源氏物語を読みたい80代母のために 9
※画像右半分のタペストリーは母の作品。明日10/9より10/11まで、地元でRENEWというイベントも始まります。長田製紙所も工場見学&ショップやりますよ!よろしくです!
うだうだしている間に、はや十月。noteとはずいぶんご無沙汰してしまいました。しかし、その間も着々と「ひかるのきみ」は進んでおります。今「初音」が終わり、次は「胡蝶」です!イエー!
で、もう本としては六冊目まで来たのですが。母にもとっくに送ってあるのですが。
「以前はすいすい読めたのに、何か今回は飛ばし飛ばしで、話はわかったんやけど読みにくかったわ」
がーん!
それはいけない。とてもいけない。
書き手としては理由を明確にしておかねばなりません。以下に思いつくものを上げてみます。
1)書き手側の問題
・本文に忠実な部分と、意訳している部分のバランスが狂った
前者に拘り過ぎたかも。「絵合」以降は特に情景描写や蘊蓄が長め。端折ったり言い換えたりしていいのかどうか迷ったことが多々あった。
・章分けが不適切、登場人物の関係がわかりにくい
この巻ではヒカルは二人の女性(ともに元斎院)を口説くのだが、とにかくヒカルの話が長い。そして場面転換が割と急だったりする。本文だとさほど違和感ないが、現代文としては繋ぎが甘い気はする。この辺り登場人物の呼び名が錯綜するところではあるので、思い切って統一したほうがよかったかも。
・夏に急いで作りすぎた
数年前に熱中症になってからめっきり暑さに弱くなってしまった私。夏にあんまり根を詰めすぎると目眩発作まで起こす脆弱さ。校正が甘かったのかもしれん。みんな暑さが悪いんやー!
2)元のストーリーの問題
・展開がゆったりめ
怒涛の「須磨」「明石」からの流れに比べて、「絵合」以降はのんびりまったり。権力を手中にしたヒカルがブイブイ言わせてますみたいな話と、藤壺の死、そして二人の斎院へのアタック。しかし、若い頃と違ってあんまり無茶をしなくなった中年ヒカルの口説きは、長い上に全然うまくいかないのでどうもパッとしない。正直、書いててもスッキリ感がなくてフラストレーションが溜まった(笑)
・紫式部の学識と趣味が炸裂しすぎ
不動の人気を手にした作者が、この辺りから自身の賢さを如何なく表に出している、気がする。描写など細かくて凄いのだが、興味のない人にとっては退屈なのかもしれない。
3)読み手の問題
あんまりないと思う。あえて言えば、「暑かった」ことに尽きる。とびとびに読んだにしては、大まかなストーリーはちゃんと把握していて、逆に凄いと思った(贔屓目)。
結局どうするか?
ただただ源氏物語が好きだから!の気持ちでやってることなので、目標はひとつ、
完成させること!
なのだ。どうあっても最後まで書かなくては、母が読めない。せっかくここまで読んで来た母には、是非とも宇治十帖のラストまでたどり着いていただきたい。
とりあえず
・人物名をなるべく統一してわかりやすくする
・人間関係や話の流れは、本文になくとも都度説明を入れる
・会話文を多めにする(誰が何を言ってるのかもより明確に)
を心がけ、「ひかるのきみ 漆」(7)を鋭意作成中です。
「ひかるのきみ」は「もの書く日々」で連載中ですが、本にする過程でかなり改変を加えています。比べて読んでみても面白いかもしれません(そのうちそれをネタに記事を書こう、かな…そのうち…)
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「文字として何かを残していくこと」の意味を考えつつ日々書いています。