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大は小を兼ねるの勘違い

 大きければ大きいほどいい。その方が得だ。特にデメリットがなければ、小さくある必要がない。大きくあることはそれだけ豊かで、余裕があって、理想的だと思える。
 けれど、大きいことはともかくとして、大きいことを目指すことはいつでも歓迎されない。というよりも、大は小を兼ねるという考え方そのものに、明確な間違いがあるのだ。大きいものがあれば、小さいものはいらないはずはない。なぜなら、小さいものは大きいものを構成する1つ1つだからである。

 つまり、むしろ小さいものこそ、大きいものにとってなくてはならない存在なのだ。そのため大は小を兼ねるというのはおかしい。小こそ、大が存在するための重要事項と言える。
 すると、私達は小を蔑ろにすることなど考えつくはずもない。あるいはどちらでもいい時にとりあえず大を選ぶことを、一考するはずだ。そうでなければ私達は、ただ大きいということにとらわれて、小という1つ1つを軽いものだと捉えてしまう。そこに根拠はないのに。

 そういう意味で、大は小を兼ねるは嘘っぱちである。それは勘違いを生む危うい言葉だ。大は小を兼ねない。兼ねていると思うのは、その大きさしか見ていないからだ。そのような視点は、私達の判断を曇らせる。

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