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フリーランス生活を長く続けるための課題と、その解決法

この記事の内容は、タイトルの通りです。会社員からフリーランスに転じ、20年以上活動を続けてきた経験に基づいて説明します。


■ 課題は「技能を磨くこと」だけではない

まず、結論から書きます。

フリーランスとしての活動を続けるための主たる課題は「時間とお金の管理」です。なぜならば、これができない人はたちまち生活が破綻し、消えるからです。

こう書くと、以下のようにおっしゃる人もいるでしょう。
「いやいや、技能を磨くほうが大切では?」

たしかに、「技能」は大切です。
「技能」はフリーランスの「武器」です。
それは、きびしい生存競争を生き抜くうえで不可欠なものです。

ただし、フリーランスが「技能」を磨くのは当たり前のことです。個人が持つ「技能」が対価になるので、「技能」だけで生活するには、高いレベルの「技能」を必要とします。

出版の世界で活躍するクリエイターの例を挙げましょう。

ライターは、うまい文章を執筆できて当たり前。
イラストレーターは、うまい絵を描けて当たり前。
フォトグラファーは、うまい写真を撮れて当たり前。

彼ら彼女らは、一般の人から見れば、高い「技能」を持っています。

しかし、そのすべて人が「技能」による収入だけで生活できているわけではありません。なぜならば、同じような「技能」を持つ人が、日本国内だけでもたくさんいるからです。つまり「代わりになる人は、いくらでもいる」のです。

もし「技能」による収入が増え、それだけで生活できるようになっても、重要な課題が迫ってきます。

それが、冒頭で紹介した「時間とお金の管理」です。

■ 会社なら誰かやってくれたことを1人で処理する

その必要性は、会社員とくらべるとわかりやすいでしょう。

会社員は、基本的に「時間とお金の管理」を別の人がやってくれます。

たとえば私は、会社員時代に技術者(研究開発に携わる平社員)として働いていたので、経営・営業・経理・人事・企画・広報・労務管理・組織管理...などの多くの仕事を、すべて他の社員におまかせしていました。

このため、私は基本的に与えられた仕事に集中することができました。

そのありがたさは、フリーランスになって気づきました。

フリーランスは、与えられた仕事をこなすだけでなく、経営・営業・経理・企画・広報・労務管理などの仕事をすべて自分でする必要があります(フリーランスは個人事業主なので、「人事」「組織管理」は除外しました)。

つまり、ライターであれば、ただ原稿を執筆していればいいのではなく、自分を管理しなければならないのです。

■ ルーズになる自分を管理する

フリーランスは時間やお金の使い方がルーズになりやすい

そこで重要になるのが、「時間とお金の管理」です。

なぜならば、フリーランスは、会社員とくらべて時間やお金の使い方の自由度が高い反面、それらの使い方がルーズになりがちだからです。

なぜルーズになるのか。時間とお金で分けて説明します。

在宅勤務と時間の管理

まず、時間の話をします。

フリーランスの人の多くは、在宅勤務をしているでしょう。
かくいう私も、そうです。

在宅勤務は、時間の使い方がルーズになりがちです。

オフィス勤務では、時間の管理がしやすいです。日勤の場合は、出社時間や退社時間、昼の休憩時間があらかじめ決まっているからです。また、オフィスでは上司や同僚、部下などの目があるので、「堂々とサボる」ことはほとんどできません。

いっぽう在宅勤務は、時間の管理がむずかしいです。そもそもビジネスタイムが決まっていないからです。また、部屋で1人で仕事をする場合は、「堂々とサボる」ことができてしまいます。

みなさんも経験がありませんか? 気がついたら、仕事と関係がないネットサーフィンをしてしまった。仕事中なのにSNSが気になった。息抜きのつもりでYouTubeやTikTokで動画を観たら、思いのほか時間が経っていた。

そう、在宅勤務は、オフィス勤務よりも誘惑が多く、思わぬところで時間を浪費しがちなのです。

フリーランスとお金の管理

次に、お金の話をします。

フリーランスは、お金の管理がむずかしいです。会社員とくらべると、収入が不安定で、将来の見通しが立てにくいからです。

このため、明確なビジョンを持ってお金を管理しないと、生活がかんたんに破綻します。

会社員が陥りがちな「誰かが何とかしてくれる」という甘えは、フリーランスでは通用しません。自由そうな働き方と思われがちですが、そのイメージよりもはるかにシビアな世界です。

