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#003「営業の赤本」〜どう売るかではなく、なぜ買うのか〜

目から鱗の内容だったのでシェア!


手に取ったきっかけ

竹葉さんの投稿がきっかけで読んでみたいと思った1冊です。「どう売るか」ではなく、「なぜ買うか」に着目した良書です。

全米ベストセラー。著名な営業コンサルトである著者により、営業で成功をつかむ12.5の秘策が明らかにされる。単なるノウハウ論にとどまらず、人間的成長を前提としたコミュニケーション指南書、自己啓発書となっている。主たるターゲットは、20代から40代のセールスマン・ウーマンだが、対人コミュニケーションのスキルを高めたいすべての人に効果的な内容。

https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-0488950



ジェフェリー・ギトマーさんってこんな人

著者の写真があったほうが内容への興味やイメージも湧くので掲載します。ユーモアがあり、かつ文才もあるので非常に読みやすい一冊。2時間くらいで通読できますが、折に触れて繰り返し読んでみたいと思いました。本書では、「売り続けるための12.5原則」や「価値ある人になる6.5原則」など幾度ともなく.5則が登場します。この.5をつけちゃう茶目っ気が私は好きです。


読む前に知りたかったこと

・営業職未経験の身として、営業の心得
・製品開発する上で営業と連携する機会が多いので、営業の人の考え方について知りたかった(接待とかってなんのためにやっているの?)
・「どうやって売るか」ではなく「買いたいと思う心理」について

なぜ買うのか?

さてさて、本題です。なぜ、人は買うのでしょうか。私は1週間以内に自分が買い物した経験を振り返ってみました。魚屋さんでマグロを買いました。気に入っている魚屋さんだったからです。ジェフェリーさんは「なぜ買うのか」についてこう記載しています。

営業担当者を気に入っている
買おうとしているものが理解できる
営業担当者や企業が他と違うと感じる
商品に価値があると感じる
価格が手頃
営業担当者を信用/信頼している
商品とサービスが利益を増やしてくれると思う
営業担当者が私のビジネスの成功に力を貸そうとしてくれるのを感じる

本書から抜粋

なるほど。自分が買い物をする時、好きなお店を選ぶことが確かに多いです。美容院行く時も、気に入っている担当者がいるところをリピートします。「営業担当者(≒会社)」を気に入っているかどうかは商品購入(サービス利用)の大きな一歩になっていることに改めて気づきました。そうなってくると、売る側としては、「気に入ってもらう」ことが大切なのだな〜と実感しました。

「勝つために備えなければ、準備した人に負ける」


DALL-E生成画像その1

営業する前にどんな準備をするべきか。もちろんプレゼン資料のクオリティを高めることも重要です。ジェフェリーさんは、「営業として最も愚かな質問」として3つ挙げています。

③ あなたの会社について教えてください
② わたしの仕事を説明させてください

これらは、準備不足がお客様にすぐに伝わってしまったり、お客様が退屈してしまう質問で、相手にしてくれなくなってしまうのだそうです。確かに。。。ちなみに最も愚かな質問は後の文章のどこかに記載します。

営業する前に少なとも、以下の情報源にアクセスして情報を収集するのがよいと記載しています。

・インターネットで検索。会う予定の人の名前、CEO(+CEOと会う方法)などを最低限押さえておく
・お客様の刊行物。会社の「自慢話」が網羅されていたり自社製品の捉え方を把握できる。
・お客様の納入業者に普段の支払い方法などを聞いて参考にする
・お客様のライバル企業に噂話や過去の競争の経験談などを聞いて、自社の営業時の参考にする
・お客様の顧客に製品の品質や組織、納入など幅広く聞いてみる
・お客様の営業販売部門。営業マンは色々教えてくれることが多い
・Googleで自分自身を検索してみて、お客様にどう映っているのかを把握する

私が賢いなと思ったのは、「納入業者」や「ライバル企業」などを情報源として入れているところでした。普段お客様がどうやって支払いをしているかがわかれば、「このようなお支払い方法はいかがでしょうか」という形で提案できるかもしれないです。ライバル企業というのは度胸あるなと思いました。わからないですけど、家を販売するときに大和ハウスが積水ハウスの営業マンにお客様の情報を交換するかな、そんなことあり得るのかな。と思いました。聞いてみるのはタダ、ということですかね。

これは製品開発流に解釈すると、製品をブラッシュアップする(プレゼン資料を磨く)よりも、お客様のニーズを詳しく分析する(準備)のほうが大切、ということだと感じました。

