【読書感想】『神薙虚無最後の事件』/紺野天龍
今回読んだ本は、2022年5月刊行(!)という新刊ミステリー小説。QuizKnock河村さん(ご結婚おめでとうございます!)がTwitterで紹介していた本です。「多重解決ミステリ」というジャンルに初めて足を踏み入れてみました!以下、ネタバレありの感想です!
以下、激しくネタバレを含みます。ご注意ください。
えーと何から触れようかな...まずは本筋とは関係ないところで、「口語表現の斬新さ」がちょっと衝撃的でした。いわゆる「話し言葉」ですね、とっても現代的だなと感じました。出版された直後の新刊っていうのも相まって、「うおお、新しいっ!」ってなりました。
「多重解決ミステリ」ということで、「推理発表会」が開催されることが決まった段階で、ラスボスは来栖さんかな、と思いました。前日に来栖さんに唐突にメイド服まで着せたのに、「推理発表会」では一向に触れらぬままの「リバースクラウン」。クライマックスで出てきたと思ったら、に、肉球!?
3人の推理もツッコミどころがまあまあありましたね。瀬々良木については第五、第六の謎について言及していないので目標未達。雲雀についてはステンドグラスの付け替えですか。付け替えるタイミングでは、窓は既に地上よりはるか上にあるのでは?金剛寺の鏡のサイズについては自分もすぐに気づきました。元車椅子ユーザーなので(笑)。車椅子で何十か所ものエレベーターに乗りましたが、背面がまるごと鏡っていうのは経験がないです。
神薙虚無=星河かぐや。この二人に御剣大を含めた三人の会話ややり取りを読み返してみましたが、うーん、同一人物ですか・・・。すっきりしない(笑)。「うわ、騙されてた!そういうことか!」という感覚というより、「そんなんアリかよ(笑)」という感覚に近いです。
炎上するオルゴール館に取り残された沖影を救い出すために館に戻る神薙と星河(実際は一人)。ここで沖影と星河が隠しシェルターに入り込んで一命をとりとめるわけですが、今にも焼け落ちそうな館の中でそんなの見つけられる?とモヤモヤしてた点だけは、最後の推理によって辻褄があったのでよかったです。おそらくですが、死を待っていた沖影の元に星河がやってきたため、沖影がやむなくシェルターを開けて星河を誘導したのでしょう。
御剣大の都合のいい記憶喪失の件(結局嘘なんかい!)も、瀬々良木歩けば唯に当たる?な二人のエンカウント率も、来栖さんのメイド服も、、、少々設定に強引な点が多かった分、斜に構えてしまったかな?自分。
「エーデルワイス」は、小学生の時に学芸会で歌った(歌詞も英語で)思い出の曲なんですよね。というわけで、久遠寺写楽の部屋で流れていた「エーデルワイス」で締めたいと思います!
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