師匠の吉祥寺頼子をして「こだわりが強く社会性に著しく欠けている人が多い漫画家の中でも極端な方」と言わしめるほど、作品へのこだわりが強い。

また潔癖なところもあり、食後すぐに歯磨きをしないと気が済まないとのこと(しかも歯ブラシ二刀流)。

すなわち強迫傾向という点では作中一二を争うキャラだと思います。

また根暗でコミュ障であり、おそらく社交不安障害の傾向も強いと思います。

22歳と若いのですが無邪気で子供っぽいところもあり、精神年齢は低い印象があります。

強迫性障害と社交不安障害など、診断がつきそうなので鮫島アビ子のメンヘラ度は星ふたつ(★★)!!


姫川愛梨(ひめかわあいり)

女優。
姫川大輝の実母。
黒髪ロングの女性。
大輝が5歳の時に夫である上原清十郎と心中
小児性愛者で神木(後述)が11歳のころに不倫し妊娠する(その時の子供が姫川大輝である)。

【推しの子】第13巻第153話より引用

【メンヘラ度】★★★★

作中の登場回数は多くない為、十分な分析はできませんが、小児性愛者で22歳時に11歳の神木と子供をこさえる...という設定は、【推しの子】という作品全体を吐き気を催すぐらい重苦しくしております。

愛梨自身、性的虐待の被害者でありそれゆえの歪んだ性癖...、という芸能界における負の連鎖の犠牲者とも言えますがそれでもこれは酷すぎる...。

ちなみに米国の精神科診断基準DSM-5によると小児性愛障害は「少なくとも6ヶ月間にわたり思春期前の子どもまたは複数の子供(通常13歳以下)との性行為(以下略)...とあり、愛梨は小児性愛障害に該当いたします。

少しの登場ですが愛梨の心の闇は深い...、ということで星は4つです(★★★★)!!!!


菅野良介(すがのりょうすけ)

都内在住の大学生。
星野アイの熱烈なファン(ストーカー)であり、第一話でアクアの前世である「雨宮吾郎」を殺害
さらに出産後アイドルとして復帰したアイをナイフで刺殺。
その後、恋人だったニノ(後述)に責められ自殺する。

【推しの子】第13巻第159話より

【メンヘラ度】★★★★★

もともとアイが所属する「B小町」のニノ(新野冬子)のファンでありニノと付き合っていたが、途中からアイの大ファンになる。

勝手にファンになっておきながら、アイが妊娠しアイドル活動を休止することを知ると、憎悪を抱く自己中心的な男。

作中、生い立ち等詳細な描写がないため評価は難しいですが、二人殺して自殺している時点で相当ヤバイ奴です。

ということで、メンヘラ度は星5つ(★★★★★)!!!!


新野冬子(にいのふゆこ)

アイドルグループ「B小町」の元メンバーの一人
愛称はニノ。
アイと同じぐらいの年齢とすれば30代前半ぐらい?
自分のファンであった菅野良介がアイ推しに変わりアイを敵視するも、そのアイドル性に惹かれ愛憎複雑な想いを抱く
アイ殺害に関与し、さらに菅野良介を自殺に追いやる...。

【推しの子】第13巻第155話より引用

【メンヘラ度】★★★★★

菅野良介と同様に、アイ殺害に加担した一人。

良介をアイに奪われたと思い(良介が勝手に推し変しただけなのだが...)アイを憎む一方、アイに対する憧れは"崇拝"という言葉がぴったりであり、自室に貼ったB小町のポスターを、アイと自分以外のメンバーを黒く塗りつぶすなど狂気じみているます。

また恋人である良介を自殺に追いやり、さらにアイドルとして人気絶頂を迎えようとするルビーを「アイ以上のアイドルなんていてはいけない」という身勝手な理由で殺そうとするなど相当ヤバイやつです!

ということで、新野冬子のメンヘラ度は星5つ(★★★★★)!!!!


神木輝(かみきひかる)

神木プロダクション代表取締役
31歳。
アクアとルビーの実の父親(同時に姫川大輝の父親)。
アクアそっくりな外見で、両目に黒く輝く星が特徴的。
元劇団ララライの役者で、その時星野アイと知り合いう(当時15歳)。
一見温和で好青年に見えるが中身はドクズ。
アクアはアイ殺害の黒幕と見ているが...。

【推しの子】第13巻第159話より引用

【メンヘラ度】★★★★★★★

作中最も危険で最もメンヘラ度が高い人物が神木輝です!

