騙される方が悪い。どころではなく
「騙される方が悪い」という言葉がある。騙すという犯罪行為を正当化するこの言葉は、今やもっと凶悪になって現代に居座っている。騙される方が実際に悪いかどうかは別にして、それどころか今は、騙す者に出会う方が悪いのだ。そんな相手と出会ってしまった悪運を、もはや現代は自己責任として処理している。
なぜならそれは、他人事だからだ。
自分や自分に近しい人が被害者でないのならばどうでもいい。助ける必要も、同情する意味もない。まさに「〜の方が悪い。」よ精神だ。そうやって加害者がいることを「仕方がない」と処理をして心を落ち着ける。辛い出来事から目を背ける。その結果が、「悪運の自己責任化」なのだ。
もはや、「騙される方が悪い」ではない。「騙される運命を持っているのが悪い」のだ。その人生の偶然さえ、「お前の能力なのだから諦めろ」がまかり通る。被害とは弱さである。騙されることとは弱者の証明なのである。
そうやって現代は表向きには平穏さを保ち、ますます、凶悪なん自己責任の被害を広げていく。
そこに「悪さ」を止める者はなく。
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