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29.Sep.2011 (Thu) - Sarajevo, Bosnia and Herzegovina

紛争の跡が色濃く残る街、サラエボ。
そして第一次世界大戦のきっかけとなった事件の現場。

そういった暗い背景があるにもかかわらず、好きな街の一つ。
たぶん住んでいる人たちの印象が、そうさせてくれたんやろね。

建物に銃痕が残っていたり、崩れているところのある住宅。
それでも、人の表情は穏やかで暖かい印象やった。

とはいえこの街を語るには、あの話をせんと。

"電車やバスの到着時刻に合わせて、一人の老婆が日本人を待っている。
「今夜の宿はどうするの?よかったらうちの家に泊まりに来る?」
手厚くもてなしてもらい、用意された寝室で就寝。
夜も更けたころ、壁の隠し扉からその老婆が入ってきてそのままベッドに…"

2011年の9月下旬。
この街の宿を調べていたころ、こんな情報がウェブ上でいくつか見られた。

サラエボの駅に到着時、いたら面白いなと思いながら見渡すも、
もちろんそんな都市伝説みたいなことあるわけもなく。

…のはずやったんやけど…

予約しておいた宿、建物の上階とのことでエレベーターに向かう。
するとその前には、一人の年配の女性が佇んでいた。
すれ違い様、かけられた言葉は…

「日本人?今夜はどこに泊まるの?」

嘘のようなほんまの話。
話のイメージよりも若く、柔らかい表情した方やったな。
もちろんその女性が噂の人物かどうか、今となっては知るすべもない。


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