10代の頃から小児性愛者の姫川愛梨に性的虐待を受け、なんと11歳の若さで愛梨との間に子供をつくる...(その子供が姫川大輝)!!

アイとは15歳の時に知り合い子供をつくるが(アクアとルビー)、アイから別れを告げられてからアイ殺害を決心する。

アイに対するしがみつき(理想化)と逆恨み(脱価値化)は行動は境界性パーソナリティ障害のように見え、また女優の片寄ゆらを殺害することに悦びを感じるなど反社会性パーソナリティ障害やサディズムの併存が伺える。

自らは手を下さず、精神的に弱った者を煽り人を殺させる...、一種のマインドコントロールにより菅野良介と新野冬子にアイの殺害を実行させます。

「下劣で利己的な嘘つき お前は人殺しよりも醜悪だ」と息子であるアクアに盛大にディスられますが、まさにサイコパス

ということで、神木輝のメンヘラ度は最凶の星7つ(★★★★★★★)!!!!


【芸能界とメンタルヘルスの問題】

【推しの子】の主要登場人物のメンヘラ度について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?

小生の独断と偏見をもとに★をつけましたが、主要人物のほとんどがメンタルヘルスの問題を抱えているように見えます。

とはいえ、「所詮マンガだからでしょ?」と冷ややかな反応をする方もいらっしゃるとおもいます。

確かにマンガという創作の中の登場人物を対象としているため、やや大げさに評価したことは否定しません。

だがしかし、実は芸能界とは本当にメンタルを病むヤバい世界のようです。

ここからのパートでは芸能界におけるメンタルヘルス問題について文献等を踏まえて解説いたします!


【子役のメンタルヘルスについて: チャイルドスター症候群】

登場人物のところでもご紹介しましたが、主人公のアクアと友人(?)有馬かなは幼少期より芸能活動をする所謂「子役」だったキャラクターです。

アクアについては「前世の記憶を持つ」という異質なキャラなので精神医学的には考察が難しいのですが、有馬かなについては少々あやうい感じがしました。

幼少の頃から芸能人としてチヤホヤされれば「天狗」になってしまうのは容易に想像できますが、売れなくなった子役が必死に芸能界にしがみつこうとする姿はなんとも切ない...。

多感な時期を魑魅魍魎たる芸能界で過ごすことは心身の健全な成長に芳しくないということは、どうやら日本だけではなくマスメディア先進国である米国でも社会問題の一つとして捉えらているようです。

例えば古くは1998年に米国の子役74名を対象とした調査によると、子役たちは母親のことを思いやりがなく支配的と捉えやすく、特に母親がマネージャーをしている場合にはその傾向が強まるとの結果が出ております(Rapport LJ, J Pers Assess, 1998)。

また同研究では子役たちがのちに薬物依存やアルコール依存に陥るリスクは一般人口よりも高いことを示しました。

個別の例に注目するならば、米国のテレビドラマ「フルハウス」に登場した双子の姉妹、メアリー=ケイト・オルセンは18歳時に摂食障害のため精神科に入院しており、また薬物依存に苦しんでおりました。

映画「ホームアローン」の主役マコーレ・カルキン薬物依存に陥り、その変貌ぶりが周囲を驚かせております。

最近では、映画「ハリーポッター」の悪役マルフォイ役を演じたトム・フェルトン20代でアルコール依存症になり入院した経験があるそうです。

このようにスターとなった子役がその後人生において大きなトラブルを抱え不幸になることを、「チャイルドスター症候群(またはチャイルドアクター症候群)」と俗にいうそうですが、有馬かなの不安定さはおそらく本症候群に該当するのではないでしょうか。

子役たちは"本当の自分"ではなく"みんなが好きな自分"を演じ続けなくてはならず、その中で生じる葛藤は有馬かなを蝕んだのではないでしょうか。

↓映画「ホームアローン」、名作ですよね!


【リアリティーショーとメンタルヘルス】

第3巻21話から登場する黒川あかねは、事務所の意向により恋愛リアリティーショー"今からガチ恋♡はじめます(今ガチ)"に出演することになります。

リアリティーショー(リアリティ番組)とは、おもに一般人(素人)が参加する"台本がないドラマ(だが演出はある)"であり、出演者の生の反応や人間関係、アクシデント・トラブルを見せる番組です。

もともと控えめでおとなしい性格のため番組内では目立たない黒川あかねは存在感(爪痕を残すために)を出すため、番組の中心人物である鷲見ゆきの恋敵役を"演じ"ます。

しかし、撮影中に誤ってゆきの顔に引っ掻き傷を作ってしまいます。

そのシーンがきっかけとなり、黒川あかねはネットで叩かれ、いわゆる「炎上」状態となります。

憔悴した黒川は歩道橋の上から飛び降り自殺を試みようとするまで追い詰められます...。

"リアリティーショーで自殺"と聞いて皆様も2020年に自死した木村花さんを思い出すのでは無いでしょうか?

