京菓子展のデザインめちゃ悩んでまして私の途中経過をお見せします |弘道館留学
今年のテーマは「源氏物語」 見所満載で、ファンも多い物語ですが、なかなか「直接的にかたちに繋がるモチーフ」が少なく「京菓子デザイン展」としては、なかなか悩んでおります。
そこで、弘道館の講座の「京菓子作り体験」に参加してきました。これまでなかなかスケジュールが合わずだったのですが、ようやく参加することができました。
それで、太田達先生が、この講義でお話された「お菓子の作り方」です。それは技術じゃなくて「かたち」としての作り方。それは…。
「菓子というのは、お茶会ごとに毎回違うものを作るもの。そしてそのお菓子は、掛け軸と呼応したものとしてつくる。さらに言うと、茶会のテーマを一度「和歌」に落とし込んでからその和歌を解釈し50グラムの立体造形としての「お菓子」を作る」
ということ。お茶会・お菓子の本来の「お・も・て・な・し」の真髄のような言葉ですが、その話しは今日はおいておきます。なぜなら、「京菓子展の源氏物語のお題の菓子のデザインをどうするか」ってことが私の一番の問題なのです(〆切は8/31)
ちなみに、この日、お菓子丸の杉山早陽子先生が作られた造形としての基本形。これだけでもすごく素敵で、まぁわたしも粘土細工のように楽しんで作ってる様子が下の写真です。そのレポートはまた改めて。なぜなら、問題が源氏物語の菓子をデザインしなきゃいけないから(しつこい)
源氏物語の一番簡単な入門編であろうと「漫画あさきゆめみし」を教科書として手に入れた話しは前に書きましたが、漫画なのに…見事に進まん。恋愛のドロドロした話しと、とっかえひっかえ光源氏が女性を変えていくのでもう人の名前を覚えるのもついていけません(笑)
とはいえ、5巻くらいまではなんとか読みまして(全13巻だが…)その中で、恋愛ざたと少し関係ないエピソードが出てきます。
光源氏が諸般の事情で御所(京都)を追い出され、須磨へ行きます。そこで隠遁生活を送るのですが、海の向こうから一艘の舟が波をかき分けて進んできます。光源氏と自分の娘を引き合わせるために明石の僧侶が、一筋の波を従え光源氏の海辺の家に向かって舟で進んでくるのです。光源氏にとっては「救いの希望」にも見えたでしょうし、僧侶にとっても「未来への希望」を心に抱えて突っ込んでくるのです。
このシーンは、すんなりと私の中に入ってきました。男同士の親としての思いや、政治や思惑の話しだからでしょうか。とにかく、ここまで読んで、まずはこの部分は、心の中に絵のイメージが湧きました。
この海を進んでくる部分の和歌はまだ見付けられていないのですが、原文はこちらの「第十三帖 明石 第四段 明石入道の迎えの舟」として原文訳と合わせて掲載してくださっているサイトがありました。こういう記事をウェブで公開してくださってるのは本当にありがたいです。
なんとなく、デザインのイメージとしては、とにかくつたないアイデアスケッチですが書いてみました。一番上は濃い青系の寒天、その下がほぼ透明の寒天。一番下は白系の何かで、波を切り裂いてやってくる小舟の姿を描いてみては、という案が、まずは1案思いつきましたが…。ちょっと具象に過ぎるし、ダサイ。もっと隠喩的に匂わすような色気が必要だと思っています。とはいえ、「今回は難しいわ」という声を多く聞くので、恥をさらして検討中の案を出してみました。
いずれにしても、源氏物語ってどんな話し?って様々なひとに聞いても、人によって、様々なところが印象に残っているようで。いろんな人が感情移入できる、いろんな観点で見ることができる、というのは、やはり名作なのだと思います。実はもうひとつ、違う切り口を考えているのですが、それはまたもう少しかたちになれば、公開したいと思います。
出展検討中のみなさん、まだ間に合います。極論言うと、気に入った和歌をひとつ見付けて、それをスケッチしてみればいい、っていうのが、一番早くかたちにする方法だということはわかりました。一緒に楽しく悩みましょう。
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