第49回研究会「テロワールはローカルの食実践・感覚を捉えきれるか」(深谷拓未さん)
第49回かわきゅう研究会は、2023年6月13日(火)に京都大学農学部総合館で開催しました。今回は、深谷 拓未さん(京都大学大学院 人間・環境学研究科 博士後期課程)に「テロワールはローカルの食実践・感覚を捉えきれるか イタリア・トスカーナのワイン生産を事例としたテロワール論の人類学的論考」という題でご報告いただきました。
参加者は会場が13人(報告者含む)、オンラインが9人で、報告とその後のディスカッションを計2時間ほど行いました。
報告はイタリアのトスカーナ州での住み込みのフィールド調査に基づく内容でした。トスカーナ州におけるワイン生産について、「政治制度」「道具」「醸造」「観光と食」の4つの観点からテロワール論における感覚の在り方を捉えなおそうとするものです。
報告では、ワイン生産を取り巻く多層的で限定的な関係性が提示され、味や味覚が「外部」の市場経済をはじめとした要因を受けても固定的といえるのか、という新たな問いを投げかける形で結ばれました。
ディスカッションでは、人の知覚体験を科学として証明しようとする近年のテクノロジーのテロワールにおける立ち位置など、様々な疑問や意見が交わされました。
文責:脇侑菜
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