読書記録「瑠璃の宝石②」
川口市出身の自称読書家 川口竜也です!
今回読んだのは、渋谷圭一郎さんの「瑠璃の宝石②」KADOKAWA (2021)です!
・あらすじ
宝石探しの面白さに魅せられた女子高校生の谷川瑠璃。大学院で鉱物を研究している荒砥凪の勧めで、産地不明の「サファイア」を探す。
だが、実際のフィールドワークはひどく地味なものであった。川砂を採取してはサファイアの欠片がないか顕微鏡で確認し、徐々に上流へ昇り”当たり”をつけていく。
これまでの山や川での探検と異なり、途方に暮れる瑠璃。途中にトラブルや偶然の発見に見舞われながらも、日に日にサファイアの産地に近づいていく。
先日BOOK OFFで1巻だけ購入したのを、あまりの面白さに買いに走った次第。やはり地学は面白い。
1巻では実際に山で水晶を探したり、川でガーネットを集めたりとする内容が多かったが、2巻では実際に鉱物学における研究の進め方について学べる内容であった。
宝石探しと言うと、ジュール・ヴェルヌの「地底旅行」とか「海底二万哩」を思い出す。命をかけて、ハラハラするような冒険物語は胸をときめかせる。
だが、現代の宝探しはもっと地道に行われる。川砂を採取して顕微鏡で観察、分岐点ごとに検証を行い、徐々に産地へと近づいていく。
科学的アプローチで、宝石に近づいていく。まさに、宝の地図を自ら作り出す作業である。
この本を読んで、ライターの仕事も同じだなと思った。施策書でユーザー像にあたりをつけて、そのユーザーが求めているであろうものに近づいていく。
何千ものボリュームのあるキーワードから、これを検索している人のための記事を書く。そのためには、どのユーザー像が間違っているのかも把握しなければならない。
ロジカルシンキングに関する本を読んだときに、思考する際には見落としがないように、漏れがないように注意する必要があるという。
上司にも度々、このユーザー像への施策はやり尽くしたかと聞かれる。まだ他にできることがあるのではないかと、求めているものがあるのではないかと。
逆に、ここにユーザーニーズがないならば、ないと言えるほど確認する必要がある。この道にはこの情報を欲しがっているユーザー像はいないと。
なんだか、どこの分野においても、科学的なアプローチが近道になるのだなと勉強になった。
勿論この漫画は学術書ではないため、専門用語や事例などは基本的になく、鉱物学に詳しくない人でも非常に楽しめる作品だと思う。
見開きで描かれる自然の驚異に、世界に、読者である私も魅せられていく。地学に興味ある方は是非。それではまた次回!