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大河「光る君へ」(35)中宮の涙

 三連休も暑かったですねえ。もう九月も半ばだというのになんなん。まだまだ熱中症警戒モード継続ですが、楽しい秋を迎えるためもうひと頑張りということで、さあ皆さんご一緒に!
 ファイトおおお、いっぱあああつ!!!
※「源氏物語を読みたい80代母」のための企画です。最終回までこの形式で続ける所存。思いっきりネタバレ全開なのでご注意くださいまし。
お喋り役の平安女房ズは以下:
右近(右)、侍従(侍)、王命婦(王)、少納言(少)

侍「ねえねえ右近ちゃあん!」
右「なあに侍従ちゃん!」
侍「右近ちゃんもノリノリじゃん!今回もうタイトルに始まりタイトルに終わるって感じじゃなーい?彰子ちゃまが可愛すぎて尊すぎてもう胸のキュンが止まらないー!!!」
右「突然の彰子ちゃま呼び(笑)確かに、まひろちゃんのアドバイス即実行しちゃう思い切りの良さからして、何かこう一気に何かが開放されて、覚醒した感あるわね」
侍「だよねだよねー!あんなウルウルの熱い目で火の玉ストレートに告られてさあ、ハートを撃ち抜かれない男なんているー?!つか一瞬焦ったわ、また来る!とかいって逃げ帰っちゃってさ帝ってば☆」
王「いや、アレはもう抱きしめる一歩手前よ侍従ちゃん。真昼間だしまひろちゃんいるしで、ギリギリ踏みとどまった。定子様ご存命の頃より大人になられたのねえ帝も」
少「いつもお美しい帝ですが、今回はひときわ輝かれていらっしゃいましたわ(うっとり)なんと白が似合うお方なのでしょう。涙と一緒に積年の想いを迸らせた彰子さま、本当にようございました。あの真っ白な寝屋で、彰子さまの息が止まりそうなほどの胸のときめき、鼓動が聴こえてくるようでしたわ……!」
侍「わかるうーわかりすぎるううう!あのシーンはエロさじゃなく、清らかな恋が実った輝かしさっていうの?光に溢れてたヨネ!!!」
右「彰子さまの光る君はずっと帝だったのよね。紫ちゃんに自己投影してたのは意外だったけど、言われてみれば似たような立場ではある。夫婦がどうとか以前に、恋心すら知らない子供のうちに入内して、お顔をみるのも眩しいような帝に憧れて、ゆっくり恋していったと……エモい」
王「そうね、すごくエモいし感動的だった。ただ、水をさすようで何だけど、紫ちゃんがヒカル王子の妻になった時の描写、どうしてああなったのかしらね?」
少「……そうなんです!私もちょっとそれは頭によぎりました。あの時は大変でしたから……姫も、私たち女房も」
右「まひろちゃんが完全に『イケズな紫式部』化して、じゃあえて男女逆(というか当時ならばこっちが普通)にしてみましょ・あら不思議メッチャ紫ちゃん怒っちゃったわそっかー当然よね、みたいな感じ?」
侍「ちょっとオオオ!この尊い美しい夢をハンマーでぶっ壊さないでえええ!アタシはまだ醒めない夢の中にいたいのオオオ!」
王「おお、藤壺宮さまの名言キタわね(しんみり)」
「ひかるのきみ」若紫 七参照
少「敦康親王さまの今後はどうなりますかしら……母とも姉とも慕う中宮さまが急に離れたようなお気持ちにならないかとドキドキですわ」
右「ラストの『女房は見た』も気になる。道長くんなーにすぐさままひろちゃんに報告しにいってんのバカなの。脇あっまあまの甘」
侍「うわーん!いつものアレ!嵐のヨカーン!!!」

 いやー今回も胸熱シーンテンコ盛りで大興奮でしたね。
 道長の御嶽詣、思っていた以上に某ドリンク剤のCMそのもので笑いました。大河のトレンドに「ファイト一発」が載るなんて、いったい誰が予想したでしょうか。ナイス演出です。近年に発見され、今年国宝となった経筒も埋めるところから登場しましたね!ピッカピカ!

 道長暗殺計画が本当にあったかどうかは謎ですが、参詣前後の道長の動きをみるとどうも何かあったっぽい、らしい。その意味でも、隆家と伊周の兄弟愛とそれ故のすれ違いといいますか、うまくいかない感が絶妙にハマってました。

 そして何気に待ってたエピソード、まひろの弟・惟規と加茂斎院付きの女房との恋バナ!いいですねーいい。お歌が選子内親王の心を打って許された、という展開もしっかり入って、これまでの惟規のちゃっかりキャラ(姉の影に隠れてるが結構優秀)とも合致してて矛盾なし。素晴らしい。
 神垣は 木の丸殿に あらねども 名のりをせねば 人咎めけり
 いつものかわこテキトー訳をしてみる:
 斎院は木の丸殿(天智天皇の隠遁場所)でもあるまいに、名乗らなかったら怒られちゃうって何?
 天智天皇が隠れ住んでいた折に自ら名のることを憚り、相手に先に名乗らせていた、という故事を引いたものらしいですが、本当だとしたらスゴイですね。姉に負けない教養の豊かさと当意即妙の賢さです。
 それと、最後にまた彰子中宮さまの話に戻りますが、今までの帝に対する塩対応といいますか殆ど会話のないあの感じ……光源氏の最初の妻・葵上を彷彿とさせませんか?葵上って、母親がべったり傍につきっぱなしで打ち解けず、妊娠を機に光源氏と距離が縮まったんですよね。うわーうわーそう考えるとまひろイケズうー。すべてを物語の種にしていくその貪欲な創作者っぷり大好きです。ノンストレス・ノンストップでどんどん突き進んでほしい。
 次回はいよいよ「紫式部日記」爆誕。あの謎の日記をどのように書いていったのか、ドラマでの描写楽しみです。
 ではでは、また来週!
<つづく>

「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。