木村花さんはフジテレビの「テラスハウス」というリアリティーショーでの言動がきっかけでネット炎上し、その後自ら命を断ちました。

リアリティーショーが台本のない生の反応を売りにしているとは言え、おそらくテレビ局側の"演出"はあったと思いますが、視聴者はそんなことはお構いなく思う存分木村花さんを叩き、その結果彼女は絶望して自殺したと言われております。

実は【推しの子】の中でも指摘されておりますが、リアリティーショーは海外でも出演者が自殺しており、例えばイギリスのリアリティショー「LOVE ISLAND」の出演者は2020年の時点で3名もの出演者が自殺しております。

また諸説ありますが「恋愛リアリティーショー」の回はこの木村花さんの自死をオマージュして作成されたのでは...と言われております(原作者は事件が起こる前に構想を練っていたとコメントしているそうですが...)。

木村花さんが自死して約半年後にヤングジャンプで掲載された時はあまり注目されませんでしたが、【推しの子】がアニメ化された時には物議を醸し、特に木村花さんの母親が「傷つくことは想像できないのか」と本作を批判しました。

非常にデリケートな問題ではありますが、このことをきっかけに出演者のメンタルヘルスに十分配慮した上で番組が作成されることに期待しております。

↓昔、テンプテーション・アイランドというリアリティーショーがケーブルテレビで放送されてました。残念ながら当時のものはありませんが、最近メキシコ版ができたそうです🌵

【原作者と脚本家の対立】

これは【推しの子】の"2.5次元舞台編"で描かれておりましたが、漫画原作者と脚本家の対立はしばしばあるようです。

アクアが出演する舞台「東京ブレイド」の原作者、鮫島アビ子は舞台の出来に憤慨し脚本家のGOAの降板を要求します。

著作者人格権には同一性保持権があり、原作者の許可なしに舞台をすることは不可能であるため、プロデューサーの雷田も頭を抱えます...。

このエピソード自体は特にメンタルヘルスの問題は描かれておりませんでしたが、昨年原作者と脚本家の対立から原作者の自殺という悲しい事件がおこりました。

漫画「セクシー田中さん」の原作者芦原妃名子さんが、TVドラマ化した同作の内容に納得できず、自らが第9話・第10話の脚本を書き、脚本家の相沢友子氏が降板する事態となりました。

芦原妃名子さんの自死の背景には様々な要因があると思いますが、降板させられた相沢友子氏が自らのインスタグラムで呟いた恨み節に一部のフォロワーが同調し、芦原妃名子さんをネットで叩いたせい...と言われております。

