女流棋士よ、もっと相振り飛車を指しておくれ*将棋*
相振りのプリンシプル
アマチュア将棋の花形はなんといっても相振り飛車である。
野球でいうところの左対左だ、大谷翔平対大谷翔平だ。
アマチュア振り飛車屋にとって、まずは指しこなしたい戦型No.1である。
相手が振ったら、対抗型にしたいのは山々だが、時間が限られるアマチュアにはチト敷居が高い。
居飛穴、ミレニアム、左美濃、天守閣美濃、エルモ囲い、玉頭位取り、地下鉄飛車、ポンポン桂、……
なんだか色々できることがあって、逆に居飛車はよくわからない。
だから相手が振ったら、相振りにしてお決まりの形に持ち込む。
よく使い方わかんないけど、Shogipicさんに貸してもらいました。
△7八飛車で、すでに後手番持って不満なしだ。(便宜上先後逆)
石田が確定し、ガンガン行けるから優勢まである。
相振りの名局といえば、
近藤正和 vs 堀口一史座の新人王戦だ。
近藤正和七段がその天才ぶりをマザマザと魅せた一局だから、いまでも並べる価値はある。いまだに、なぜタイトルの2つや3つ取れなかったのか不思議なもんだ。
里見西山の時代
だが、昨今、男性棋戦から相振りが姿を消して久しい。
角換わりの奴隷になるのも悪くはないが、もう少し振り飛車を増やして欲しい。
振り飛車の十字架を背負うのが嫌なのは解るが、プロならば魅、せ、て、よ、と思わんでもない。
云ってもせんなきことだから、これくらいにしよう。
そこで女流棋士にお鉢が回る。
女流棋士は振り飛車屋が多いことで知られている。
最近、女流棋士がグワッと増えすぎてよく解んないけど、振り飛車屋が多いことは、ほぼほぼ間違いない。
まず女流の二枚看板からして、生粋の振り飛車屋だ。
そういえば、お二人の実戦棋譜集が出たんだっけ。
西山さんの「1一桂打つ!」が炸裂する名局も収録されてるヤツよ。
アレは凄かった。アレだけでも並べる価値がある。ビビるよきっと。
里見香奈 vs 西山朋佳 実戦集【-棋譜データ付き-】 マイナビ出発
いみじくも3月14日発売で、ステマみたいになっちゃった。
¥2,706というお値段は、まあ妥当といえば妥当じゃあないかなあ。
昨今のコストプッシュインフレの中で頑張っているほうだろう。
しかし、福間・西山両巨頭の相振り棋譜には大問題がある。
それは、もはや2人だけの世界で完結し、意味がおいつかない所だ。
しかもシロウトには無理でしょっていう綱渡りの序盤戦ばかり。
過ぎたるは尚及ばざるが如しである。
女流棋士の時代
やはり、コレがいい。
なんなら、全部これがいい。
△4五歩ならば、▲4六歩から先手持って存分に捌ける。
ちなみに8八の角は、7七角のミスプリ。
それ以外ならば、▲7五銀から猛攻浴びせて先手勝ちやすい。
女流棋士の棋譜をみていると、コレに案外なりやすい。
だからいい。
なんなら、全部これがいい。
棋書だって一昔前までは、相振りも充実していた。
藤井猛著 相振り飛車を指しこなす本
だいたいこれだけで、いまでも相振りはコトタリル。
もっと横着したければ、
戸辺誠著 石田流を指しこなす本・相振り飛車編
じつはこれ1冊だけでも、忙しい人向けであればコトタリル。
これは筆者の憶測だが、
直近における振り飛車屋の女流棋士増加トレンドは、この2シリーズによるところが大きいんじゃないかなあ。
なんだかコレは書いてて自信が沸いてきた。
だって、
やっぱり棋書って浅川でしょう。
やっぱ入門は、指しこなす本でしょうに。
我々普通のアマは、ずっと、指しこなす本で止まっているワケだが。
マイナビ大優勢の時代
マイナビもいっぱい出してくれて悪くはないが、アレ以降、なにぶん出てくんのが居飛車寄りになってて、なんだか嫌な感じ。
浅川も浅川で、年1回の刊行ペースをかたくなに遵守するのは、やめて欲しい。
昔のお前はもっと熱かっただろうにと、声を大にして云いたい。
つまりは、
「三間飛車を指しこなす本」をはやく出して下さい。
なんだかねえ、
ロジカルな必死200なんかでお茶を濁している場合かと、問い詰めてやりたい。
寄せの手筋200で、もはや必要にして十分じゃねえかな。
なんだか、みんなしてマイナビに押されてビビってんじゃねえかって想うよ。
シェアを独占されて、
きみらは悔しくないのか、と説法こきたい。
将棋界隈の真ん中もそうなら、出版もソラ独占よ。
相振りの灯
やはり、我々アマ振りはこれでしょう。
なんだか、こっち持って負ける気がまったくしなくなってきた。
角筋の一方通行がデカい、デカすぎる。
書いてるうちに、自信が確信に変わったよ。
だけど、やはり上手く指しこなすためには、何をおいても上質な棋譜が必要なワケよ。
だから、女流棋士のみなさんには是が非でも、相振りの灯を絶やさないで欲しいんだ。
では、また、
逢いましょう。