大切なのは価値と人間関係。価格じゃない

DALL-E生成画像その2

お客様にとって興味があるのは、営業しにきた人の会社の情報ではなく、もたらしてくれるであろう価値。従って、会社紹介資料を持っていくのは効果があまりない。

❌自社の会社の情報を持っていく(これらの情報は捨てられる)
⭕️お客様がどのように利益をあげ、成功するべきかに関する情報を持っていく

お客様が求めているものは、これらのこと。自分が社長だと想像した時、確かにこれらのテーマには興味があり、生産性を上げる工夫ならしてみたいと考えてしまいます。これらの価値が実現できるならば、価格はあまり重要ではなくなります。もっというと、価値があるなら予算は増やすことができます。

  • 売り上げを伸ばす

  • 生産性を上げる

  • 増益

  • お客様を増やす

  • 従業員の定着

  • 勤労意欲の向上

  • 煩わしさがないこと

  • 自由時間を増やす

  • 名声

「あなたの商品をモノとして考えるのをやめる」

  • パソコンはモノではなく、お客様のビジネスを加速させる価値がある。

  • 自動車はモノではなく、お客様の移動に関しての煩わしさを減らし、自由時間を増やすための価値がある。

というような考え方でお客様と接することができれば、提案を受け入れてくれる可能性が高くなります。

お客様の3割〜4割は価格をなによりも最重と考える

残りの6割〜7割は価値を提供できれば、優先してくれる

※価格が全てという前者のお客様は、扱いにくいという事実もある

お客様の気持ちを動かせれば、納得してもらえる

お客様への質問は、営業する上で1番大事、ということもジェフリーさんは買いていました。お客様の気持ちを動かす質問を25個用意する。「今までそんな質問されたことない」ような質問をすることを心がける。

❌どんな保険に加入していますか?
⭕️ご主人が亡くなられた場合、ローンはどのように返済されますか?


❌ポケベルはお持ちですか?
⭕️もし今、大切なお客様があなたに連絡を取りたがっているとしたらどうしますか?


❌長距離電話のサービスはどこを使っていますか?
⭕️もし、他の人よりも3割も高い長距離電話を払っているとしたらどうしますか?


全ての質問には意味があり、お客様自身にニーズを把握させる工夫だったり、お客様の生産性/収益性/経費削減に関して伸び代があることに気づかせるようなものだと効果的となります。

逆に、お客様が営業に言われてしまうと退屈したり相手にしてくれなくなってしまう禁句もいくつかあるようです。

「今日のところは」-> 求めていないのに次を求めているのが好まれない
「率直に言って」-> お客様のこれまでを否定するニュアンス
「実のところ」-> お客様のこれまでを否定するニュアンス
「もし私があなたの立場なら」-> お客様のこれまでを否定するニュアンス

そして1番ダメな質問が、「どうしたらご契約いただけるでしょうか」という質問。「そんなの知るか!」と返されてしまいます。


立派な営業マンになるための12のチェックリスト

ジェフリーさんはすぐ読者を採点したがる茶目っ気のある人です。巻末には営業マンとしてのチェックリストが書いてありました。それぞれ10点で、合計120点満点となります。99点以上で優秀とのこと。50点以下は・・・。

  1. イメージ(あなたの外見は好感が持てますか?)

  2. 話す力(あなたは話が上手ですか?)

  3. 親しくなる(お客様にリラックスしてもらうことができますか?)

  4. 考え方(ポジティブシンキングしてますか?)

  5. 商品知識(知識は十分ですか?)

  6. 役に立ちたいという気持ち(自分が儲けたい気持ちより、お客様の役に立ちたいという気持ちのほうが強いですか?)

  7. 準備(準備ができていれば自信が生まれる。質問を25個用意しましたか?)

  8. ユーモア(あなたは他の人を笑わせることができますか?)

  9. 創造性(「買ってください」とお願いする以外にどのような工夫をしていますか?)

  10. 誠意(あなたは誠実な人間ですか?)

  11. 評判(地域社会やその分野で名前が知られていますか?)

  12. 統合する力(あなた自身をどう印象づけるかイメージできていますか?)

50点以下はカーネギーの「人を動かす」を読むまでは部屋を出てはいけない


以上、「営業の赤本」でした!

関連本として、「説得の赤本」「人脈の赤本」「営業の赤本 一問一答」もあるようですので、入手できたら読んでみたいと思います!

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