そうです、リアリティーショー同様ここでも"ネット炎上"がきっかけで関係者が自ら命をたったのです。

【推しの子】では原作者よりも、脚本家の方が精神的にキツイ状態に陥りますが、最終的にはプロデューサーの取りなしで双方が納得する舞台脚本が出来上がります。

芦原妃名子さんと相沢友子氏の間にもTV局の関係者が間にうまく入っていれば悲劇は起きなかったかもしれません。

鮫島アビ子の師である吉祥寺頼子がこの事件を象徴するような言葉を残しております。

物語って言うのはね 人を殺すことすら出来るものなの。
だからこそ、物語を描く者にはその一文字一文字に相応の責任が求められる。

第15巻第142話より引用

物書きとしての責任…、本当にその通りだと感じました。


↓漫画「セクシー田中さん」、面白かったのですがTV版は見てません…。


【アクアのPTSDとパニック発作】

作中ではっきりとした精神科的診断がつき、治療を受けていたのはアクアだけです。

第5章「2.5次元舞台編」で明らかになりますが、主人公のアクアはPTSDとパニック発作に悩んでいました。

PTSDとは命が脅かされるような出来事をきっかけに、フラッシュバックや回避症状や精神的に不安定になる精神疾患です。

またパニック発作は極めて強い不安、苦痛、恐怖などが短時間持続し、その結果、動悸、過呼吸、発汗、窒息感、めまいなどを生じる状態です。

そしてPTSDの症状が重篤な場合、フラッシュバックの際にパニック発作を伴うことがしばしばあります。

アクアは幼少の頃、母親のアイがストーカーによって殺害される場面を目撃しております。

それ以来、"フラッシュバック"と"パニック発作"に悩まされ、カウンセリングをしばらく受けていたそうです。

ちなみにここで注意して欲しいのは、アクアの症状から「パニック障害」という診断はつきません。

パニック障害はきっかけや前触れなく突然生じるのが特徴です。

しかしアクアの場合、救えなかったアイへの罪悪感が発作のトリガーとなっており、従ってパニック障害とは言えないのです。

ところでこのパニック障害(あるいはパニック発作)は有名人にめちゃくちゃ多い疾患です。

一般人口と比較した研究はありませんが、英語版wikipediaには”list of people with an anxiety disorder”というリストがあり、80名近くの有名人の名前が掲載されているぐらいです。

日本人でもKinki Kidsの堂本剛さんやDragon Ashの降谷建志さんなどがパニック障害であることを公表してますよね。

芸能人にパニック障害が多い理由は様々ありますが、その理由としては常に人から注目され緊張した状態が続く、生活が不規則、カフェインやタバコ・お酒などの刺激物を取りやすい、などが考えられます。

華やかな世界で生きる彼ら・彼女らも大きな困難を抱えているのですね...。


↓実写版の「推しの子」も興味深いですね!


【鹿冶の考察】

今回のnote記事、いかがでしたでしょうか?

人気マンガ【推しの子】のキャラクターのメンヘラ度および芸能界におけるメンタルヘルス問題について解説いましたが、やはり闇が深いですよね...😱

魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿…、すなわち芸能界の闇を描いた漫画が【推しの子】なのです。

...しかし、ここで小生はちょっと疑問に思いました。

それは、「芸能界に入って心を病むのか、それとも心を病んだひとが芸能界に入るのか?」という問いです。

残念ながらこの問いに答える科学的論文はありません。

しかし、あくまで小生の私見ですが両方当てはまると感じます。

芸能人の多くは常に好奇の眼差しにさらされ、プライベートでも気を休めることが難しく、心理的ストレス(プレッシャー)は非常に高い職業といえます。

さらに、売れっ子になればスケジュールが過密となり、十分な睡眠時間も取れなくなります(移動時間の仮眠で済ます…、なんて話もよく聞きます)。

このように芸能界は高いストレスを伴う業界であり、従って芸能界に入るということはメンタルヘルスにとってハイリスクなことだと言えましょう。

その一方で、元々メンタルヘルスに問題を抱える人が芸能界に足を踏み入れやすいという可能性も考えられます。

そもそも芸能人は自己顕示欲の強くないと選ばない職業なので、自己愛性パーソナリティの特性がある人がほとんどではないでしょうか(自分大好き)?

さらにADHD、躁病などの多動性・活動性を特徴とする精神疾患は芸能界への親和性は高い疾患といえます(アイやルビーはまさにADHDの傾向がありましたね)。

また、これは芸能人だけでなく芸術家など"表現者"に共通の特性ですが、その多くがより高い完成度を追求する強迫性を持っております(納得がいくまでやり込む傾向)。

つまり芸能人は自己愛性パーソナリティ障害、ADHD、躁病、強迫性障害などの特性を持つ人々が多い集団だと推測いたします。


<欠けた奴がいい>

作中、精神疾患をもつ人が芸能界に親和性があることを示唆した描写があります。

それは作中のキーパーソンの一人である金田一敏朗が発した言葉です。

「欠けてる奴は良い 欠けてる部分を求める様に技術を吸収していく マトモな人間じゃ無い奴が真人間のフリをしている」

芸能人をはじめとする表現者って、結局は普通の精神では高みにいけないということを意味していると思うのですが皆様はどのように思いますか?


↓【推しの子】の最終巻、是非読んでみてください!


【参考文献】

1.Childhood celebrity, parental attachment, and adult adjustment: the young performers study. Rapport LJ and Meleen M, J Pers Assess, 1998

2.Myself or someone like me: a review of the literature on the psychological well-being of child actors. Anderson LM, Med Probl Perform Art, 2011

3.多くの子供スターがPTSDを発症するのはなぜですか?Paracelsus revoery.

4.List of people with an anxiety disorder: wikipedia

https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_people_with_an_anxiety_disorder#:~:text=Adele%20(born%201988)%2C%20English,struggled%20with%20depression%20and%20anxiety.

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精神科医・鹿冶梟介(かやほうすけ)
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