一芸に秀でていても消える

以上、時間とお金に分けて、それぞれを管理する必要性を説明しました。

はっきり申し上げると、「時間とお金の管理」をないがしろにしたフリーランスは、たとえ一芸に秀でていても、自然消滅します。

これを「きびしい言い方だ」と感じる人もいるでしょう。
ただ、これは事実です。

時間とお金の管理」ができないと、あるときから負のスパイラルに入ります。

「技能」を磨く余裕がなくなり、仕事の質が下がり、依頼の件数が減る。このような悪循環に陥った結果、生活ができなくなり、廃業に至る。

私は、そのようにして消えた人を、これまで見てきました。

■ 自己管理能力を高める方法

そこで私は、「明日は我が身だ」と意識し、その状態を避けるための工夫をしてきました。

この記事では、その工夫の一部として、次の2つの方法を紹介します。

  • 時間とお金を「見える化」する

  • 仕事の環境を見直す

それぞれ説明します。

時間とお金を「見える化」する

まず紹介するのは、時間のお金の可視化、つまり「見える化」です。

時間とお金は、気が付かないうちに、どんどんと消費されます。よほど注意していないと、浪費してしまうことも多々あります。

もし、時間とお金の流れをひと目で確認できるようになれば、それらの使い方が効率よくなり、浪費を防ぐことができます。

方眼ノートを使った時間とお金の管理術の例。右ページに予定を書き、左ページに実際に使った時間の内訳を書き込んで、両方をひと目でわかるようにする

そこで私は、方眼ノートを使って時間とお金を管理しています。

つまり、「いつからいつまで何に時間を使ったか」「仕事の締切はいつか」「お金の残高はいくらか」「いつどれぐらいお金が入ってくるか」などの情報を書き込み、時間とお金の流れをひと目で確認できるようにしたのです。

計400円以下でできる時間とお金の管理術

この手法のポイントは、計400円以下の投資で、誰でもすぐに始められることです。タブレット端末などの高価なデジタルツールはいりません。

方眼ノートに貼るカレンダー(自作)。お金の残高、入金予定を記入する。残高が多いと、気持ちに余裕ができ、仕事に集中しやすくなる

くわしい手順については、以下の記事をご参照ください。
この記事は、2024年12月2日にnoteに投稿して以来、本日までの24日間で約5,000というビュー数を記録しました。note公式さんにも3回紹介されました。

仕事の環境を見直す

次に紹介するのは、仕事の環境を見直すことです。

これは、これまで紹介した「時間とお金の管理」とは異なる部分がありますが、在宅勤務の効率を上げるための工夫として紹介します。

自宅は、基本的に「生活の場」なので、「仕事の場」としては向いていないことが多いです。もし仕事専用の部屋を確保できたとしても、オフィスよりも気が緩みやすく、先ほど述べたように「堂々とサボる」ことができてしまいまます。

そこで私は、以下の3点を実践して、仕事の効率を上げています。

  • ① 環境を変える

  • ② 時間を管理する

  • ③ ときには休む

このうち①の「環境を変える」は、仕事専用の部屋の環境をオフィスに近づけることを指します。「そのようなことができるのか?」と思う人もいるでしょうが、できます。服装や照明を変えて、日常生活を送る空間と離れた空間をつくる。パソコンやスマホの通知を切り、仕事に集中できるようにする。そう、やろうと思えばすぐできることがあるのです。

部屋の照明の色を変えるだけでも、仕事をしやすい環境が整う

②の「時間を管理する」は、先ほどの「時間とお金を『見える化』する」と共通する部分がありますが、ふれていない部分もあります。

それは、自分なりの「定時」を設けることです。
もし、その「定時」に、オフォスと同じチャイムを鳴らすことができれば、ダラダラと仕事をするのを避けることができます。

③の「ときに休む」は、在宅勤務で重要です。

こう書くと「休んだら、仕事の効率が下がる」と思う人もいるでしょう。
じつは、そうでもないのです。

在宅勤務は、オフィス勤務とくらべると、仕事に集中しやすく、効率を上げやすい反面、疲れやすいです。だから、計画的に休む必要があるのです。

これらの詳細は、以下の記事にまとめました。いつもの無料記事よりも圧倒的に情報量が多い(7300字を超える)ため、一部を有料とさせていただきました。ジュース1本分のお値段で、今すぐ誰でもできる工夫を手に入れてみませんか?

以上、フリーランス生活を長く続けるための課題と、その解決法を、過去20年以上のフリーランス生活の経験に基づいて記しました。

現在フリーランスで活動されている方、そしてこれからフリーランスになろうと考えている方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。



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川辺謙一@交通技術ライター
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